例えばお風呂場に予備のマウスピースを置いておいて、湯船に浸かっている間バズィングするとか。端から見れば、風呂場でマウスピースを使ってふざけているようにしか見えないかも知れませんが、この行為を毎日の習慣にするかしないかでは、雲泥の差となって現れてきます。お風呂に入っている時は、唇の筋肉もリラックスして柔らかいので、そのリラックスした状態で軽くバズィングすると、唇自体が力みのない自然なアンブッシャーの形を覚えてくれます。鼻歌がわりにバズィングでメロディを吹くのも良いですね。これは絶対にお薦めの ’お風呂場練習法’ です。
ちなみに、僕は学生の頃この ’お風呂場練習法’ で、循環呼吸をマスターしました。マウスピースの先端をお湯に浸けて吹くと、ぶくぶくと泡が立つので、その泡が途切れないようにして循環呼吸のトレーニングをする訳です。循環呼吸をマスターするための最初の段階としては、最も効果的な練習方法だと思います。
循環呼吸のやり方がよく分からない方のために簡単に説明しますと、口の中に風船のように空気を一杯に溜め込み(ほっぺたが膨らみます)、その溜めた空気を出すと同時に鼻から空気を吸います。つまり鼻から空気を吸い込んでいる時は、口に溜めた空気のみで唇を振動させるという事です。口に溜めた空気だけでは、それほど長時間保たないので、瞬間的(0.5秒くらい)に素早く鼻から空気を取り入れる必要があります。当然、口の中に溜めた空気を出している(鼻から空気を吸っている)時は、鼻からの気道は開いていますが、口の気道は舌の根元を弁として閉じています。文章で説明すると、とても難しそうに感じますが、それ程難しいテクニックではなく、少し練習すれば誰でも出来ますので、是非試してみて下さい。
ビル・ワトラスはこの循環呼吸の名手で、ハイCくらいの高音でも何事もなかったように普通に循環呼吸を使ってます。僕の場合は肺活量が少ないため、曲の最後のフェルマータの延ばし音で息が足りなくなってしまう事が多いので、必要に迫られて循環呼吸をマスターしたと言えます。
今日のレッスン内容からは大分脱線してしまいましたが、循環呼吸をマスターすると、楽器演奏も更にまたひとつ楽しくなると思いますよ。
レッスン内容に戻りまして、今日はT.S君の唇の調子が良くないようだったので、Carmaine Carusoのエチュードを中心に行いました。以前このブログにも投稿しましたので、詳しくはこちらをご覧下さい。1回吹けば全て覚えられる位、極めてシンプルな内容ですが、その効果は絶大。エチュードに書かれている注意書き(英文)をきちんと守って毎日トレーニングすれば、ハイノートに対する不安は完全に無くなります。ただし、くれぐれもこのエチュードの注意書きは厳守です。このエチュード、ネットではこちらで購入できます。ダブルハイCも夢ではありません。
この間、課題として与えておいたEffective Etudes for Jazzの中から2曲ほどレッスンしました。やはり素晴らしいエチュードですね。ジャズ入門者が取り組むエチュードとしては最適です。心地よいスムースなスウィング感が出せるよう意識していきましょう。こんな素晴らしいエチュードなのに街の楽器店、楽譜店にはまず置いてありません。本当にもったいない話です。
僕が学生の頃は、いくらジャズ系教則本を探し求めても見つからなかったし、あったとしてもあまり役に立たないようなものばかりでしたが、今はちょっと探せば素晴らしい教則本(しかもデモ演奏、カラオケのCD付き)が沢山あるので、系統だってジャズを学ぶ事ができて良いですよね。
(2010年11月7日加筆)
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