最初の4日間が終わり、次の週まで巻狩りはないので、親方に頼んで単独忍び猟に入らせてもらいました。
ここはツキノワグマも奥地に生息しており、斜面もかなり急なので用心しないと単独猟は危険な場所です。
いざという場合に備えてデジタル簡易無線も必須です
元々、グループ猟よりは登山8割狩猟2割の単独忍び猟の方が自分に合っていると思っていました。
しかし、大物猟をやる巻狩りグループにはしきたりというか、暗黙のルールみたいなものがあり巻狩りの猟場に忍びで入ることは親方同士の取り決めで禁止されているケースが多いのです。
その一つが見切りです、見切りとは次の狩猟に備えて獲物の動きを事前に調べる活動で巻狩りのグループは年中、この作業を行っています、そして獲物が取れそうな場所を見つけて巻狩りに備えるのですが、そこに単独猟の人間が入ると獲物は他の場所に移動してしまうのです。
見切りは地道な作業でひたすら山を歩いて獲物の動きを予測しなくてなりません
したがって狩猟税を払い、狩猟登録していればどこでも勝手に入れるかといえば、そうでもないのが実態です。
無駄なトラブルや危険を回避するには巻狩りグループの親方から他のグループの日程や場所を聞いておいてバッティングしない日に入れば現場で揉めたりすることもないのです。
最初は変なルールだと思っていたリゲインもこのような狩猟活動の実態を知るにつれて、相手の気持ちを考えて譲り合いの精神で狩猟に臨めば良いのだと考えるようになりました。
結局、鹿の気配すら感じることなく忍び猟は終わりました、抜き足差し足で進み、立ち止まっては耳を澄まして周囲を見回すこと5時間半・・・
単独猟は大変という先輩方の声もよくわかります
大変1:獲物に出会えない(獲物を追い出す鼻の良い猟犬がいない)
大変2:山歩きが8割(待ち伏せできないので自ら山全体を歩き回らねばならない)
大変3:獲れたら一人で処理しなくてはならない(解体、もしくは車まで運ぶのも一人、100キロだったら?)
大変4:友達がいない(これは平気)
それでも元々山歩きが趣味のリゲインにとっては忍び猟は楽しいのです
山を降りたらみかん園のオバさんがみかんをくれました