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「キネマの神様」感想

【ネタバレ】

◎「キネマの神様」

 「あの人を愛したから、その神様に出会えました。」

 2021年8月6日(金)公開、監督・山田洋次、脚本・山田洋次、朝原雄三、原作・原田マハ、125分。
 松竹映画100周年記念作品です(1920年-2020年で100周年。)。

 総合評価は上中下で中くらい。

 志村けんさんが主役のはずがCOVID-19で2020年3月に死亡、中断からの、沢田さんを主役として公開にこぎつけたもの。公式HPとかの志村さんの笑顔が涙を誘います。

 沢田研二/菅田将暉(円山郷直(ゴウ)役)、宮本信子/永野芽郁(円山淑子)、小林稔侍/野田洋次郎(寺林新太郎)、寺島しのぶ(円山歩)、前田旺志郎(円山勇太)、北川景子(桂園子)、リリー・フランキー(出水宏)など。







○ ゴウはギャンブルと酒に溺れる日々で、ダメ人間ですが、そんなゴウを甘やかしてきた妻、そして娘。それによりますます悪化していったゴウ。
 山田監督と言えば「男はつらいよ」シリーズですが、(まともに見た作品はありませんが、)寅さんもその傾向があるような。

 約50年前にゴウが書いた脚本を孫息子のすすめで現代風にリバイスして応募したら脚本賞を取り、得意な顔のゴウ。妻も娘も、ゴウはやれば出来るとは思っていた様子なので誇らしげです。以前からの体調不良で入院したゴウが酒をやめなかったのは、単なるダメ人間だからか、死期をさとっていたからか。前者が主で両方でしょうね。

 若い頃のゴウを演じる菅田さんの外見が二枚目過ぎじゃないかとも思いましたが、若い頃の沢田さんも二枚目ですから、それで良かったのでしょう。菅田さんの純粋な瞳が、映画のことしか考えていない感じが出ていて良かったです。
 沢田さんは、髭ぼうぼうで太っていて、自堕落な感じが良かったです。
 北川さんは美人だな、と、あらためて思いました。

 コミカルでクスッとできるところは結構あります。ゴウがダメ人間なので感情移入できるわけではないですが、人情喜劇として人間模様が楽しめました。

○ 観客は60代以上らしき人が多かったので、途中でトイレに行く人も何人か。50代、あるいは60代以上が主たる客層でしたら100分以内におさめるべきだったでしょう。とはいえ、本作に無駄なところがあるわけではないので、本作は本作として。

 公式HPから。
 「2020年3月1日にクランクインするも、撮影のちょうど半分を終えた3月末に、ダブル主演を務めるはずだった志村けんさんがご逝去されました。
程なくして日本政府による緊急事態宣言が発出し、撮影は長期中断を余儀なくされるなど、あらゆる困難が降りかかりました。
しかし、世の中がどうなるか分からない状況下でも、山田監督はじめ制作スタッフは撮影の再開を信じ、前を向いて準備を進めました。
撮影休止中に山田監督は脚本を再考し、新たなキャストを迎え、感染症対策を万全にした態勢で撮影を再開。
このような長い旅路を経て、作品を届けたいと願う全ての人の想いが込められた本作がついに完成し、2021年8月6日に公開を迎えます。

ダブル主演を務めるのは志村けんの遺志を継ぐ沢田研二と、誰もがその人気と実力を認める俳優・菅田将暉。
更に日本を代表する名女優・宮本信子と若手人気女優・永野芽郁など記念すべき作品にふさわしい豪華なスタッフ/キャストが集結しました。

本作は、数々の名画を生み出してきた松竹映画100年の歴史を見つめ、これから100年の映画界へのバトンになってほしいという希望が込められた作品です。」

 「無類のギャンブル好きなゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。
それは「映画」 ー。
行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。

若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、また撮影所近くの食堂の看板娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。
そして、ゴウとテラシンは淑子にそれぞれ想いを寄せていた。しかしゴウは初監督作品の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。
ゴウは撮影所を辞めて田舎に帰り、淑子は周囲の反対を押し切ってゴウを追いかけて行った・・・。

あれから約50年。歩の息子の勇太(前田旺志郎)が、古びた映画の脚本を手に取る。その作品のタイトルは、『キネマの神様』。それはゴウが初監督の時、撮影を放棄した作品だった。
勇太はその脚本の面白さに感動し、現代版に書き直して脚本賞に応募しようとゴウに提案する。最初は半信半疑で始めたゴウであったが、再び自身の作品に向き合う中で、忘れかけていた夢や青春を取り戻してゆく ー。

これは、“映画の神様”を信じ続けた男の人生とともに紡がれる 愛と友情、そして家族の物語。」

○ 2021年7月の新宿ピカデリーにて。















【shin】


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