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未来のミライ感想。親はなくとも子は育つ?

【ネタバレ】

◎「未来のミライ」

総合評価2点(5点満点)

「ボクは未来に出会った。」

2018年7月20日公開、98分、細田守監督・脚本・原作、主題歌・山下達郎。

くんちゃん(cv上白石萌歌)、ミライちゃん(cv黒木華)、おとうさん(cv星野源)、おかあさん(cv麻生久美子)、謎の男(ペットの犬)(cv吉原光夫)、ばあば(cv宮崎美子)、じいじ(cv役所広司)、青年(曾祖父)(cv福山雅治)など。


○ 一般にも有名な監督なのでかなりの興行収入なようですが、名前だけで宣伝もそこそこされ、名前だけで客が入っているような気も。

そこそこあるコメディは面白くありませんし、キャラが可愛いわけでも魅力的なわけでもありませんし、キョウダイあるあるの解決は両親ではなく、ファンタジーである未来のミライやタイムトリップ先の両親や曾祖父などの家族のおかげですから、親としての教訓もありませんし現実で生かせる教訓もありませんし。

表面上は、親が何とかしてくんちゃんが妹のミライに悪意を持たなくなったのではなく、ほとんど何もしておらず、くんちゃんが自分で勝手に妹のミライに好意的に接することができるようになったわけです。
親はなくとも子は育つ、という教訓がありましたけどね。
というより、そもそも、幼児には何を言っても無駄な面も多く、親としては根気よく叱って少しでも分かってもらうか我慢するかしかないという面が大きいですが、それを描いたシーンが少ないので両親が頑張っているように見えないというだけのことでしょう。

・過去の小さな積み重ね(出会いと結婚など。)があってミライやくんちゃんがいるという意味の事を中学生のミライがくんちゃんに言っていましたが、であれば過去に行って自分の先祖と関わる事は否定されるべきです。

でないと、小さな積み重ねが変わって、未来が変わってしまいます。

それにより自分が生まれて来なくなるかも知れません。小さな事は自然と修正されるなら、先祖での小さな積み重ねのいくつかがなくても、祖父母や両親が代わっても、自分が生まれて来るかも知れないので、小さな積み重ね自体があまり意味をなさないことになります。


・あとは余談です。

○ 第2子ができると、これまで両親や祖父母から多くの愛を受けてきた第1子はあまりかまわれなくなり、第2子が多くの愛を受けるようになるので、それを見て第1子が嫉妬する、かまってもらおうと悪さをする、自分勝手になるというのは当たり前に起きることです(赤ちゃん返り。)。
(なお、仮に自分が第2子であって第3子が生まれたときに、自分が第3子に感じる嫉妬などを第1子が自分に感じていたなんて事に幼児は思いも及びませんし、それを指摘されても(多くの場合は)知ったことではありません。)

それを、やや大げさか、そこまでする子もいるよね、という感じに描いていて、そういう子は見ていて不快ですが、キョウダイ関係はそんなものです。

(なお、大人より子供の方が1年2年の年齢の差は大きくて、第2子としては、何でも自分より上手くできる第1子に嫉妬したりへこんだりするのですが、それに第1子は、思い及ぶことはあっても知ったことではありません。なお、4歳も離れていれば能力差があるのは当然として第1子への敬意が増す可能性の方が高くなるかもしれません。)


○ 未来から中学生のミライが来たとか、過去に行って親や曾祖父母に会うシーンというのはアニメ内の今に対応した現実的な絵や描き方です。また、最初で飼い犬が人になって表れ、くんちゃんがその尻尾を抜いて自分のお尻に刺して自分がその飼い犬になるというところ、これもファンタジーですが絵はアニメ内での現実的な絵でした。

しかし、最後の方の東京駅でのシーンは絵も起きることもファンタジー世界、特に絵が少しおどろおどろしいのは、幼児が子供に成長する、妹のミライのお兄ちゃんに成長する前のぐちゃぐちゃした、(中学生頃の思春期にもあるような、)自分でも訳の分からない感情を表したのでしょう。

・なお、東京駅での怪しい黒い新幹線、「新幹線変形ロボ シンカリオン」のブラックシンカリオンを思い出しました(笑)。


○ 自転車に乗る練習は原っぱだと凸凹があってやりにくいのでは。整備された原っぱなら結構平らで練習しやすいですが。補助輪を片方外し、慣らしてから両方外し、かつ支えてもらいながらでないと普通の人にはムリですが、いきなり両方を外してと言うくんちゃん。

自由に乗り回す年上の少年を見て背伸びをしたわけですが、4歳で乗れるようになるのは早い気も。

・最後、幸せを感じながらの夫婦の会話でおかあさんが、頑張るのはほどほどで良いという意味のことを言っていました。子供には夢を持てとか頑張れとか大人は言いがちですが(両親がくんちゃんに夢を持てと言ったわけではないですが。)、その大人はほどほどが良いと言うのもアレですが、そんなものです。

・おとうさんは仕事を言い訳にして第1子のときは手伝わなかった上に、その後も家事を手伝っていないから何もできないのでしょうけれど、それではダメですね。


○ 写真。











○ 公式HPから、概要。

・ストーリー
「とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。
“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。
待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。
そして、初めて知る「家族の愛」の形。
さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは? 
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―」

・イントロダクショイン
「全世界待望の細田守監督最新作!
小さな庭から時をこえる旅へ―
それは過去から未来へつながる、家族と命の物語。
『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』―
次々に大ヒットアニメーション映画を生み出し、国内外で今もっとも注目される映画監督・細田守。最新作『未来のミライ』で挑むのは、 甘えん坊の男の子“くんちゃん”と未来からやってきた妹“ミライちゃん”が織りなすちょっと変わった「きょうだい」の物語です。
作品に息を吹き込むのは、個性あふれる豪華俳優陣。主人公、くんちゃんには上白石萌歌を抜擢。
ミライちゃん役のオーディションの際に、細田監督の提案でくんちゃんの声に挑戦したところ、みごとに初主演の座を射止めました。
ミライちゃん役には、『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』にも出演している黒木華が時をこえてやってきた妹を魅力たっぷりに演じています。
この二人を取り巻く登場人物に星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、そして、役所広司に福山雅治。素晴らしいキャストが細田監督の作品世界を彩ります。
そして、本作のオープニングテーマとエンディングテーマを担当するのは山下達郎。細田監督のたっての希望と想いを受けて、山下が書き下ろしを快諾。
『サマーウォーズ』以来、9年ぶり2度目のタッグとなります。双方のファンにとっても念願、待望のコラボレーションが実現しました。
また、今作は、すでに88(5月現在)の国と地域での配給が決定しており、先日行われた第71回カンヌ国際映画祭開催期間中の「監督週間」にアニメーション作品としては唯一選出され、世界初の上映が行われました。
この上映は大きな反響を呼び、あらためて世界に“細田守”の名を轟かせました。さらにアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門コンペティションにも選出されており、今作への期待は、まさにワールドワイドに広がっています。
家一軒と庭一つ、どこにでもあるたった一つの家族を通して、生命の大きな循環、人の生の織り成す巨大なループを描き出す今作。
4歳の男の子とともに時間をこえた旅をすることで、我々一人一人も、自分の過去と未来に思いをはせ、命というものの不思議さと素晴らしさを見つめなおす― そんな映画ができあがりました。
2018年夏、世界中すべての人にまったく新しい「家族」と「命」の物語をお届けします!」


【shin】
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