そらんぢ堂

『そらんぢ』の【墓標】

新・言の葉供養0028

2024年05月19日 21時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『紫色の空』

厚い雲が
いつもの深い藍を

遠くの街明かりを映し
紫色の空に変える

あけてしまった
紙パックの焼酎

どこからか蛙の声
遠くから来た列車

業務連絡みたいな
友達からのメッセージ

誰かの咳払い
隣の家の犬の鳴き声

漂い出す雨の匂い
ほつれたマスコット

なんでかな

過去も未来も
現在さえも

いつからかうまく
見えなくて

※某アプリに書いたものにタイトルを付けて詩としたもの。


新・言の葉供養0027

2024年05月19日 14時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『空に放つ見えないメール〜カナへの想い』

今日も
キリのない見守りを続け

ひたすら君の
無事を祈り

いつ来るかも分からない
君からの音信を待つ

でもね
ただ信じて待つその時間が

ちょっと愛しかったりも
するんだよ

分かるかな
きっと分かるよね

うんと歳の離れた
私達だけれど

重い障害者同士
同じ感覚で繋がった日々

君に届くといいな
何気ない想いの欠片たち

※某アプリに載せた文章にタイトルを付けて詩に書き直したもの。


新・言の葉供養0026

2024年05月19日 02時00分00秒 | 言葉遊び、言の葉供養
『恐怖』

恐怖
それは

昏睡から
目覚めた時

周囲の会話が
全て理解出来たのに

こちらからの
意思表示は

何もかもが
許されなかった

多分その時分の
閻魔様への献上品

それが身体全ての
自由だった

そして今現在の
献上品は

右半身の自由と
365日24時間続く痛み

しかし

目覚めた瞬間の
恐怖を超えるものではない

恐怖
それは

昏睡から
目覚めた時なのだ

※某アプリから転載。