140文字小説
面白講釈
「ボンタンアメ」
この昔から続く
息の長いお菓子
誰もがその訳けを
知ってる
はずだけど
近頃は見かけない
誰かがあまりの
美味さで
隠したか
それならわかる
ロがすべった
ベタッだぞ
あのアメで
すべること
なんてない
はずだが
安いうまいグチャ
おもしろ講釈
中谷美咲
140文字小説
「食パンのこと」
パンの中でなんと
言っても
言わず語らずとも
食パンに
バターやジャム
塗るだけの
時代は終ったな
カレーにシチュー
だけじゃない
大伴の食べ物は合う
食パンを
嫌いなんてあまり
聞いた事がないぞ
それほど
日本に
定着している
恐れ入ったよ
協調性爆発
食パン列車
出発進行
作家 中谷美咲
ポエム
「ボツ話の話」
・今宵は
右を向いても
左を向いても
ボツ話の宝庫
生まれて初めての
作品は遥か昔に
どこかへ消えた
それこそ残念無念
ボツ話は
次の文を
書くのに役に立つ
重要なコンテンツ
その時はボツだと
思っても
時代の流れで
アカデミックな
詩が
ボツ話から
この世の為に
生き返ることも
時によりある
文章には
ボツなどと
言うものはないと
言うことだな
作家 中谷美咲
ポエム
「メロンパンの君」
メロンパンの君
うまい
その言葉しか
出てこないのは
それが本物の証し
わかるだろ
メロンパンの君
そうだよ
パクッと一口
ロに入れたら
メロンのかおり
小麦の風味
なっ
本物だと言うこと
作家 中谷美咲
創作落語
「水の流に身をまかせ」
何でも怖いと
思えば水の音でも
幽霊に聞こえるものです
それはそうです
流れる水はただ
流れるまま
それを怖いと思うようでは
日本橋も渡れませんよ
あれほど大きな橋です
どうですか?
まあ
先ほどの
水の音についても
流れるまま
幽霊も意志はない
まあ同じようなもの
どちらも
水の流に身をまかせ
でしょうけど
お後がよろしいようで
創作落語しらん亭咲
