goo

標高 たった 1mでも 。

平成20年5月24日撮影 西熊山 1815m。

西熊山


「標高 たった 1mでも 。」

2009年 東映により 映画化される「劔岳点の記」などで測量用語「点の記」が話題になっている。
http://www.tsurugidake.jp/

平成16年の 劔岳測量で、たった 1mでも 大変な 大騒ぎになるのは 富山の人々にとっては なによりも 地元と 名峰 劔岳 との 精神的な 結びつきが強いからだろう。

平成16年8月24日 国土地理院が三角点を設置し GPSなど利用し 再度測量しなおして 劔岳の標高を 改訂したとき 名峰の標高が変わると 地元 富山では 大きな話題になった。

そのGPS測量の結果は

「GPS測量から求めた三等三角点「剱岳」の位置は標高:2,997.1m
1.剱岳の最高地点は、三等三角点「剱岳」より南西方向へ約13m離れた、祠(ほこら)  の西側に突出した岩上であることが分かりました。2.剱岳の最高地点の標高は、三等三角点「剱岳」より水準測量を実施し、1.5m高い  ことを確認しました。」

「剱岳標高値を2,998mから2,999m(メートル単位で四捨五入)に改定し、今後、2万5千分1地形図「剱岳」に三等三角点の標高と最高地点の標高値を併記します。」

http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2004/1028-2.htm

http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2005/0223.htm

いわば 両論併記で 結局 「メートル単位で四捨五入」で2999mとなった。

私が劔岳に 最初に登ったときは 確か 3003mだったと記憶している。それも もう忘却の かすかな記憶になってしまった。

そして 今年 5月1日 北海道で三角点の標高を改訂 
これは 「地殻変動、さらに一部地域では地盤沈下等」のためらしいが、大雪山など 1m高くなったりした。
「大雪山(旭岳)の標高は、2290mから2291mに」

http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2008/0303.html

このときも メートル単位で四捨五入を使っている。

もっとも 国土地理院 基準点成果等閲覧サービスでは 標高は小数点以下 2桁まで表示されている。

-------------------------------------------------

たとえば 点名 「三嶺」では

基準点コード TR25033670901 
点名 三嶺 
冠字選点番号 興 28 
種別等級 二等三角点 
基準点成果
成果状態 正常 
地形図 高知-川口 
測地系 世界測地系 
緯度 33°50′21.8452 
経度 133°59′15.596 
標高 1893.44 m
ジオイド高 38.87 m
アンテナ高 m
平面直角座標系(番号) 4 
平面直角座標系(X) 93197.307 m
平面直角座標系(Y) 45133.181 m
縮尺係数 0.999925
基準点現況
現況状態 正常 20040312 
所在地 高知県香美市大字大久保字西熊76番地 

1893.44 m をメートル単位で四捨五入すれば1893mだが
-------------------------------------------------
点名 「西熊山」 では 

基準点コード TR35033579701 
点名 西熊山 
冠字選点番号 坐 32 
種別等級 三等三角点 
基準点成果
成果状態 正常 
地形図 高知-大栃 
測地系 世界測地系 
緯度 33°50′06.837 
経度 133°57′50.3383 
標高 1815.86 m
ジオイド高 38.82 m
アンテナ高 m
平面直角座標系(番号) 4 
平面直角座標系(X) 92724.794 m
平面直角座標系(Y) 42943.427 m
縮尺係数 0.999923
基準点現況
現況状態 報告なし 00000000 
所在地 高知県香美市大字久保字西熊山324 
-------------------------------------------------

標高 1815.86m を四捨五入すれば 1816m

となるが 私は独自の判断に基づいて 独断と偏見で もし 詳しく少数点以下二桁まで書くこともない 通常の場合には 「メートル未満は 原則 切り捨てて考える」ようにしている。

というのは 四捨ならともかくも 四捨五入の 五入では  たとえて いえば 人為的に山頂に ケルンなどを積み上げて わざと 山の高さを 嵩上げするのとよく似ているような気がしてならない。上げ底というか 標高を 嵩上げする手法は 私には 全く 理解できない。


たとえば この山域で言えば 矢筈山(1848.48 m)切り捨て 1848mならともかくも小数点一位で 四捨五入では1848.5となって それをまた見た人が更に 1849mとしてしまう。しらず 知らず 嵩上げされる。


劔岳で大騒ぎするほど大事な その1m 1mが 矢筈山はじめ 他の山でも 全く 同様に 本当に 大事である。決して嵩上げするような ものでない。

山の高さは 山の風格を決するするものでもなく 人間がはかっただけの 単なる数値だけのはずだ。
 山は 少しでも高く見せようと見栄を張ることなど望んでもない。

たとえ 仮に1m低くても その山のもつ山自体の素晴らしさは 決して損なわれることも絶対ない。

むしろ嵩上げされた標高値の虚勢のレッテルをつけられることの方が山にとっては迷惑この上もない話だ。

 山、自然に対して 謙虚な 敬虔な気持ちからみれば、山に 嵩上げのない 確実な数字を 採用するというほうが 当然でもある。

切り捨て手法でもって m迄の 確実なところで 標高を把握し 決して 嵩上げしないというのを 私は大事にしたいと考えている。

西熊山も1816mでなく 1815m。
高ノ瀬 も1741m でなく 1740m。

私は ことに拙作サイトにおいては 山頂の標高は 国土地理院の測量改訂で変更が出たりしない限り 原則的に以上のような独断の こだわりを持って 「標高の嵩上げしない」と 独自ルールを適用しています。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 国道439号... 三嶺(1893) 西... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。