富士通 FM-New7
大学の入学祝いで、親に買ってもらった、初めて手にしたパソコン。
1982年当時、高性能、低価格のパソコンとして大ヒットし、富士通をパソコン御三家に押し上げた名機と言われるのがFM-7。
その2年後、外観、仕様、性能を変えず、パーツの集積化を図り、価格を約3万円下げ、定価99,800円で後継機として発売されたのがFM-New7。
これを当時、例えばワープロとして使いたいと思っても、ソフトは5インチフロッピーで数万円、フロッピードライブは30万円、さらに漢字ROMカードが1万円、漢字対応のドットプリンターが、スター精密の安いのでも10万円とか、莫大なお金が必要になった。
そんなにお金もないので、最初は、本体とRFモジュレータといってテレビに画面を映す装置だけの最低限の構成とした。
使ってみたら、テレビでは文字がボヤボヤして使いにくく、データのロードとセーブに使うカセットレコーダーは、家にあったものではエラーばかりのため、あとで、モニターはシャープの21型を買い、データレコーダーはサンヨーのものを買った。
シャープのモニターは、物理的に画面がでかいだけで、使用範囲は真ん中周辺だけの、ただデカくて重く、使い勝手は14型と変わらず大失敗だった。サンヨーのデータレコーダーはかっこよくて、またパソコン専用だけあって調子はよかった。
これで何をしていたかと言えば、ベーシックで、基本的なことをしたぐらいで、あとは雑誌のゲームを打ち込んでみたり、借りてきたゲームのカセットテープをダビングして読ませて遊んだりしたぐらいで、人に聞かれたら「フロッピーがあれば、もう少し活用の幅があるけど、まだ高くて買えないから、今はゲームを参考にプログラムを学習している」というのが当時の言い訳だった。
結局、それもすぐに飽きてしまい、数年後に、話をしていて欲しがった友達にあげてしまった。
お祝いとして買ってもらったものなのに簡単に人にあげてしまい、あとで、ちょっと後悔した。
(つづく)