子どもの頃。
家は古くてボロかった。
始めて乗った自転車はお下がりだった。
私は次女なので洋服もお下がりだった。
小学校へ上がった時も机はリサイクルだった。
友だちの家へ行ったら、遊び道具やゲームが沢山あった。
うちはほとんど買ってもらえなかった。
「うちは貧乏なんだから!」母から度も聞いたセリフ。
洋服を買うのは母の実家に夏休みに泊まりに行く時。
その時だけ、やけにお嬢様っぽい服を着させられた。
実家でよく見せるための演出だった。
小学生の頃、クラスでも超いじわるな女子からすれ違いざまに
「貧乏人」と囁かれた。
その子の家は職人で自営だった。景気がよかったんだろう。
いつもブランドの服を着ていた。
おそらく言われたのは、私だけではないだろう。
子ども心に子どものクセになんてひどい事を言うんだと思った。
が、本当に貧乏だと思っていたので黙っていた。
質素生活の子で集まって、外で元気に遊んでいた。
それがあれ?と、思い始めたのは高校生以降だった。
大体元々持ち家でローンなんかなかった。
両親ともに正社員だった。
贅沢はしていなかった。
父親は勝手に出掛けて遊んでたが、母親が鬼のような顔で
財布をギッチリ握りしめていたため、
残業代などを誤魔化して遊んでいた?と思われる。
お金はどこへ行ったの?
ええ、銀行へ。
ええ、郵便局へ。
ええ、株購入へ。
そして家を建て替え。家賃収入。
ありとキリギリス。
ありの老後はお金持ちではないが、悠々自適となった。
うちは貧乏なはずだった。
騙されていた・・。
ここで思ったんだけど、あの時「貧乏人」と言ったあの子。
あの子に言いたいかな~。お金があるかどうかなんてどうでもいい。
「小学校の頃、すれ違いざまに貧乏人って私に言ったのを覚えてる?」と。
・・・ちょっと怖いかな~w