今までいろいろ人をレッスンしてみて、なんでコレが出来ないんだろ?と疑問に思うこと多々あり。トロンボーン吹きであればこんなの常識でしょッ!という基本的なことが出来ない人が多いようにも思います。。今後それらの項目について少しずつ書いていきたいと思いますが、まず僕が最も疑問に思うこと。ペダルトーンを出せない人があまりにも多過ぎます。中にはペダルトーンという音域を知らない人もいたりして、こう人はもう論外。トランペットではペダルトーンが曲中で使われるということはまず無いので、出せない人がいても不思議では無いのですが、トロンボーンではテナーでも普通にペダルトーンが譜面に書いてある場合もあるので、トロンボーンのペダルトーンは必須なんです。
幸い僕は中学の吹奏楽部に入部した時に先輩方が競い合って(遊びで?)ペダルトーンを鳴らしまくっていたので、最初からトロンボーンってそういう楽器なんだー!という意識が植え付けられ、先輩を真似して暇さえあればペダルトーンを爆音で吹きまくっていました。爆音ペダルトーンの伝統は当然後輩にも引き継がれ、僕の周りではみんな爆音ペダルトーンが常識でした。なので、何十年もの間ずっとペダルトーンを吹くことは当たり前過ぎてな何ら疑問を持たなかったのですが、数年前からいろいろな人をレッスンしてみると、むしろペダルトーンを出せない人の方が多いということに大変驚かされました。そういった意味では、当時の大田一中(島根県大田市の僕の出身中学)吹奏楽部トロンボーンパートの爆音ペダルトーン伝統は凄かったと言えます。
ペダルトーンは倍音の基音でもある訳で、楽器の響きやハーモニー構築の上で非常に重要な音となります。なので、倍音の基音であるペダルトーンが出せない人は音色が悪く、豊かな響きも無いため、たとえ音程(ピッチ)が合っていたとしてもなんとなく貧弱なハーモニーにしかなりません。またペダルトーンとハイトーン(高音)は共通しており、ペダルトーンが出せない人は間違いなくハイトーンが出せません。逆に言えば、ダブルハイCとかのハイトーンをビュンビュン鳴らせるような人は必ず充実したペダルトーンを鳴らせるはずで、ハイトーンは得意だけどペダルトーンは出せません、という人はほとんどいないと思います。なのでハイトーンを出したかったら、まずは充実した骨太なペダルトーンを出す練習をしましょう。爆音でペダルトーンを鳴らすことが出来るようになれば、自ずとハイトーンも楽に出せるようになっているはずです。細管テナートロンボーンでもまるでバストロンボーンのようなぶっとい重厚なペダルトーンを鳴らすことは十分可能です。
結局ペダルトーンもハイトーンも唇の柔軟性と舌の位置、息のスピードコントロールが重要で、それらの要素が複合的に上手く連携した結果で出せるものなのです。
世のトロンボーン吹きの間にペダルトーンが常識になることを切に願います。