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ヨルムンガンド2期の感想1。多数を救うためにどこまでの少数を犠牲にすべきか?平和とは?

 今年も宜しくお願いします。

 新年らしいことが書けなかったので正月三が日は載せませんでしたが、4日になったので通常運転で2012年秋アニメの感想の続きで、「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」の感想1です。

 三が日も過ぎたので、質・量ともに少しばかりヘビーな内容でもいいかな、と。

● 前提

 話数も春の1期(1~12話。→1期の感想へ。)から続いていますし、2期(13~24話)というより春の続きです。
 引き続き、なかなか緊迫感もあり、良く練られた話で、味のある良いキャラばかりで、声優の演技も軽かったり重かったりが良くて、ココや私兵達の過去が話が進むにつれて順に描かれるところとか、面白かったです。

 CIAの情報屋・盗聴屋のショコラーデ(cv小清水亜美)の軽さとかコミカルな感じとかが、シリアスなアニメの中で生きていて、特に好きです。
 サブキャラも良かったということです。

 良い意味で、いろいろと気になるところはありますが、手を広げすぎるのもアレなので、いくつかに絞って、何回かに分けて感想を書きます。


 さて、まずは1期の台詞から。

 元少年兵のヨナ(cv田村睦心)「父さん、母さんを殺したのは、ああいう最新鋭の戦闘機、新型の爆弾。武器を考えるヤツ、作るヤツ、売りさばくヤツ、使うヤツ。僕は永遠に憎む。そんな気持ち、神は知ってか知らずか。ココは何故武器を売る?。」
 武器商人のココ(cv伊藤静)「世界平和のために。

 ココ「君(=ヨナ)は銃を捨てられるか?無理だね。君は一生武器を捨てられない。そいつに対する憎しみは誰よりも強いが、そいつを持つことの頼もしさを、誰よりも知っているから。

 ヨナの回想「僕は、武器商人と旅をした。」


 さて、最終(24)話で、ココのもとを去ってココの兄の武器商人のキャスパー(cv松風雅也)のもとに来てから2年が経ったヨナがキャスパーのもとを去りたいと告げるとキャスパーは、予期していたことが起きたとしてあっさりとOKします。

 ヨナを降ろした車中でキャスパーが部下の私兵に、「また会えますよ。こればかりは僕も不憫だと思いますが、ヨナはあの年にして武器の味を知ってしまった。彼はもう銃を捨てられない。一度別れたらもう二度と会えないようなこの広い世界。が、一度武器を手にした者が生きていける世界は、極端に狭くなるものなのです。」

 何故か銃を持って車を降りたヨナですが、ヨナは銃を1つ捨てますが(13話冒頭のシーンと同じ。)、もう1つはどうしても捨てられず、どうして良いのか分からなくなり、ココのところへ向かいます。
 誰よりも武器を憎むヨナにしてこうです。


 コン棒、刀や弓で戦っていた時代から、銃や大砲、そして戦車、更に艦船、更に飛行機。更に、未来の戦争では核兵器も使われるかも。

 武器の進歩は、戦争の大規模化、つまり、戦争による死者の増加でもありました。
 22話冒頭によると、第1次世界大戦(1914~1918年)で約4000万人、第2次世界大戦(1939年~45年)で約6600万人の死者・行方不明者(民間人を含む。)ですが、人数には諸説あるようです。いずれにせよ、戦争は大規模化、総力戦化し、死者数は増えました。なお、2次大戦で日本は負け、日本だけでは三百数十万人が死亡しました。


 麻薬の味を知った人間が麻薬から逃れることが困難であるように、銃(力(チカラ)とか権力とかお金とかの象徴ととっても良いでしょう。)の味を知った人間もそうだというのがこのアニメの前提です。
 といったことを前提に感想を書きます。



● ヨルムンガンド計画が問うことの前置き

○ ヨルムンガンド計画は、大雑把に言って、量子コンピューターと126機の衛星をココが駆使して、飛行機に乗って空(ソラ)にいる70万人を、最初に世界への脅しとして必要最低限の人数として殺し、更にミサイル等を使えなくし、空の利用を禁止し、支配し、空を使えないようにし、次に海、陸を支配して人の行動を制限することにより、今後は戦争をしない/出来ないようにして、強制的に戦争のない平和な世界をもたらそうというものです。しかも武器商人が。

 量子コンピューター(スーパーコンピューターの比ではないくらいに高性能のコンピューター。)のような巨大で複雑なシステムを数人で作りあげるとか、それが他よりも数年だか10年だか20年だかも先駆けて作りあげるとか、そのあり得なさはフィクションだから良いとして。


○ さて、22話でココの私兵達(及び視聴者)にココが初めて計画を明かしますが、子供のヨナを除いて私兵達は皆ほとんど驚かないとか、直ぐに賛成するとか、大人と言えどもあっさりと理解し過ぎ(ココは、反対して去って行くヨナに心底驚いていますが。)。

 雇い主のやることには賛成するという傭兵の習性なら分かります。
 しかし、戦争がない世界とは傭兵の活躍の場が少ない世界であり、傭兵である彼ら自身の自己否定になります。
 どうあってもやがては反乱分子は出るものですし、仮に武器製造会社がなくなっても手製である程度の武器は作れますから武器がなくなることはない、という意味では傭兵や警察(あるいは軍隊)の活動の場はなくならないのですが、活動の場は減ります。

 ココがやることだから、ココの目指す新しい世界が面白そうだから、というのも私兵達は理由にあげていました。

 私兵達があっさりと計画に賛成した理由については、ココと私兵達、私兵達同士が仲が良いことの不思議さとからめて説明しないといけないので、別途書きます。


○ さて、最終(24)話で、ココからようやく計画を知らされたキャスパーは高笑いし、「いいんじゃないか、ヨルムンガンド。」と言い、驚くココにキャスパーは続けて「空をつぶすということは海と陸への流通の限定。」「この世から武器がなくなると本当に思うか、ココ?。航空兵器が駄目なら海戦兵器を売ろう。船が駄目なら戦車を売るよ。銃を売ろう、剣を売ろう、ナタを売ろう。鉄を封じられたならコン棒を売ろう。それが我々、武器商人だ。」と自信満々に言います。

 武器商人のたくましさ、抜け目なさ、あくどさが良く現れています。特にキャスパーは、戦争を起こすように政治家や社会などを仕向けて武器を売ったり、一方が優勢になると劣勢の側に肩入れして戦争を長引かせたりして儲けています。

 但し、それはそのまま、武器商人から武器を買う側にも言えることです。

 供給(武器商人)が需要(戦争、軍隊の増強、そしてそれを望む政治家や国民など。)を生む面があることは確かですが、需要が供給を生むことはより確かです。
 いくら武器の供給を増やしても、需要がゼロのままなら武器は売れないし消費されないのです。

 ここにおいて、需要を創出することが必要となり、キャスパーのような武器商人はそれもしているわけですが、それとて、買わなければ良いだけのことです。

 ただ、全ての人間が私利私欲から逃れられるわけではない、家族とか名誉とか地位とか宗教とかお金とか国とかのために戦う人間がゼロになるわけがないのですから、武器の需要も供給もなくなるわけはないのです。
 性善説に立つ人であればこうは考えないかもしれませんが、私はやや性悪説なので。



● ヨルムンガンド計画が問うこと

○ アニメ内では、世界各地で戦争が起きていることから、戦争により2年間で70万人以上が死んでいます。
 そのため、最終(24)話で発動したヨルムンガンド計画により、今後は戦争による死者は減り、つまり、計画を発動しなかった場合よりも計画を発動した場合の方が死者は減ることになります。


 そんなヨルムンガンド計画からは、2つの問いかけがあります。

  1.多数を救うために少数を殺すこと/少数が死ぬことが良いのか?。
    その少数を助けたことにより、結果としてその少数を上回る人が死ぬことになったとしても?。

  2.なかなか決まらなくても、妥協を重ねざるを得ないために良い政策がとれなくても、民主主義の政治を選ぶのか?。
    それとも、速やかに決めることが行いやすく、妥協の必要が少ないのでより良い政策をとることが可能な、しかし、異論を唱えることが難しいので独裁者の都合の良いことばかりの圧制になりやすい(中東の多くの国(親米の
国も反米の国も含む。)、中国、北朝鮮のような。)、独裁政治を選ぶのか?。



○ さて、1.についての頭の体操です。
 1000人と10万人が人質にされ、片方が全員死に片方は全員助かるが、犯人からどちらかを選んで良いと言われた場合、どちらを助けますか?
 両方助ける、両方助けられる、と言うのは無しです。スーパーマンでもそれは無理で、そうしようと画策すると両方とも死にます。

 少し具体的に、次のそれぞれの場合はどちらを助けますか?
 複雑な条件や前提は考えずに、文字通りを見て考えて下さい。

 (1)1000人も10万人も名も知れぬ一般国民の場合。(→このアニメでは、この前提。)

 (2)1000人が政治家で、10万人が名も知れぬ一般国民の場合。

 (3)1000人がビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのような社長や起業家で、10万人が名も知れぬ一般国民の場合。

 (4)1000人がノーベル賞級の科学者で、10万人が名も知れぬ一般国民の場合。

 (5)1000人がノーベル文学賞級や文化勲章級の文化人で、10万人が名も知れぬ一般国民の場合。

 (6)1000人が日本人で、10万人が外国人(それがアジア人か欧米人かで判断は変わりますか?。)の場合。

 (7)1000人が赤ん坊から20代の若者で、10万人が70歳以上の場合。

 (8)1000人が普通に健康な人で、10万人が余命数ヶ月から数年と宣告された病人の場合。

 (9)1000人が名も知れぬ一般国民で、10万人が刑務所に入っている犯罪者の場合。

 (10)1000人が名も知れぬ一般国民で、10万人が少年院に入っている10代の犯罪者の場合。

 (11)1000人が70歳以上の名も知れぬ一般国民で、10万人が少年院に入っている10代の犯罪者の場合。

 (12)更に、1人が天皇、大統領、首相、自分の家族、あるいは自分で、10万人が名も知れぬ一般国民の場合。

 組み合わせは多々ありますが、取り敢えず。

 どちらを助けるかというテーマは、「トータル・イクリプス」(2012年夏秋アニメ)でもありましたが、基本的に、少数の犠牲で多数を救うことを選んでいました(この場合は、少数も多数も一般国民。)。一部、可能性がゼロではない限りは両方助けるという者もいて、両方助けることが出来ていましたが、そこはフィクションならではです。
 しかし、この頭の体操においては、両方助かる可能性は全くのゼロです。


○ 10人と10万人、1000人と100万人、1000人と1000万人、1000人と1億人とか、1000人と1000人とか、10万人と10万人とか、1人と1人とか、人数を変えると判断は変わりますか?。

 現実では、仕事でも勉強でも何でも、結局は何かを選ぶと何かを捨てなくてはいけないことがほとんどです。二兎を追う者は一兎も得ず。
 二兎を追う者しか二兎を得ることは出来ない、と言う言葉もありますが、現実では、二兎を追って二兎を得ることが出来るのは、かなりの能力がある一部の人のみか、二兎とも元から容易に手に入れることができるものの場合のみです。


○ あるいは、上のにいくつかの条件をつけると判断は変わりますか?。

 例えば、(1)の場合は、誰もが1000人を見捨てて10万人を助けるでしょう。

 しかし、その国の人口が増えすぎて水や食料の調達に苦労し、ほとんどの国民も苦労している場合、10万人どころか両方死んでもらった方が国益にかなうかも知れません。
 アニメ内でも水(飲み水)をめぐる争いで大きな戦争が起こるだろうと言っていますし、現実世界でも人口が増えすぎて水と食料とエネルギーが不足してきており、今世紀半ばには水と食料が人口増に追いつかなくなることは明らかです(余程の技術革新がなければ。)。

 例えば、犯人が、今後も同様のことを繰り返す可能性が高い場合、1000人も10万人も両方見捨てて犯人を殺すことを優先した方が、トータルとして見れば死者は少なく済むかも知れません。


 どれを選びどう考えるかについての私の答えはありますが、説明をしないと誤解を招くこと、その説明が長くなること、頭の体操が目的であることから、書きません。


○ 2.については、2012年12月に衆議院の総選挙があったばかりですし、2013年夏には参議院の選挙もあるので、民主主義とは何か?、政治とは何か?、考えやすいのでは。

 良い独裁はあるのか?、一時的には良い独裁であり得てもそれは継続できるのか?、それは独裁者が代わっても継続できるのか?、そして、国民が代わっても国民は独裁を望み続けるのか?、といったところです。

 現実の歴史の答えは、1つ目はあり得ても、良い状態が長くは続かず2つ目、3つ目が出来なくなり、結果として人心が離れて4つ目が出来なくなり、数十年、百年単位で見れば、いずれ腐敗して独裁者が自分に都合良く振舞い、圧制と言われるようになります。


 いずれにせよ、ココは少数の犠牲で多数を救うこと、それを独裁によって継続させることを選んだわけです。

 最終話の始めで、今にも戦争になりそうな北アフリカの状況について、「結局、なんとかの春は失敗したんだ。独裁者はいなくなったけど。」とココが言っています。
 (現実世界では、まだ暗中模索だったり困難に直面しているところはありますが、「アラブの春」(2010~2011年)は失敗ではないので。念のため。)
 しかも、「独裁者はいなくなったけど。」の言い方が特に嘲笑気味です。


● ヨルムンガンド計画の発動

○ 最終話、ココのもとを去ってから2年経ち、戻って来たヨナに言うココ「2年考えて答えは出たか?、ヨナ。私と世界、頭イカレてるのは、どっちだ。」

 ヨナ「それで本当に、平和な未来が来るの?」

 ココは高笑いをしながら、「知るかあ、未来のことなんて。」。
 ココは真面目に戻って、「でも、考えてみて。空は近代まで退行する。近代の空と退行した空、その違いは、かつて自由に飛べた空を、戦いに明け暮れたほか、人類自らの手でふさいでしまった事実。朝、見上げたら、鳥を仰いだら、常に頭上にのしかかる人類の恥。それでもまだ人間は戦うかな。私は戦わないと思う。人間、恥には弱い。それが猿と人との違いでもあるの。」


 「人間、恥には弱い。」と、馬鹿みたいに楽観的なことを言っていますが、それ以上に「欲望」に弱いと思うんですけれど。。。

 人々の善意によって戦争が終わって平和がもたらされると考えることと同じくらい、実はココは理想主義者で、実はロマンチストで、実は人間を信じているということと解するべきなのかも知れませんが、「信じている」のではなく「信じたい」という願望ではと思います(次の○、次の次の記事も参照。)。

 若者らしいとでも言うのでしょうか、世界と人間と自分が大嫌いと言っているココの矛盾です。
 そこにココ自身が自覚しているシーンがあったかは記憶にありませんが。


 そして、ココが、ヨルムンガンド計画を発動させるスイッチを高らかに押したところでアニメは終わりました。
 ココは、独裁者が次々に倒される現実を前にして、自らが考える「世界平和」のために独裁者になるためのスイッチを押したわけです。


○ 「好き」の反対語は「嫌い」ではなく「無関心」であるとは恋愛では良く言われる言葉ですが、つまり、ヨルムンガンド計画とは、世界と人間と自分が大嫌いと公言するココの、更に、ほとんど描かれていませんが数回出てきたココの言葉から伺えるように、金儲け以外に興味のない父親との確執からくる愛されたい気持ちが強いココの、それ故に私兵達とのつながりを大事にするココの、実は誰よりも世界と人間と自分を愛したい気持ち、愛されたい気持ち、甘えたい気持ちの表れ。平たく言えば、ココの甘さの帰結です。


 まあ、そういう意味ではセカイ系の作品とも言えますが、それだけには終わっていないことから、セカイ系の影響を受けた作品とでも言ったところでしょう(因みに、私は、セカイ系の傑作とも言われる「最終兵器彼女」が大好きなように、セカイ系の作品自体は嫌いではありません。日常系もラブコメもギャグも含めて、話の出来とか、そういうもの次第です。)。


 原作漫画も計画を発動した辺で終わっているらしいのですが、未読なので具体的にはどう終わっているのかは知りませんが、変に計画の経過や行く末を描くよりはここで終わったことは良いことです。

 想像で楽しんだり考えたり出来ますし、続きのアニメを作ることも出来ます(笑)。が、少なくとも100年も経てば失敗して元の世界に戻るという結論しか、本当の現実世界においても、このアニメの世界観からしても、現実味がないので、続きは作らなくて良いです。
 その方が、様々な道を想像し、考えることがやりやすいです。


【shin】

コメント一覧

shin{流れ星}
http://yaplog.jp/shin99shin/
>暇人さん
 御指摘の事実関係はその通りと思いますが、その意味は結局のところ、「70万人を殺すことによる脅し」とどう異なるのかが良く分かりません。
 70万人を巻き込む理由は、威力を示して世界を脅すために必要だと考えたからなのでは。
 また、70万人が結果的に死ぬのであっても、それが分かっていて行うと言うことは、70万人を殺すつもりで行うのと同じことでは。
 全てを書き表すことは文字量が多くなりすぎて現実的ではないですから要約して書くわけですが、元の意味は損ねていないと思うのですが。
暇人
重箱の隅をつつくつもりはないけど、「70万人を殺すことによる脅し」ではなく「70万人は結果的に死ぬ」からこその「必要最小限の犠牲」ではないのかな?
セリフを見る限りは、その解釈以外は有り得ない気がする…、というか、そう言ってるようにしか見えないんだけどね。
70万人は「その瞬間にたまたま空にいる人数」であって、意図的に・恣意的に選択された人数ではない。
現代では、GPSなどの管制システムを支配するだけで宇宙を含めた制空権を掌握出来る。
その際に、「不幸にも巻き込まれる人数」が70万人なのでは?
shin{流れ星}
http://yaplog.jp/shin99shin/
>あはさん
 アラブの春とは、独裁政権を倒して民主化することですから、その後の選挙の結果としてイスラム原理主義が台頭しようが、民主的な選択の結果ですから、失敗とは言いません。

 エジプトは一時的に成功しましたが、軍事政権になったので、次にどうなるかで成否を判断すべきでしょう。

 シリアは、まだアラブの春にはなっていなかったところですが、独裁政権が倒れるかどうか、つまり、成功するかどうかの瀬戸際です。
あは
エジプト、シリアを見るかぎり、アラブの春は失敗してますねぇ。その他の国もアルカイダなどのイスラム教原理主義が勢力を伸ばして失敗しつつあります。
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