吹く風ネット

おじちゃん2 (2005年5月21~22日)

 戸籍上でぼくを「おじちゃん」と呼べる立場にある甥や姪が、ぼくのことを何と呼んでいるかというと、「しんにいちゃん」である。

 二年前、うちに遊びに来た大学生の姪を連れて、近くの居酒屋に飲みに行ったことがある。

 その時、たまたまその店に飲みに来ていたぼくの友人が、ぼくを見つけて声をかけた。

「しんた、女子大生連れか」
「これは姪っ子」
「ああ、姪っ子か」

 その後、その友人は、ぼくたちの席で飲み始めた。ことあるたびに、姪をからかっていたが、姪のほうは軽くあしらっていた。

 ぼくがトイレに立った時だった。友人が姪に、
「おじちゃんといっしょに飲んで楽しい?」と聞いたらしい。
 その時姪は、キョトンとした顔をして、
「おじちゃんって誰ですか?」と聞き返したという。

 姪はぼくが「おじちゃん」であるというのが、ピンと来なかったらしい。姪にとってぼくの存在は、物心ついた時から『しんにいちゃん』だったからだ。
 さすがに意地の悪い友人も、ぼくと姪の鉄壁な『しんにいちゃん』関係にあてられたことだろう。

 ところで、その友人のことを姪が何と呼んでいたかというと、「おじちゃん」だった。
「へえ、おじちゃんは、うちのパパと同い年なんですか?へえ…」といった具合だった。
 友人は、「おじちゃん」と言われるたびに、苦虫を噛み潰したような顔をしていたのだった。
 ザマーミロだ。

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