『天使はモップを持って』近藤史恵(文春文庫2006/6/10)
深く刺さった小さな棘のような悪意が平和なオフィスに8つの事件を引き起こす。
新入社員の梶本大介にはさっぱり犯人の見当がつかないのだが、
歩いた後には1ミクロンの塵も落ちていないという掃除の天才で、
掃除スタッフには見えない程お洒落な女の子のキリコが鋭い洞察力で真相をぴたりと当てる。
『オペレータールームの怪』『ピクルスが見ていた』『心のしまい場所』『ダイエット狂騒曲』
『ロッカールームのひよこ』『桃色のパンダ』『シンデレラ』『史上最強のヒーロー』
8話連作短編集。清掃人探偵シリーズ第1弾。
・失敗した人と思われることが、我慢できない人種が、この世にはいるんだ P41
・大部分は、根気とテクニックさえあれば、なんとかなっちゃうもんよ P42
・マルチにはまる人って、なんとなく似ているのよ。
普通以上にプライドが高くて、社交的だけど、自分のことしか話さないタイプ(略)
マルチにはまるタイプがそうなんじゃなくて、
マルチにはまったらみんなそういう性格になるんじゃないか P105
・心を片づけてしまうなら、もっと楽しいことをしましょうよ P115
・責任なき正論は、まったく意味がない P139
・男からすると、
女の子はそんなに特別綺麗でなくても、多少ぽっちゃりしていても、
元気でそこにいてくれるだけで、いいような気がする P155
・今の日本の経済を支えているのは女の子の購買力かもしれない P200
・心がすさんでくると、部屋やトイレは汚れてくるし、
汚し方から、その人の精神状態が透けて見えることもある P209
・人に重荷を背負わせて、忘れてしまったり、自分には関係ないと考えてしまう人なんて、この世にたくさんいる(略)
でも、行動が伴わなければそんな人たちと同じです P285