ここ数年、僕は仕事としての演奏活動、音楽制作とは別に普通の社会人の人達と一緒にいわゆる趣味としてのアマチュア音楽活動にもそれなりに力を注いでいたんですが、去年のあるコンサートをきっかけに、今後は一切(可能な限り)アマチュア音楽活動はやらないようにしよう、と自分の心の中で決めたのでした。
仕事(プロ)としての音楽活動と違って、アマチュアの場合利害関係もあまり無いし、重大な責任が生じる訳でもないので、本当に自分達のやりたい事をやりたいようにやって、純粋に音楽を楽しめる(音楽水準は別として)という良さはありますし、音楽とは本来そうあるべきものであると思います。「音楽は楽しでやるものであって、"音が苦"になってはいけない」とは今まで至るところで耳にしてきた台詞です。
しかし、アマチュアの場合、重い責任が無いが故にいろいろな面で「甘い」部分はどうしても出てきてしまうのも否めません。
結局、何が言いたいのかというと、アマチュア音楽活動を否定する気は全くありません。純粋に自分自身が楽しんで演奏活動をするという基本姿勢は、音楽の本来あるべき姿です。
が、僕の場合音楽を仕事としている以上、楽しんでばかりもいられない境遇であり、やはり相当自分自身の音楽に対してシビアにならないと、仕事としては成立しません。そういったところで、アマチュアというある意味「緩い」環境に長く身を置き過ぎてしまうと、自分でも気付かないうちに、音楽に対するシビアさ、感性などが鈍って来てしまうようです。
楽器演奏技術については、本人自身の才能と努力によるところが大きいので、ある程度のレベルまで到達(上達)したら、それ程回りの環境には影響されませんが、「感性」というのは、回りの環境によって随分と左右されてしまうようです。自分で意識的に良い音楽環境に身を置くように努力しないと、音楽的感性は磨かれませんし、「緩い」環境にいれば当然感性も鈍っていきます。
なぜここまで「感性」を気にするようになったのかというと、最近人の演奏の良し悪しを判断しなくてはいけないプロデューサー的仕事が増えて来ているため、特にこの「感性」を鋭くしておく必要があると痛感したためです。
プロデューサーの判断で全て決まってしまいますから・・・。プロデューサーが「まぁ、いいんじゃない?」的判断を下してはいけない訳です。
しかし、仕事とはいってもシビアになり過ぎて「音が苦」になってはいけませんね。まぁ好きで進んだ音楽の道だし、音楽を生活の糧にする事は子供の頃からの夢だったので、僕の場合そういう心配は多分無いと思いますが。
理想は、根底にはアマチュア精神を持ちつつ、プロとしての鋭い「感性」を持って音楽活動を行う。・・・これですね!
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