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雪崩 いつどこで 雪崩れるか わからないことが多すぎる

■2017年3月27日 雪山で若い方々が大勢まきこまれる まことに痛ましい 雪崩事故がおきてしまった。

雪崩 いつどこで 雪崩れるか わからないことが多すぎる。

 明日は我が身と つくづく自戒する次第だ。

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以下のURL 発生地点の写真を見ると 上部から 雪崩れてきたようだ。

【日本雪崩ネットワーク 事故調査】2017年3月27日、那須岳南東斜面で発生した雪崩事故の現地調査を28日実施。
http://www.nadare.jp/news/170327nasu_report/

【雪氷防災研究センター】


南岸低気圧による 大雪 弱層の形成
http://www.bosai.go.jp/saigai/2016/pdf/20170331_01.pdf



平成29(2017)年3月27日栃木県那須町の雪崩
http://ecom-plat.jp/nied-cr/group.php?gid=10231

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■雪山と経験

「良い判断は経験から、経験は悪い判断から得られる」

雪山では 経験が大切だが、経験を積むには 悪い判断で雪山に入って ヒヤリとするような 経験を多数を積んで いかなくてはならないのだろうか。

http://shumiyama.com/nadare/2012/02/post-156.html

「僕は16歳の時、ほとんど何も考えずに、高い雪庇から飛び下りたり、険しいクーロワールに飛び込んだりした。今は、ロープを装着せずには、雪庇の先端に近づくことさえあり得ない。年齢と責任が増し、僕は注意深くなったが、それはバリー・ルバルトナーの言葉を借りれば「良い判断は経験から、経験は悪い判断から得られる」からである。」

『雪崩リスクマネジメント』Bruce Tremper著 日本雪崩ネットワーク訳
 山と溪谷社 2004年12月1日

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■ふりかえれば 悪い判断で 山中で苦労した雪山の経験は 多々。

10年一昔でふりかえると 4昔前 3月のこの時期 富士山で18人死亡の大量遭難があった。 その大量遭難事故 発生時に 北アルプスで 悪天に見舞われ 悪雪に難渋した。

過去何十シーズンのあいだ 足元がバーッと崩れるなど よくあること。

ヒヤリの経験は多数。

最近では 2011年3月26日 落合峠(1520)から 矢筈山(1848)への途中。

トラバース夏道沿いで 雪崩にまきこまれた。
http://shumiyama.com/nadare/2012/02/post-156.html

正直にいって 雪山は 本当に怖い。

雪山は やはり どこでも 雪崩れる 可能性があり と思わなくてはいけない。

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■20回に「一回」はとてつもない恐怖、打撲、ケガ、あるいは死を味わうことになる。

20回に一回というリスク。

「つまり、雪崩地形に行っても何も起こらない。もう一度行っても何も起こらない。さらにくり返し行っても、まだ何も起こらない。そう、味をしめるのだ!
だが そこには決定的な事実がある。積雪は95%の確率で安定しているのだ。つまり 、雪崩についてまったく無知でも、20回に19回は何も起こらない。これは かなりの勝算だろう。だが 逆を言えば、20回に1回は、とてつもない恐怖、打撲、ケガ、あるいは死を味わうことになる。」

『雪崩リスクマネジメント』Bruce Tremper著 日本雪崩ネットワーク訳
2004年12月1日 初版 株式会社山と溪谷社


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■「いま雪崩はでないという確証は絶対に手に入らない。」

岳人 2008年4月号 備忘録』柳澤昭夫氏


「雪崩もそう。カナダの基準などがどんどんもちこまれてきて、雪崩は科学的に解明されたという錯覚が生まれつつある。でもおれはそんなことちっとも思っていないし、わからないことがたくさんある。(槍平の雪崩もそうですよね。)

でるかもしれないという予想は成り立つかもしれないけど、このいま雪崩はでないという確証は絶対に手に入らない。

きょうあたりは大丈夫だろうというのは甘い推測にすぎなくて、甘いか辛いかはいつも結果論。雪崩に遭へばバカもんといわれ、遭わなければたいしたものんだといわれるだけの話。結局は推測の域を出ない。

みんなが行けば怖くない式で、天気はいいしあいつらも行っている、軟弱と見られるのはシャクおれらも行こうよという連中がある一方、いやみんなは行動しているけどおれたちは何がなんでも今日は動かないという信念があるかどうかの違いに過ぎない。」


柳澤昭夫 氏
『岳人 2008年4月号 備忘録』
http://blog.goo.ne.jp/shumiyama/e/eb85ebd3d846c54ecdfa544e191444cf


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■「他人のシュプールがどれほどあっても、安心はできないと心に刻み込んでいる」

2006年2月フランス トロワバレー クーシュベル。

(ガゼックスとは ガスによる人工雪崩発生器)

「------ガゼックスによるコントロールがあり 数百人の滑り手が滑った後であっても、時には雪崩のトリガーになるスイートスポットが残る、ということだった。」

2013年11月23日 立山

(この日 7名死亡の雪崩遭難が発生した)

「 すでに 数十人の滑り手がこの斜面を滑っていたのだが、この夕方近い時間までスイートスポットが残されていたようだ」

「このふたつの事例を間近に体験し、他人のシュプールがどれほどあっても、安心はできないと心に刻み込んでいる。」佐々木大輔氏

『山岳雪崩大全』雪氷災害調査チーム 編 2015年2月5日 初版 山と溪谷社

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2017年3月25日撮影 天狗峠 東面

この斜面 例年何度か雪崩痕をみる 下部の樹林帯まで到達するときもある
http://shumiyama.blogspot.jp/2010/01/2010124_24.html
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