ある程度演奏経験を積まれた方なら当然ご存知かと思いますが、ダブルタンギングは「T」の発音と「K」の発音を交互に繰り返すタンギングのことです。発音のイメージとしては「トゥクトゥクトゥクトゥク」「タカタカタカタカ」のような感じでしょうか。僕の場合は「ドゥグドゥグドゥグドゥグ」のように少し濁音系の発音の方が上手くいきます。「T」と「K」のダブルよりも「D」と「G」のダブルの方が発音しやすいです。あくまでも発音のイメージなので、人それぞれ自分の発音しやすいイメージで良いと思います。
それでは具体的な練習メニューですが、基本的に前回のシングルタンギングと同じやり方です。
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譜例のFから始めて半音ずつ下がって低音のEまで降ります。まず最初にシングルタンギングで演奏可能な上限テンポで行います。ちなみに、僕のシングルタンギングの限界テンポは132です。
ダブルタンギング(中音域~低音域)の模範演奏~スローテンポ
テンポ:132bpm
次に、譜例のFから半音ずつ上がりタンギング可能な限界音域まで上がります。
ダブルタンギング(中音域~高音域)の模範演奏~スローテンポ
テンポ:132bpm
シングルタンギングの上限テンポで練習する理由ですが、頑張ればシングルで演奏できるかもしれないけどダブルでは少し遅い、というような、いわばシングルとダブルの境界線近辺のテンポでのタンギングが最も難しいからです。それ以上に速いテンポの方がダブルタンギングは容易になります。
<ダブルタンギング練習の留意点>
1. 必ずメトロノームを使用すること
2. 「K」発音時の音が奥に引っ込まない(小さくならない)ようにすること
3. 舌の動きは小さく最小限で
4. 小さめの音量で練習すること
5. シングルタンギングの上限テンポが最も難しい
「T」発音時と「K」発音時の音色、音量、音の立ち上がりなどの差がなく全て均等に聴こえるようになるのが理想ですが、おそらくどんな名手でも「T」と「K」を完璧に均等に吹くということは不可能なので、出来るだけ「T」「K」の差が小さくなるようにしてください。録音してチェックすることはとても効果的な練習となります。
ダブルタンギングで最も気を付けなければいけない点は「K」の発音です。「K」は「T」に比べて音が当たりづらく、どうしても音が奥に引っ込んでしまいがちです。おそらく「K」の発音が苦手の人も多いのではないでしょうか。そこで、「K」の発音で音が上手く当たらない人は、まずは「K」だけの練習を行って下さい。Kタンギング練習ということですね。
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Kタンギング(中音域~低音域)の模範演奏
Kタンギング(中音域~高音域)の模範演奏
「K」の発音を連続して行うのはなかなか難しいと思いますが、できるだけ「T」の発音と同じような音の立ち上がりになるように練習して下さい。「クッ!」というようにかなり強く発音すること、強く圧力の高い息を出すことがポイントです。
スローテンポでのダブルタンギングが上手く出来る人は、ダブルタンギングでの限界テンポでも練習してください。(僕の限界テンポは、160~170位)
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ダブルタンギング(中音域~低音域)の模範演奏~ファーストテンポ
テンポ:160bpm
ダブルタンギング(中音域~高音域)の模範演奏~ファーストテンポ
テンポ:160bpm
ダブルタンギングが出来ない人、苦手な人はまず「Kタンギング」の練習から行って下さい。そのうちダブルタンギングの応用練習メニューも出てきますので、ダブルタンギングをしっかり習得しておいてくださいね。
次回は「タンギング練習:トリプルタンギング」です。
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