『蕎麦がき研究入門』

知らない・映えない・バズらない。なのに昔からある食べ物“蕎麦がき”に今、光を当てます。普通に食卓に上がるその日まで。

新時代の蕎麦がきのリアル。「リモート蕎麦がきとは何か?」(前編・調理編)

2020-05-20 18:12:00 | 基本の蕎麦がきレシピ

どうも。蕎麦がきリモート、片手袋研究家の石井です。この写真はマニア垂涎の商品を多数手掛けていらっしゃるマニアパレルさんで購入した「正常石井」Tシャツです。片手袋研究なんて説明しづらい活動をしている、且つ苗字が石井である私の為だけに作られたような商品です。実際、これを着始めてから片手袋を撮ってても奇異な目で見られることは0回になりました!心なしか半径1m以内に近寄ってくる人もいなくなった気がしますが、そこはソーシャルディスタンス。これほど良い買い物は近年記憶にありません!

☆まず“響き”ありき
先日、ふと「リモート蕎麦がき」という単語が頭に浮かびました。なんでそんな単語が浮かんだのか全く分かりませんが、あまりに意味不明な響きがツボに入ってしまい、一人で爆笑していました。そして気づいたらTwitterでつぶやいてたのです。
https://twitter.com/rakuda2010/status/1259812519247400961

すると、嬉しいことに何人か反応して下さった方がいて、「よっしゃ!それならやろう!」と実行に移すことになりました。何事もとりあえず言ってみるもんですね。とは言え、何をやれば良いんでしょう?「リモート蕎麦がき」ったって、そもそも通常時も各自で勝手に作るものですから、リモートで繋がる必要もないわけですし。

☆これが新時代の「リモート蕎麦がき」だ!
その時思い出したのが、この『蕎麦がき研究入門』を始める前、最初に思い描いていたブログのコンセプトでした。

①蕎麦がきが普通に食卓に上がる日を目指して作り方や魅力を普及する
②マニアブログフェスタに参加している様々なマニアさんを毎回お招きし、新しいレシピを正直に評価してもらう

ところがまさかのコロナ禍です…。①は良いとして、②は現状不可能になってしまいました。しかし、今回は「リモート蕎麦がき」。むしろその環境を活かして①と②の要素を両方盛り込める!具体的には「皆で同時に基本の蕎麦がきを作り、様々な調味料を用意して何を付けると1番美味しいのか決めてみよう」という企画内容にしました。

☆愛し合うということ、そして事前準備
今回手をあげてくれたのは、4名。いずれもマニアブログフェスタに参加中のマニアさん達です。


そして皆さん、ここだけの話なんですが…。実は加賀谷さんと齋藤さん、村田さんとむらたぬきさんはそれぞれ、夫婦なんです!固い絆で結ばれた美しい命と命、即ち、め・お・と。深く深く愛し合ってるんです!勿論、皆さんとはよく顔を合わせる仲ですけれども、夫婦で過ごしていらっしゃる日常のご家庭にお邪魔するなんて逆にリモートじゃなきゃ出来なかったことですね。それに古来より「夫婦とは蕎麦がきのようなもの」なんてよく言うじゃないですか?その意味でも今回の企画にぴったりの方々が集まってくれました。

さて2組のご夫婦に事前にお願いしたのは、まずは当然蕎麦粉の用意。これはスーパーや通販ですぐに用意して頂きました。あとは試食に使う調味料の選定。メールでのやり取りを経て、今回は以下の調味料を用意しました。

(共通枠)
⒈塩 ⒉醤油 ⒊砂糖醤油 ⒋ポン酢 ⒌ナンプラー ⒍カレー粉塩 ⒎マヨネーズ ⒏七味 ⒐柚子胡椒 ⒑わさび
11.蜂蜜 12.海苔

(独自推薦枠)
・石井・・・ゆかり、クリームチーズ
・齋藤&加賀谷・・・黒蜜、スイートチリソース
・村田&むらたぬき・・・ソース

☆そして本番
5月17日、日曜日。約束の日です。私は事前に、蕎麦がきを味見しながらZOOM出来る環境を整えました。

※蕎麦がきは冷めると味が落ちるので、あらかじめ調味料は全て並べました
※飲み物に調味料、PCをこんな風に配置します。あとは蕎麦がきを作るだけ

約束の夜20時。3拠点をZOOMで繋げます。
お!猫もいますね。

皆さんも私と同じように調味料などをセッティング済みでした。

※これは後に送ってもらった村田家の様子。村田家はPCとiPadを用意して参加してましたが、片方はキッチンに固定、片方は適宜動かしながら、というスタイルで挑むようです

まずは以前このブログにもアップしたYouTube動画、「基本の蕎麦がきの作り方」を共有して皆で見ます。こういうことが出来るの、ZOOMの便利な点ですね。
※これは後に齋藤さんに送ってもらった画像。こちらはPCをキッチンに置いて、見ながら作れるようにしてたんですね。

そして、いよいよ蕎麦がき作り開始。一応当ブログでは「蕎麦粉75g、水150ml」を一人前の蕎麦がきの分量としているので、計量して貰います。


各家庭の水分量などをチェックします。これはリモートだとちょっと不便でしたね。同じ場所にいればすぐ分かるんですけど。
※私、画面に顔を近づけてチェックしてますね…。顔を近づけても見え方は変わらないのに。こういうことを自然にやってしまうのが老化なんですね。

今回、加賀谷&齋藤家は北海道産、村田家は長野産、どちらも国産の蕎麦がきを用意して下さいました。「蕎麦粉75g、水150ml」はあくまで目安でしかなく、蕎麦粉や季節によって水分量はだいぶ変わることもあります。今回もやはり村田家はほぼそのまま、加賀谷&齋藤家は目安よりも多めの水を加えました。

さあ、いよいよ火にかけて掻いていきますよ!しかし、ここで問題が。実は両家共に「蕎麦がき棒」を用意できなかったのです。

※っていうか、こんな棒が二本普通に転がってる家はないですよね

そこで、両家共に「すりこぎ棒一本スタイル」でいくことにしました。さあ、勇気を出して初めての蕎麦がき!

と、まあいきなりガッキーが始まったのですが、私、爆笑してしまいました。ZOOMの4画面のうち3画面で「ガッコンガッコン」凄い音鳴りながら棒振り回してるんですよ!どういう状況なんですか、これ!村田家の様子が動画で抑えられてましたので、ご覧ください。





むらたぬきさんの動画には私の笑い声が入ってますね。やっぱりすりこぎだと一本に固まってきた蕎麦がきが全てくっついてしまうので、相当力が必要になってくるようです。

こちらは加賀谷さんの様子。

加賀谷さんはホーロー鍋で作ったのですが、固まってきても蕎麦がきが鍋肌から剥がれず苦労していました。応急処置として一度濡らしたスプーンで蕎麦がきを剥がしてまとめてもらい、それを再び掻き回してもらいました。やはり鍋はテフロン加工などを使用してもらった方が良いですね。

皆さん初めての蕎麦がき作りに戸惑いもあったと思いますが、無事完成しました。

※こちらは加賀谷&齋藤家。試食しやすいようにスプーンで一口大にしてもらいました。PCも食卓に移動してますね。村田家は残念ながら完成品の写真がありませんでした。

皆の完成を見届けたので、私も急いで蕎麦がきを作ります。

慣れれば5分も掛からず出来てしまうのが蕎麦がきの良いところですね。

さあ、いよいよ実食タイムですが、ちょっと長くなってしまったので後編に続きます。