5日(木)のMUSICASA(ムジカーザ)でのライブツアー2019ファイナル東京公演を終え、束の間の平穏な日々を過ごしております。頭の中では既に来年秋のライブツアー2020の構想を練っており、具体的なメンバー構成、プログラムなども定まりつつあります。来年のツアーでは今年とは一味違うパフォーマンスを披露出来るようしっかり準備したいと思います。来年のライブツアーに合わせてまたCDを制作する予定なので、その収録曲の曲作りとレコーディングの方も年明け早々には取り掛からないといけません。
今回の東京公演は都内屈指の音響を誇るクラシック音楽小ホールMUSICASAの素晴らしい響きを生かすために、あえてドラムを省いたトロンボーン、ピアノ、ギター、ベースの変則カルテット編成としましたが、僕の狙い通り見事にはハマり、ご来場いただいたお客様にも非常に高く評価していただきました。もしこれでドラムを入れていたら、ドラムの音だけで音が満たされてしまい(音がホール内で飽和状態となってしまい)、他の楽器の美しい響きや音色を聴衆の皆さんにじっくり堪能してもらえなかったと思います。別にドラムを嫌っているという訳ではなくて、ドラムを入れる編成の場合は、もっと広いホールであるか、響きの無いデッドなライブハウスで行うべきです。
ところが、本来クラシック向けの大変美しい響きを持つ小ホールのMUSICASAで最近ドラムの入ったジャズコンボ編成でのライブも開催されているようで、しかもせっかくの素晴らしい音響のホールなのにPAを導入して演奏されているとのこと。ホールのスタッフさん、オーナーさんもこのようなジャズのライブでの音響バランスの難しさを痛感されているそうです。MUSICASAのような豊かに音が響く小ホールにPAを導入してしまったら、もう音が完全に飽和してしまい個々の楽器の音色など心地よく聴き取れる筈がありません。
MUSICASAでのジャズライブでPAを導入しない完全生音での演奏は今回の僕のライブが初めてだったそうですが、ホールのスタッフさん、オーナーさんにも非常に高い評価をいただきました。音楽ジャンルに関係なくMUSICASAのような素晴らしい響きを持つホールでは安易にPAを用いるのではなく、生音で演奏するべきだと思います。アンサンブル内での最適な音量バランスを取る事も重要な演奏技術のひとつだと思います。多くのジャズ・ポップス系プレーヤーは普段のライブでPAありきの(音量バランスはPAエンジニアが取ってくれる)現場が多いせいか、アンサンブル内の音量バランスには無頓着な人が多いように思います。というか、PAが入るライブ会場では、プレーヤーがいくら音量バランスに神経を使ったとしても最終的にはPAエンジニアがバランス調整するので、ほとんど意味が無い、とも言えます。
PA自体を否定するつもりは全く無く、響きの無いデッドなライブハウスでのPAを通したスピード感あるタイトなサウンドはロックやファンク系音楽には絶対に欠かせない要素であり、また個人的そのようなサウンドは大好きです。要するに演奏する会場の音響に合わせて最適な楽器編成を考え、PAを使うか使わないかを慎重に検討するべきだと思います。