どうも。蕎麦がきコクソン、片手袋研究家の石井です。この写真は、今年の2月に人生で初めてチーズハットグを食べたときの写真です。汚いオッサンのはしゃいでる写真で始まってしまい申し訳ございません。
私は韓国映画も好きだし過去には『チャングムの誓い』にどハマりしたこともあるのですが、昨今のK−POP的文化には触れていなかった為、新大久保の盛り上がりもよく分かっておりませんでした。しかしうちの子がTWICEにハマった上に少しオシャレにも興味が出てきて、「どうしても新大久保に連れて行って欲しい」とせがむんですよ。私には未知の世界だったので、新大久保に詳しい若い方にお願いして、家族全員でガイドして貰ったのです。
※『パラサイト』公開直後だったので、韓国食材のスーパーでもチャパグリを推してました
いや、駅を降りた瞬間、驚きましたよ。2月だったので既に外出を気にする人達も出始めていたと思うんですが、物凄い人出。しかもほぼ100%若者。良かった、ガイドをお願いして…。オッサン1人だったら太刀打ち出来ませんでしたよ。
※『パラサイト』公開直後だったので、韓国食材のスーパーでもチャパグリを推してました
いや、駅を降りた瞬間、驚きましたよ。2月だったので既に外出を気にする人達も出始めていたと思うんですが、物凄い人出。しかもほぼ100%若者。良かった、ガイドをお願いして…。オッサン1人だったら太刀打ち出来ませんでしたよ。
でも、本当に楽しい1日でしたね。東京の一角に、突如として異国の空気が立ち込める不思議さ。うちの子もTWICEグッズや冒頭のハットグ、そしてフライドチキンをチーズにつけて食べるハイカラな料理を満喫し嬉しそうでした。
☆第三の立場
韓国というと思い出す話があって。高校の時の英語の先生が、在日コリアン2世か3世の方だったんですね。若くてロックが大好きでベースも上手な先生だったので、放課後色々語り合ったりもしたんですが、なんとなく生い立ちの話とかは詳しく聞けない雰囲気があって。
そんなある日。サッカーの日韓戦が行われるという日に、クラスの空気読めない奴が授業中に突然こんな質問をしたんです。
「先生はこういう時、日本と韓国どっちを応援すんですか?」
教室に(馬鹿!なんでそんな繊細な質問するんだよ!)という張り詰めた空気が充満しました。でも、今から考えたらそんな質問をタブーだと思った私たちの方が変だったんですけどね。別に聞いちゃいけないようなことでもなかったのに。ただ先生も突然の質問に面食らったような感じでしたが、しばらく考えてこんな風に答えました。
「は?別にどっちも。俺、サッカー興味ないし。まあ、強いて言えばどっちも頑張れ、じゃない?」
この答えを聞いて私は、目から鱗が落ちましたね。まあ、日本と韓国の関係という繊細で複雑な問題を考える時、極端な回答しか想定できなかったんですよ。だからこそ空気は張り詰めたわけですし。ところが、「そもそもサッカーに興味ない」っていう第三の選択肢の存在に気付かされたわけです。そりゃあそうですよ、たとえ生まれ育った国が関係していようが、みんながみんなサッカーに興味ある訳じゃないんですから。
この経験は本当に勉強になりましたね。何かと何かが対立してしまっている時、そのどちら側にも立っていない人たちの存在を忘れてはいけない、と。
☆「美味い」最優先主義
その点、料理ってのはまたちょっと別の角度から面白い位置にいますね。特に日本はちょっとあり得ないくらい、食卓に各国の料理が普通に並びます。「各国の専門料理店が沢山ある」のは勿論、個人個人の食卓に並んじゃうんだから面白いですよ。休日に朝は昨日の残りのカレー、昼はパスタ作って、夜はラーメン食べる、なんて全然珍しくないじゃないですか?各国で食べられているほど本格的かは取り合えず置いといて。
島国という地政学的な条件から、外から入ってくるものに排他的になってしまったりする面は確かにあるんですが、食い物だけは難しいこと考えずに貪欲に取り入れる。あとカレーパンやトンカツ、ナポリタンみたいに、勝手に日本食と合わせちゃったり独自の解釈を加えたりもする。「美味い」を前にすると、途端にびっくりするくらいリベラルな国民性が顔を出す。まあ、それだけに食い物だけ「美味しい」ところ取りするのはどうなんだろう?という疑問も浮かびますが。あと、他国で日本食が独自の発展を遂げているとしたら、それにも寛容でありたいですけど。
☆日韓蕎麦がき交流
まあ、その「食におけるリベラル性」を蕎麦がきにも取り入れない理由はありません。「リモート蕎麦がき」をやった時に「餅に合うものは蕎麦がきにもいけそう」という意見がありましたよね?勿論、普通の餅でも良いんですが、新大久保の楽しい思い出もありますし韓国のトッポギも良いな、と思いました。冷麺の麺は蕎麦粉を使いますし、蕎麦がきと韓国料理の相性も良いのでは?というのもトッポギを思い浮かべた理由の一つです。
しかし、私は韓国に行ったことも本格的な韓国料理を食べた経験もあまりないのです。慌ててネットでトッポギのレシピを色々と調べました。色々なレシピがありましたが、「コチュジャンを使う」とか当たり前のことを別にすると、共通してるのはさつま揚げを入れることと、ケチャップを入れることでしたね。韓国に何度も行っている妻に聞くと、「さつま揚げかは分からないが、確かに魚介的な何かが入っている」とのことでした。
それを踏まえた上で、私はケチャップの甘味が苦手なので、自分でレシピを考えてみました。
韓国風蕎麦がき(2人前)
(材料)
☆基本の蕎麦がき
蕎麦粉…50g
水…100ml
しょう油…小さじ2
砂糖…小さじ2
コチュジャン…小さじ2
鶏がらスープ…小さじ2
粉末赤唐辛子…お好み
※調味料は目安です。お好みで加減してください。
ニラ…半束
さつま揚げ…2枚
卵…1個
ニンニクみじん切り…少々
水…250ml
水溶き片栗粉…少々
①鍋にごま油を敷き、ニンニクを弱火で炒める。
②ニラとさつま揚げを軽く炒める
③砂糖、しょう油を加えて馴染ませる
④水を加えて一煮立ちさせたら、鶏がらスープとコチュジャンを入れて弱火でほんの少し煮る
⑥鍋に蕎麦がきを投入
⑦少量の水溶き片栗粉を加える
※多分トッポギは餅を入れることでトロミがつくんだと思うんですが、今回は蕎麦がきなので片栗粉を用いましょう
⑧お好みで粉末の赤唐辛子、塩、胡椒などで味を整える
⑨皿に盛ったら、黄味を乗せて完成!
本格的なトッポギを知らないので何とも言えませんが、今回も美味しかったです。本場の味を知っている妻も「向こうのトッポギはこんなにスープみたいな感じではないけど、これはこれで美味しい」とのことでした。
蕎麦がきってこれほど濃い味付けのもので煮込んでも、中心にまでは味が染みてませんでした。それほど中が詰まり上がってるんですね。で、それは悪いことではなく、蕎麦がきの味もしっかり残っているので、トッポギを使わない意味もちゃんと出せてると思いました。
それにしても、コチュジャンや唐辛子ベースのスープも蕎麦がきも、多分お互いにびっくりしたと思うんですよ。突然、今まで出会った事もない者同士が、鍋という小さな部屋に押し込まれた訳ですから。
「お、お前誰だよ?俺達にはトッポギという身近なパートナーがいるんだぞ!」
「それはこっちのセリフだ!俺達だって塩や醤油というシンプルな奴らとつるんでるんだ。お前らみたいに真っ赤で派手な奴らに興味ねーんだよ!」
なんて罵り合って。でも、意外や意外。しばらく一緒に風呂に入って温まったら、不思議なほどに気が合って絶妙なハーモニーまで奏でだす。お互い「お前らも中々やるじゃねーか!」なんて讃え合って。うんうん、これぞ「食のリベラル性」です!
突如、訳の分からない例え話が始まってしまいましたが、今回想起した片手袋はこちら!
ナイキとアディダス、それぞれ赤と青の片手袋が綺麗に片方ずつ忘れられていた、ゲームセンターでの一コマです!
これから、韓国に限らず色んな国の要素を蕎麦がきにも取り入れてみたいと思います!