吹く風ネット

病院嫌い信仰 前編(2003年6月7日付)

【その1】
 15年ほど前、手のひらに小さなイボのようなものが出来ていたことがある。
邪魔にもならず、痛みなどもなかったので、最初は気にしなかったのだが、だんだん鬱陶しく感じてきた。

 それ以前に、脚のすねにイボが出来たことがあったのだが、その時はカミソリで切り取った。

 しかし、手のひらのイボはそう簡単には取れない。しかも手のひらは、すねと違って、普段使う場所である。切り取った跡が治るまでは何かと不便だ。また、せっかくいい手相になってきたのに、下手に傷を入れて、手相が悪くなるのも嫌だ。
 そう思って、気にはなるがそのまま放っておいた。

 ところが、ある日手のひらを見てみると、イボがきれいに取れていた。それも、どこにも傷跡もなく。
 取れたと気づいてから、手のひらを見てみたが、どこにもイボの痕跡はなかった。


【その2】
 4,5年前から、右足のすねの一部分が変色しているのに気がついた。

 この時も、最初は気にしなかった。
ところが、時間が経つにつれ、その部分はだんだん盛り上がってきて、真っ黒になってしまった。大きなホクロ、といった感じである。

「これはひどい。もしかして皮膚ガンにでもなったのか?」と、ぼくは思った。

 家族や親戚からも「あんた、そういうところにホクロがあったかねえ。年とってからのホクロは皮膚ガンの疑いがあるらしいよ。病院に行ってきなさい」と言われる。

 また、友人も「お前、それどうしたんか。何か悪い病気にでもかかっとるんやないか? 一度病院で見てもらったほうがいいぞ」と言う。

 普通の人なら、この時点で病院に駆け込むだろう。しかし、普通の人でない上に、大の病院嫌いであるぼくは、その行動をとらなかった。

 そのホクロのごときものは、いつまでたっても治らない。
「もしかしたら、このまま死んでしまうのかなあ」と弱気になることもあった。

 ところが、今年に入ってからのこと。ふとその部分を見ると、あの忌まわしい真っ黒がなくなっているではないか。まだ少し痕跡はあるのだが、よく見ないとそれはわからない。

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