学生時代から時間を見つけては海外を旅してきた。
大学では外国語学部だったので長期の休みになると同級生たちはみんな世界中へ飛び立って行った。shufuも「みんな行ってるから」と親に頼んで1ヶ月間アメリカへの語学研修に参加させてもらった。それが人生初めての海外だった。
90年初めに就活した時は氷河期だったが、なんとか輸入関係の会社に就職はできた。不動産も手がけていた企業でまだバブルの名残りがあり研修はヨーロッパへ行かせてもらった。社員旅行もサイパンだった。
その後転職した会社は精密部品を扱う商社で景気もよく、ボーナスも残業代も十分な額を頂いていた。有給も取りやすかったため友人とや一人ででも年に最低一回は旅行をできた。
AB-ROADというリクルート発行の分厚い雑誌を隅々まで読みいつも次はどこへ行こうと予定を考えていた。当時はLA6万円台、グアム29,800円などのツアーなどもザラにあった。勿論全日程フリー、ホテルは場所も悪く寝に帰るだけ、サポートも最低限だ。若い頃は行ければ何でも良かったので気にならなかった。一年分のコスメをDFSなどでお得に手に入れた。午前中だけ出社して当日夜に出発、2泊4日のツアーでも体力的に全く問題なかった。あの「てるみくらぶ」にも大分お世話になった。
30代で結婚してからはあまり遠くに行かない代わりに飛行機はビジネス、部屋もクラブルームをとりゆったりした旅行をするようになった。最初の数年はオプショナルツアーでイルカを見に行ったり島へ遊びに行ったりしたが、最近はビーチやホテルでカクテルを飲みながらゆっくり読書、というのが定番になってきている。
最後に出かけたのは2019年の年末、グアム。その頃はコロナという言葉さえニュースで聞かなかった。ギリギリで行けたのが幸いだった。
この30年海外へ行く事は自分にとって最重要となっていた。老後もずっと続くと思っていた。ストレス解消であり英語学習のモチベーションであり夫婦の大切な時間だった。あと何年で何の心配もなく海外旅行ができるのだろう?
もうアメリカ本土やヨーロッパなどフライトが長い国へ行きたいとは思わない。長くても8時間、できれば5時間以内の国でいい。
波の音を聞きながらお昼寝、地元スーパーでのお買い物、サンセットを見ながらのカクテルタイム。
海外旅行に行きたい。