今、管楽器奏者の間で話題沸騰中の「管楽器調律」に行って来ました。管楽器調律研究所の代表であり考案者の和田守弘さんに調律していただきました。
調律してもらったのは22年間愛用しているヤマハYSL-697Z(金メッキベル/銀メッキスライドの特注)とMST STUDIO M N マウスピース。あと無料サービスでミュート6個。YouTubeに管楽器調律動画が沢山上がっているので、どのような効果、変化があるのかは事前にだいたい知ってはいましたが、実際に自分の楽器を調律してもらうと、もう衝撃の激変(もちろん良い方向に)でした!
697Zは元々は明るく軽快なクイックレスポンスの楽器なのですが、その明るく軽すぎる音が気になり10年前にDCTV処理(-196℃の熱処理と特殊エージング加工)を施し、ぶっといダークな音に激変しました。太くダークな音になったのは狙いどおりの変化だったのですが、反面697Z本来の軽快で小回りのきくクイックレスポンスが失われ、非常に重々しい吹奏感になってしまい、この10年間はそれがずっと悩みでした。で、最近管楽器調律を知り、もしかしたら、DCTV処理で重くなってしまった吹奏感をリセット出来るかもしれないと思い、今日調律してもらいました。
管楽器調律後の変化は吹いている本人も側で聞いいる人にも分かる劇的な変化で、楽器全体が鳴りまくります。弱奏時の柔らかくしなやかな響きから強奏時の力強くブライトな響きまで、音量による音色変化幅が非常に広がりました。つまり演奏表現力の幅がグンと広がりました。とても素直な素早いレスポンスになるので、楽に楽器を鳴らせる感覚があり、楽器を鳴らすためのストレスが無くなり、より音楽表現の方に意識を集中出来ます。
あと驚いたのはゴム製のブランジャーミュートで、調律後はもうミュートが鳴りまくりです!オープン、クローズの音色変化幅が大きくなり、プランジャーならではのワイルドな表現力がもの凄くなりました。100均で買ったトイレ用ズッポンが最高級のミュートに変貌しました。ファイバー製カップミュートも調律してもらいましたが、調律後はカリカリッとした乾いたカップらしい音色になり大満足です!こんな素晴らしいミュートにしてもらったのにミュートは無料サービスとは驚きです。ミュート調律だけでも十分商売になるレベルですよ!
せっかくなので一番のお気に入りマウスピースMST STUDIO M Nも調律してもらいました。やはりMSTの素晴らしさは分かる人には分かるようで、和田さんも「このマウスピースは元の設計と作りが大変素晴らしく、響きが良いですねー!」とおっしゃってました。やはりMSTは他とは一線を画す素晴らしいマウスピースです。管楽器調律は元々マウスピースの調律からスタートしたそうで実は最も力を入れているのはマウスピース調律なのだそう。MSTは元々非常にレスポンスの良いマウスピースなのですが、調律後は更にレスポンスが速くなり、音色の変化幅が広がりました。
管楽器調律後の効果は持続性があり、楽器を凹ますなどの強い衝撃が加わらない限り、調律効果は持続するそうです。更に何回でもリセット上書きも可能とのこと。奏者の好みに合わせていくらでもテイストを変えられるそうです。
管楽器調律を施すと正に「大当たり」の楽器に変貌します。DCTV処理でダメになってしまった697Zも再び往年の名器の鳴りに甦り、この先もずっと使い続けたいと思います。次回はバストロと小型スピーカー(iLoud)を調律してもらう予定です(スピーカーの調律効果も凄いらしい)。和田さんの探究心と採算度外視でとことん良い響きを追及される姿勢には感服いたしました。
管楽器調律は見学だけでも大歓迎とのことですので、興味のある方は是非!