◎「ALDNOAH.ZERO」(アルドノア・ゼロ)(全12話)
軽い萌やコメディも忘れないシリアス系の雰囲気のある絵と物語、そして急展開する物語自体は意表を突いていて楽しく、全体としては楽しかったです。
意表を突いてきただけに、2015年1月からの2期でどういう結論に向かって物語をまとめていくのかには、不安ばかりですが。
左、真面目な顔をしての、不見咲がモテない理由コントが笑えた、ダルザナ・マグバレッジ大佐(cv茅野愛衣)と不見咲カオル中佐(cv嶋村侑)。
○ 1話で火星から地球に親善に来たヴァース帝国の第一皇女、アセイラム・ヴァース・アリューシア(cv雨宮天)が暗殺され、37家門(貴族)の火星の軌道騎士が地球を攻撃。護衛や連絡担当の者が地球に付いて行っているはずですから彼らに状況を確認させ、アセイラム姫の死亡を確認してから攻撃するなら未だしも、いきなり攻撃ですから(37家門全てが攻撃したのかは不明。)、火星側が仕組んだ暗殺だということは分かりやすかったです。
直ぐに攻撃したことから、通常の判断力を持った政治家や軍人なら火星人の自作自演と直ぐに気付きます。それなのに直ぐかつ一斉に攻めてきたということは、火星の騎士なのか皇帝は知っていたということか、騎士はただのバカということです。コメディではなくシリアスなので、そこはリアルに知っていたと考えて良いはずなのですが、話が進んでいくにつれて知らなかった騎士もいたようで(皇帝は知らなかったし、病床に伏していて状況を十分に把握できていない。)、ということはバカもいたということかも知れません。
クルーテオ卿(cv速水奨)については、アセイラム姫への忠誠心が強過ぎたからカッとなったと説明できますが、それは結局バカだったということです。
一方、暗殺を仕組んだザーツバルム卿(cv大川透)やトリルラン卿(cv櫻井孝宏)以外は、うすうす気付いていたのかも知れませんが、地球に恨みがあったし領地を広げたいからこれ幸いと直ぐに攻撃したとも説明できますし、全く気づいていなかったとしても、他の騎士が攻撃したから遅れてはならないと流れに乗って直ぐに攻撃しただけとも説明できますから、バカではなかった、むしろ、生き馬の目を抜こうと利口だったとも説明できますけれど。
○ ところで、「一週間フレンズ。」(2014年春)では細い感じの声が良かったですが、それが香織の表情やキャラに合った初々しさにつながっていましたが、これの雨宮さんも似た声ですが少し作為的で少し白々しい声に聞こえますね。お姫様だから体面を意識してそうしているのかもしれませんけれど、秋アニメの「七つの大罪」でのお姫様のエリザベス役でも似たような少し作為的な感じなので、細い感じの声の時はそういう声しか出せないのかも(夏秋アニメの「アカメが斬る!」のアカメ役や「東京喰種トーキョーグール」の薫香役では異なる中音の声です。)。聞く側の慣れや、その声がキャラによってどう聞こえるのか、というだけなのかも知れません。
○ さて、それにしても、元は同じ地球の人間なのに数十年でここまで科学技術力に差が付くというのは変。宇宙人の力でも借りているのかなあ。
火星の超ハイテク兵器が地球のローテク兵器と偶然の知恵に負けたというところも、油断があったにせよ、何なのだか。
とか思っていると、火星人は火星に眠っていた古代の超ハイテク兵器アルドノアを手に入れたから強いのだと。あー、やっぱりそういうことね。。。(それなのに、自分の力で強い兵器を作ったのではないのに優越感を感じていて地球人を蔑んでいるのは、劣等感と羨望の裏返しです。)
それが地球の種子島にも落ちてきていて、危機一髪、アセイラム姫が戦艦デューカリオンを動かして切り抜けると(7話)。アセイラム姫と父の皇帝だけは全てのアルドノアドライブを動かしたり止めたりできるというのも、それを借り受けた騎士はその分のアルドノアドライブを動かせるというのも、都合良く出来ています(6話)。
○ 9話、シャワー室でアセイラム姫がライエ・アリアーシュ(cv三澤紗千香)に絞殺され、起動した人が心停止すると停止するのがアルドノアドライブということでデューカリオンが動力を失ってハードランディング。
10話、やっぱり生き返ったわけですが、、、1回くらいはそれもありでしょう(そうなりそうなことが、最終話のアセイラム姫と伊奈帆と、8話のクルーテオ卿であったのは、仮に生きているのだとしたら都合がよすぎて閉口ですが。2期で、やっぱり死んだとなるのかも知れませんけれど。)。
ここも、身内を火星人に殺された、アセイラム姫暗殺未遂犯の一味のライエ(彼女は、自ら火星人と称していた。)の恨みということですが、ここで姫を殺すと地球が火星に勝つための手段が無くなるので地球人は全滅か完全征服されることになり、火星の味方をすることになるのですが、個人的な恨みは後先考えないほどに強く、自分勝手ということになります。
○ ところで、高校生なのに冷静で落ち着いて戦闘している「魔法科高校の劣等生」「信長協奏曲」「アルドノア・ゼロ」の主人公。魔法科はそれなりの修羅場をくぐって来た結果でもあり改造された人間なので構わないのですが、後の2作はそういう経験なしの高校生。「信長協奏曲」は何も考えていないからと思いますが、これはよく考えていますから、謎が深まるばかり。
○ 最終話、界塚伊奈帆(cv花江夏樹)とアセイラム姫は撃たれて死んだかのようでしたが、ナレーションでアセイラム姫は行方不明と言っていたので、姫への忠誠心が強いというか惚れていると思われる、姫に命を助けられた地球人のスレイン・トロイヤード(cv小野賢章)が姫を連れて治療したけれど生き返ってはいないとか、そういったところでしょう。あれだけ撃たれて死なないのか、というのは理屈にあまり合いませんが。
伊奈帆のことには触れていませんでしたから、地球が保護して生きているのかも知れませんが、あれだけ撃たれて生きているというのも理屈にあまり合いませんが。
いずれにせよ、メインの3人のうち2人が死んで1月からの後半の物語を続けるというのは、物語が作りにくい気がします。何よりも アセイラム姫がいなければ地球は火星に勝てる訳がありません。ただ、実はクルーテオ卿が生きているのだとは思いますが、姫への忠誠心から地球の味方をすることが予想され、そうなれば地球が勝つ可能性は生じますけれど。
○ 2015年1月から2期。楽しめるだろうとは思いますけれど、「新世紀エヴァンゲリオン」のように物語が破綻しないことを、まず第一に期待します(TV版。TV版エヴァの物語が破綻していて、物語としては駄作だというのは周知の事実ですよね?。それを上回る魅力があり、歴史に残る作品であることも確かですが。)。
スレイン、伊奈帆、アセイラム、メイン3人の行く末、
つまりそれは、地球と火星の行く末であり、3人の恋の行く末であり、
敵の敵は味方ということで手を組んだこともあった伊奈帆とスレインが殺しあった後に友情が芽生えるのかどうか、
さあ、どうなるのか?
お願いだから、上手くまとめてくれ・・・
【shin】
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