創作昔ばなし 「うなぎの蒲焼」 ・ある村に 知らないが口癖の おっさんがいた 知らない 知らない とにかく このことばだけ ある もう1人の おっさんが お前さん 何者だい

創作昔ばなし
「うなぎの蒲焼」
・ある村に
知らないが口癖の
おっさんがいた
知らない
知らない
とにかく
このことばだけ
ある
もう1人の
おっさんが
お前さん
何者だいと
問いかけた
やはり
知らないだけ
どんなにうまい
食べ物あっても
食べるなよ
知らないのだから
この時代はまだ
うなぎの蒲焼は
武士だけが
食され
一般大衆は
禁じられていた
ある日
お殿様から
おふれが出た
あのいい
臭いはなんだ
うなぎの蒲焼と
言うもんらしい
ちょいと
食ってくる
知らないおっさんも
食べたくて
我慢できません
お前さんは
どんなにうまい
食べ物も食べることが
出来ませんよ
どうしてだい
自分で決めたことだろ
知らないおっさんは
知ってる
知ってる
うなぎの蒲焼
食いたいぞ〜
大声で
天に向って叫んだとさ
創作昔話:しらん亭咲