『紫色の空』
厚い雲が
いつもの深い藍を
遠くの街明かりを映し
紫色の空に変える
あけてしまった
紙パックの焼酎
どこからか蛙の声
遠くから来た列車
業務連絡みたいな
友達からのメッセージ
誰かの咳払い
隣の家の犬の鳴き声
漂い出す雨の匂い
ほつれたマスコット
なんでかな
過去も未来も
現在さえも
いつからかうまく
見えなくて
※某アプリに書いたものにタイトルを付けて詩としたもの。
『空に放つ見えないメール〜カナへの想い』
今日も
キリのない見守りを続け
ひたすら君の
無事を祈り
いつ来るかも分からない
君からの音信を待つ
でもね
ただ信じて待つその時間が
ちょっと愛しかったりも
するんだよ
分かるかな
きっと分かるよね
うんと歳の離れた
私達だけれど
重い障害者同士
同じ感覚で繋がった日々
君に届くといいな
何気ない想いの欠片たち
※某アプリに載せた文章にタイトルを付けて詩に書き直したもの。
『恐怖』
恐怖
それは
昏睡から
目覚めた時
周囲の会話が
全て理解出来たのに
こちらからの
意思表示は
何もかもが
許されなかった
多分その時分の
閻魔様への献上品
それが身体全ての
自由だった
そして今現在の
献上品は
右半身の自由と
365日24時間続く痛み
しかし
目覚めた瞬間の
恐怖を超えるものではない
恐怖
それは
昏睡から
目覚めた時なのだ
※某アプリから転載。