今回のプーチン政権によるウクライナへの侵略侵攻は、原発施設を攻撃目標とする最悪のシナリオをも垣間見させる戦争となっている。そして、この危機に便乗してやれ改憲だ、やれ核武装だと一部の政治指導者たちが訴えている。
そしてその支持も上昇しているが、いったいこれ如何に? 今年は沖縄が「本土復帰」を果たして50年と言われる。本土復帰を控えた沖縄があわや核爆発という2度の危機があったことを30年以上もたってアメリカ公文書により明らかにされている。 一度目は、1959年那覇航空基地から誤って発射されたミサイルによって那覇があわや壊滅かという事故だった。発射台から落下したミサイルは、米兵の胴体を切断しながら(一名死亡)海中にすごい勢いで吸い込まれたという。幸いにもミサイルが海中で不発弾となり米軍によって回収されている。二度目は、1962年のキューバ危機の際に、読谷基地でミサイルの「発射」サインがだされたが指揮官がボタンを押す寸前で思いとどまったというものだった。 どれも私たちの及びもつかぬ場所で、一握りの者によって核の使用が決定され、取り返しのつかない事故や戦争が行われようとしたのだ。1300発と言われた沖縄の核弾頭の犠牲となり標的となるのは、真っ先に沖縄が自爆を引き受けるか、発射されたとしたら沖縄や先島が犠牲となっていた。
「核抜き本土並み」というまやかしは、辺野古への新基地を建設いている事態やキャンプシュワブへの核兵器配備がいつでも使用可能というだけで十分だろう。戦争で真っ先に犠牲となる沖縄へのしわ寄せを度外視して、核の「共有化」言うのかよ、と突っ込み入れたくなる。
それからバイデン大統領がロシアのプーチン大統領を罵倒するなど世界的にもロシア排除、制裁が日増しに強まっている。輸出制裁とか要人国外退去とか。しかし、国や要人と一般の人々とは明確に区別すべきだろう。
今回の戦争に限らず、国と国同士が「敵」とされ労働者が憎しみあう構図は、一部戦争指導者が作り出す扇動であることも歴史が証明する事実だった。ユダヤ人や朝鮮、中国の人たちが「敵」とされ侵略戦争や世界大戦が始まったのは、つい80年前のことだった。
今回もスポーツなどの場で多くのロシア人やベラルーシ人選手が出場を拒否され、日本でもロシア人やロシア料理の店までが心無い人たちによって排撃されている。しかし、今回の戦争では、多くのロシア市民が「戦争反対」を叫び1500名以上が拘束され、親露派のベラルーシでも武器支援をする輸送貨物が鉄道労働者の手によって阻まれている。私たちは決して国家間戦争の指導者と国内で戦争反対を訴えたり犠牲となっている人々とを一緒くたにしてはいけないと思う。
労働者は労働者を排除するな!殺すな!国境をこえて「戦争反対」の声をあげよう!ロシアとウクライナは即時停戦を!
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-602015.html