しょうじしょうじのブログ

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シリア北部クルド人自治区最大の危機

2022-07-05 13:16:53 | 日記

藤永茂のブログ「私の闇の奥」は世界情勢を知るうえで重要視しているサイトの一つだが、今回ウクライナへのNATO加盟を機にスェーデン、フィンランドも申請し再燃している問題について注視すべき記事が掲載された。

フランコとエルドアン - 私の闇の奥

スペインの独裁政治家フランシスコ・フランコのことをよくご存知の方々も多いと思います。あまり知らない人はまず次のサイト(世界史の窓)を読んでください:http://www.y-...

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トルコ政府が両国の加盟を反対しているのは、PKK(クルド労働者党)を合法政党としてスウェーデン、フィンランド政府が活動家を保護しているからだというのだ。6月29日付けの報道によると三国はPKKを「非合法テロ組織」として認定し、シリアクルド人自治区への武器禁輸措置を行うことで合意。トルコは、スウェーデン、フィンランド政府のNATO加盟を承認したというのだ。トルコのエルドアン大統領は、ウクライナ戦争の影で、トルコ軍をシリア国境に進撃させてクルド人自治区のせん滅を高らかと宣言するだろう。スウェーデン、フィンランド両政府の「人権」も首脳同士の軍事同盟を優先するためにあっさりと捨て去ったということだろう。

トルコ、北欧2カ国のNATO加盟支持に合意 難色の姿勢から一転 PKKの掃討、送還で全面協力:東京新聞 TOKYO Web

 【マドリード=加藤美喜、カイロ=蜘手美鶴】トルコのエルドアン大統領は28日、マドリードで、北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請中...

東京新聞 TOKYO Web

さらに藤永氏の今回の記事で注目すべきは、イラン、シリアで残忍な支配を敢行していたイスラム国(ISIS)を訓練、武器や資金援助などをしていたのは、トルコやアメリカ、イスラエルなどだというのだ。

ISISがシリア北部クルド人自治区に侵略したときクルド人部隊がISISの手から実質的な解放した時、アメリカは空爆をISIS地域に行いアメリカの勝利を演出するなどした。その後2013年クルド人自治組織はロヴァジャ革命として多民族共生の自治区を宣言する。

この自治区の少数民族をISISに代わって容赦なく叩き潰すエルドアンに怒りを覚える。

さらにエルドアンは、トルコ国内での約2480万人いるクルド民族の政党を認めず、不当に拘束するなどしている。

親クルド派の党、裁判所から禁止命令を受けた場合、党を再編成すると発表

トルコ当局はここ数年の弾圧で、何千人ものHDP党幹部を逮捕し、選挙で選ばれた数十人の市長と議員を追放しているイ・・・

Arab News

やはり、「人権」もあっさりと捨て去り自国の利益を優先する軍事同盟の本質をみた思いだ。

以前、私が『女たちの中東 ロヴァジャの革命』の書評をFacebookで掲載したので併せて。

「クルディスタン(「クルド人の土地」)という名称は12世紀に初めてアラビア語の歴史書に現れ、タウルス山脈の東部山麓が北部ザクロス山脈と出会う地域を指す。地球上のクルド人の人口はかなりまちまちだが、もっとも実際に近いのは、3500万人から4000万人の範囲である。このうち、1500万人がトルコ、1000~1800万人がイラン、560万人がイラク、300万人がシリア、50万人が旧ソ連、100万人がヨーロッパに住む。」(『女たちの中東 ロジャヴァの革命』p44)

国を持たないクルド人たちは中東の4つの国にまたがり、アラブ人、トルコ人に次いで多いエスニック集団である。
その中でも、トルコとシリア、そして一部はイラクにまたがる西部クルディスタンは、2012年バース党支配から住民を解放し、アラブ人、アラム人(キリスト教)、アルメニア人、ヤズディ教徒、チェチェン人が混在し、多様な人種、宗教、文化などのエスニシティを守り、アラブで唯一の女性解放(レイプ、殺害その他あらゆる家庭内も含めた暴力の根絶のため男性が審判権を持たない)制度を法的に導入した民主主義的連合主義を掲げた自治区を宣言した。俗にロヴァジャ革命という。
エスニシティ(民族的多様性)を認め、女性が男性と共に地域の共同代表制度による民主主義的自治を持ち得ている。
そこにシリアの内戦につけこんで、トルコなどの支援のもとでイスラム国が公然とクルド人、その他のエスニシティ集団を否定したジェノサイドを展開する。自治区は、イスラム国やシリア自由軍が自治区を襲撃したため、民兵を組織して抵抗闘争に立ち上がり完全に自治区を奪還した。
この本を読んでいて、ロヴァジャ革命とその取り組みが旧ユーゴスラビアと似ているなと思った。ユーゴスラビアも大戦を経て6つの共和国、5つの民族、4つの宗教などがひとつにまとまった国家になる。
国内の異なる諸民族の統一により国外から来るナチスなどの侵略者から住民がパルチザンとなり立ち上がる。ユーゴの民族的多様性を認める独自の自主管理に基づく社会主義国家を作り上げる過程と似ているなという印象を持った。
ちなみにユーゴ内戦を予期しているようなマンガ『石の花』は逸品です!
本書をヒントに多民族共生社会や民主主義や身近な労働組合などの組織のあり方などもっと深められそうな気がした。
本書は編著であるが、共にクルド人の連帯活動を各国(アメリカ、ドイツ)で行うアクティビストであり、歴史家、思想家、フリーランスたちが内戦下のクルド自治区を取材して書きためたレポートである。


韓国映画『モダンボーイ』を観た

2022-07-04 17:19:19 | 日記

時は1937年日本支配下の朝鮮半島を舞台に、当時の歌事情あり、熱愛あり飽きさせなかった。

親日派として朝鮮総督府に勤務するヘミョンが、キャバレーで妖艶に演じるナンシル(キム・ヘス)に一目ぼれする。

ヘミョンがナンシルを口説いてゴールと行きたいところだが、仲睦まじく手作り弁当を持たせたが総督府に持ち込むとそれが爆発。そしてナンシル蒸発するも、ヘミョンはくじけることなくナンシルを追いかけて愛が成就すると思いきや。。。

1937年といえば盧溝橋事件で日中前面戦争となり、銃後の人々とくに植民地支配の人々は、言語は日本語、天皇を祀る神社への参拝する事を推進した。

朝鮮総督府に勤務するヘミョンにとって、日本人、日本文化に慣れ親しむ事は、自分が将来安泰に生活できる人生であってそのことを疑問に思ったことがないかのようだ。朝鮮総督府の職員と言えば、日本の植民地支配の象徴的職務機関であり、皇国日本に忠誠を誓う人間でなければはいれないだろう。

ヘミョン同様に、朝鮮半島の中で日本に忠誠を誓う親日派と言われる日本と日本人への同化政策の推進者たちはどのような態度をとったのだろうか。

例えば、総督府内務局に勤務していた李覚鐘は、朝鮮神社で「国威宣揚武運長久祈願祭」が挙行され、「私共は大日本帝国の臣民であります」「私共は互いに心を合わせて、天皇陛下に忠誠を尽くします」「私共は忍苦鍛錬して、立派な強い国民となります」と祝詞を書いた。

ナンシルは石田燿子(架空?)が日本語で歌う曲を朝鮮語で歌うというシーンが出てくるが、当時の皇民化教育の中では、統治した国々に日本語を強要しようとする雰囲気は吹きあれる。

余談だが、歌も日本の植民地支配の文化的洗脳という意味では最大限に利用された。

中国で「蘇州夜曲」などの中国語でデビューした李香蘭は、中国人と偽った日本人。山口淑子として戦後は歌手に返り咲き国会議員となっている。

シンガポールに侵攻した日本は「あいうえおのうた」を子どもらに覚えさせる。

あるいは太平洋戦争に突入すると敵性歌謡として禁止された曲は少なくない。

1942年に発表された高峰秀子の「森の水車」。聞くと明るい曲調に、詞がいけないと禁止された。あるいは、童謡歌「たきび」の「たき火は」敵に発見されるので禁止という始末。

 


Bella ciao 何度もよみがえる抵抗歌

2022-07-03 09:28:02 | 日記

ミャンマーの軍事独裁政権に抵抗するパンクバンドThe Revel Riotを前回紹介させてもらったが、2021年に出されたアルバム「OneDay」にはBella Ciaoが入っている事に驚いた。

Bella Ciao(さらば恋人よ)は1943年9月23日ローマを占領したナチス軍に抵抗するパルチザンたちが歌った曲。

BellaCiao BellaCiao (さらば さらば)恋人よ 

ナチスに抵抗し、ナチス兵1人を殺害すれば村人10人が報復として殺害される。このような理不尽にイタリアだけではない多くの国々で抵抗闘争が行われた。

イタリア市民にとってみればナチスに占領された街を黙って見過ごすことはできなかった。銃をとる悲壮感が伝わってくる歌だが、自らが抵抗し自らの力で解放した人々が戦後のイタリアをけん引していく。

ナチスドイツに対するレジスタンスは過酷をきわめ、その代償としてヨーロッパ各地で住民が協力したと村が襲われ虐殺されている。その数10万人以上とされる。

BellaCiao、イタリアパルチザンによりうたわれた曲が80年近くたったアジアのパンクロッカーによって歌い継がれる。

 

 

 

さらば恋人よ(Bella Ciao)

ある朝 目覚めて
さらばさらば 恋人よ
目覚めて われは見ぬ
攻め入る敵を

われをも 連れ行け
さらばさらば 恋人よ
連れ行け パルチザンよ
やがて死す身を

いくさに 果てなば
さらばさらば 恋人よ
いくさに 果てなば
山に埋めてや

埋めてや かの山に
さらばさらば 恋人よ
埋めてや かの山に
花咲く下(もと)

道行く 人々
さらばさらば 恋人よ
道行く 人々
その花 賞(め)でん


近田春夫と小泉今日子のラジオ番組が最高!だった件

2022-07-01 14:12:07 | 日記
深夜のトラック運転中、FMラジオJwaveをひねると近田春夫と小泉今日子の東京マッドスピンという番組をやっていた。
近田春夫といえば文春コラム「考えるヒット」をはじめ数々の音楽評論だけではなく、ビブラストーンとか近田春夫とハルシオンなどを聞いていたのでなつかしい。最近は音楽飽きちゃった系のトランスなどでDJどこかの山奥でやってるのか程度に思って懐かしい。
番組そのまま久々に「おっ」と思った。
 
最近のラジオ番組は妙にうるさいだけでまったくつまらない。忖度ってやつですかね。
昼間はAMの米軍放送かInterFM、夜は夜でNHKラジオ深夜便を流しているのが仕事中は丁度いい。
 
だけど、この番組は骨があった。
聞き入っちゃっいました。
 
選挙について話していた小泉今日子。
杉並区の岸本さんが区長に当選したのは5パーセントの投票率が伸びた事で偏差で勝てた、5パーセントは侮れない。私が候補者だったら戦争は絶対ダメを柱にしたい。
 
歯に布きねぬ発言にとてもビックリした。
曲選びもミャンマーのパンクバンドTHE REBEL RIOTを紹介。
何せ命がけで軍事政権を批判するTHE REBEL RIOTは、本国での曲作りなどが困難なため日本のミュージシャンが収録を支援しているとか。
近田春夫いわく、僕たちはどんな形であれ、戦争していい国を作っちゃいけない。ウクライナで許されないことはミャンマーでも許してはいけない云々。
そのとおり!と思わず声に出してしまった。
で、THE REBEL RIOTのone dayが流れていたがカッコいい。
こりゃ訳が無くともアップテンポのリズムと怒声で伝わってくるプロテストソングな気配を感じる。

 

 

ずっと不安定なミャンマーで。10代から14年間続けたパンクバンド、クーデター後の会話と発信【XVoices—今日それぞれのリアル】 | HEAPS

ある状況の一人ひとりの、リアルな最近の日々のことを記録していきます。

HEAPS

 

 

 

THE REBEL RIOT - one day (イラストジャケ) 7"EP - PUNK AND DESTROY |

TOTAL PUNK/HARDCORE RECORDSHOP

THE REBEL RIOT - one day (イラストジャケ) 7"EP - PUNK AND DESTROY |

 

 

 
昼間よく聞いていたInterFMは、湾岸戦争の頃はプロテストソングがよく流れてた。DJも率直に小泉政権や政治ネタをバンバン主張。その後、DJ(名前をど忘れ)は降板しちゃったみたいだけど、黙っていたらInterFMを聞くことはなかったろう。
 
もともとInterFMは、阪神淡路大震災を受けて多国籍なコミュニティの情報発信が困難になったために立ち上げられた番組。InterFMが突如としてつまらなくなった。背景事情として財政的に立ち行かなくなって、Japan Times→テレビ東京→木下グループホールディングスへとより資本の従属度を強めつつあるからだと最近知った。
 
本来ラジオやテレビは、資本や政府と独立して権力の暴走を監視して、人々に仕えるメディアであるべきだと思うけど、支えるリスナー層が不在だと如何ともし難いものがあるよなぁ。
小泉今日子と近田春夫には引き続き頑張ってもらいたいな。