海外医療情報センター

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中国―鳥インフルエンザ(H7N9)

2015-07-28 17:19:23 | 日記

2015年7月18日のWHOの情報によると、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は7月16日に、死亡者3人を含む新たな鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染者5人を確定検査で確認したことをWHOに報告しています。発症日は2015年5月26日から6月18日までで、患者の年齢幅は58歳から77歳、平均年齢は66歳でした。5人全員が男性でした。3人が死亡し、残る2人は報告の時点では容態が重篤とのことです。全ての患者での家禽との接触機会が報告されており、現在のところ集団感染は報告されていません。

患者は、安徽省(2人)、江蘇省(1人)、上海(1人)、浙江省(1人)の4つの省から報告されました。

2か月前と比べて感染者は減っていますが、鳥インフルエンザA(H7N9)感染者は、今後も周辺地域で散発的に発生することが予想されます。もし、流行地域から国境を越えて旅行する方は、旅行中又はその到着後に他の国で感染者が発見されるかもしれません。もし、このような事例が発生しても、このウイルスは、簡単に人から人への直接感染を起こす能力はなく、地域レベルで感染が拡がるとは考えられません。

WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。

渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣に注意してください。

中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。

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リベリア—エボラ出血熱

2015-07-24 18:58:04 | 日記

WHOは7月15日、リベリアで再び確認されたエボラ出血熱の新規患者の感染源が、回復後もウイルスを保持していた元患者だった可能性が高いと発表しています。

WHOによると、この3か月で初の新規感染例となった17歳の少年の遺体から採取されたウイルスの遺伝子は、近隣国のギニアやシエラレオネで広まっているウイルスの型と合致していませんでした。

WHOはエボラ熱流行に関する最新の状況報告の中で「ウイルスのゲノム配列による現時点の証拠からは、リベリア国内で回復した患者のウイルスの再出現が感染源である可能性が非常に高いことが強く示された」と報告しています。

リベリアでは5月9日にエボラ出血熱の終息宣言が出されていましたが、2週間前にマージビ(Margibi)郡で死亡した17歳の少年から陽性反応が確認され、現在までに少年を含め6人の新規感染者が出ています。

リベリア保健省は7月15日、さらに2人目の患者が死亡したと発表しています。この患者は、首都モンロビア(Monrovia)で報告された初の死者となりました。

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夏休みに海外に渡航される皆様へ

2015-07-24 18:47:47 | 日記

夏休み期間中は、多くの方が海外へ渡航される時期です。海外では、日本にはない病気がたくさんあります。海外旅行では、時差や気候の違いなどから、(自覚していなくても)様々なストレスを受けます。この結果、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなってしまいます。一生治療を続けなければならない病気もあります。

海外滞在中に感染症に罹ることなく無理のないスケジュールを心がけ、避けられる危険を避け、楽しい旅行にしましょう。

1.海外での感染症予防

(1)渡航先や渡航先での行動内容によって、羅患する可能性のある感染症はさまざまです。海外で感染症にかからないようにするために、感染症に対する正しい知識と予防方法を身につけましょう。

(2)渡航先や渡航先での行動によって異なりますが、最も感染の可能性が高いのは、食べ物や水を介した消化器系の感染症です。水や食べ物から感染する消化器系の感染症(A型肝炎、E型肝炎、コレラ、赤痢、腸チフスなど)は、開発途上国など公衆衛生の整備が不十分な地域での感染リスクがより高いので、以下のことに注意しましょう。

・手洗いをこまめにしましょう。
食事の前には必ず石けんと水で手を洗い、きれいな水が使えない場合は、手洗い後にアルコール成分を含む衛生用品の利用が効果的です。

・生水を飲まないようにしましょう。
未開封の市販の飲料水が最も安全です。水道水は、しっかりと沸騰させてから飲みましょう。水を沸騰させることが出来ない場合には、飲料水消毒用薬剤を使用しましょう。

・氷を避けましょう。
屋台や不衛生な飲食店で提供される氷は、病原体に汚染されていることがあるので注意してください。自分で氷を作る場合は、未開封の市販の飲料水を使用するようにしましょう。

・完全に火の通った食べ物を食べるように心がけましょう。

2.帰国後に体調が悪くなった場合

(1)日本国内の空港や港では検疫所が設置されており、渡航者の方を対象に健康相談を行っています。帰国時に発熱や下痢の症状があるなど、体調に不安がある場合は、検疫所係官に相談してください。

(2)感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、帰国後しばらくしてから具合が悪くなることがあります。その際は、早急に医療機関を受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での行動、家畜や動物との接触の有無、ワクチン接種歴などについて必ず伝えてください。

(3)エボラ出血熱の流行国であるギニア及びシエラレオネに渡航歴のある方は、各空港等に配置された検疫所の検疫ブース又は健康相談室で検疫官に申し出てください。万が一、入国後に体調を崩した場合、絶対に一般の医療機関は受診せず、まず最寄りの保健所に連絡してください。

(4)中東呼吸器症候群(MERS)の発生国である中東地域又は韓国に渡航歴のある方で、発熱・咳・呼吸困難などの急性呼吸器症状がある方は、各空港等に配置された検疫所の検疫ブース又は健康相談室で検疫官お申し出てください。帰国後2週間以内に上記の症状が見られた場合には、直ちに最寄りの保健所に連絡してください。

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台湾―日本脳炎

2015-07-21 18:19:42 | 日記

2015年6月11日に台湾の疾病管理センターは台湾における日本脳炎の今年のケースを報告しています。これまでも台湾での日本脳炎の症例は報告され続けていましたが最近1週間で5例の症例が報告され、2015年に入ってから合計で15例の症例が報告されています。

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気です。突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。

一般に、日本脳炎ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、発症した方の20~40%が亡くなってしまうといわれています。また、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれており、ワクチン接種により、日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。

・1期接種:初回接種については3歳~4歳の期間に6~28日までの間隔をおいて2回、追加接種については2回目の接種を行ってから概ね1年を経過した時期に1回の接種を行います。

・2期接種:9歳~10歳までの期間に1回の接種を行います。

日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種の案内を行っていませんでしたが、その後新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。

このため、平成7~18年度に生まれた方は、平成17~21年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがありますので、母子健康手帳などで予防接種の有無を確認し予防接種を受けていない方で日本脳炎のリスクのある国へ渡航する方は予防接種を受けることをお勧めします。

また、予防として虫よけスプレーや蚊取り線香などを利用し、肌を露出しない服装を心がけましょう。特に蚊の発生が多い水田地帯やブタなど動物を飼育している地域では、防虫対策を忘れないで下さい。

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ニジェール—髄膜炎

2015-07-16 16:48:45 | 日記

7月8日に公表されたWHOの情報によると、ニジェールの保健省は、2015年1月1日から6月28日までに死亡者573人を含む髄膜炎菌性髄膜炎の疑い患者8500人をWHOに報告しました。これは、これまで前例のないいくつかの特徴をもつ急速な流行の拡大です。疑い患者は急増し、2015年5月1日から15日までの2週間で3倍に増えました。

これは、アフリカの髄膜炎ベルトのどの国を襲うこともある髄膜炎菌C型によって引き起こされた、初めての大規模な髄膜炎の流行です。首都を含むニジェール川流域の13地区では、流行の警報レベルを超えています。ニアメでは、人口100万人を越える過密な都市地域の5つ全地区から死亡者260人を含む疑い患者5,267人が発生しました。

発生がピークとなった第19週(5月4-10日)には、死亡者132人を含む患者2,182人が報告されました。その後は、感染の発生は減少に向かい、第26週(6月22-28日)には患者は死亡者2人を含む11人の報告がありました。

C型は経済的に豊かな国で髄膜炎の主原因菌となっており、アフリカではあまり心配されていませんでしたが、検査結果からは、感染地域では主に髄膜炎菌C型が確認されておりいくつかの患者検体からは髄膜炎菌W型も確認されています。

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リベリア—エボラ出血熱

2015-07-15 17:53:05 | 日記

6月29日にリベリアの国際空港からほど近い町で死亡した17歳の少年の遺体から、エボラ出血熱ウイルスが検出されたことリベリア保健省が発表しました。また、同保健省は、7月1日、この少年が死亡したネドウィン村で、少年と生前に接触のあった人物に2例目の感染例が確認されたことも発表しました。少年の感染経路は調査中とのことです。
リベリアでは、これまで10,666人が感染、うち4,806人が死亡しましたが、2015年3月29日以降、新たな感染者の発生がない状態が継続し、5月9日、世界保健機関(WHO)は、同国におけるエボラ出血熱流行の終息を宣言していました。今回の感染者の発生は、終息宣言以降初めての症例になりました。
ついては、リベリアへの渡航を予定している方及びすでに滞在中の方は、在ガーナ日本国大使館(リベリアを兼轄)などから最新の関連情報を入手することをお勧めします。

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イエメン—デング熱

2015-07-13 21:14:53 | 日記

イエメン南部でデング熱が流行しています。現地の報道によると6月25日、アデン県高等医療委員会は、同県におけるデング熱の感染者が過去3週間で著しく増加しており8000人以上が感染し、約600名が死亡したの報告がありました。
WHOの現地事務所によると、特に事態が深刻なのはアデン県あり、医療システムが脆弱であることなどから、今後さらに感染の急増が予想されると考えられています。
イエメンへの渡航、滞在される方は、今後の情報に注意してください。
蚊に刺されないための対策として、可能な限りしっかりと網戸が取り付けられているか、エアコンが備わっている、または蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部をすくなくなるようにし、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を使用するようにしましょう。また、日焼け止めと併用する場合には、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
また、海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

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韓国ー中東呼吸器症候群(MERS)終息宣言は先送りに

2015-07-03 18:04:54 | 日記

2015年7月2日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、韓国における中東呼吸器症候群の感染者の数は計183人に上り、死者は33人となりました。韓国では2日、5日ぶりに新たな感染者が1人確認されましいた。4日連続で感染者が発生していなかったことから、韓国政府は今月末までに終息宣言を発表するのではないかという見通しもありましたが、この感染確認により、終息宣言は遅れそうです。

現在、WHOや日本の外務省は、韓国への渡航について特に制限を出していません。現在の韓国での感染は医療機関内で発生していることから、現地滞在中は医療機関に無防備に近づかないようご注意ください。また、日常的に手洗いを励行するとともに、人ごみでなどは状況に応じてマスクを着用するようにしましょう。

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サウジアラビアー中東呼吸器症候群(MERS)

2015-07-01 13:02:41 | 日記

2015年のサウジアラビア保健省よるとサウジアラビアでは2012年より中東呼吸器症候群(MERS)の流行が発生しており、現在までに1,038人(死亡者460人)の患者の確認が報告されています。2015年も200人以上の患者が報告されていますが、2015年4月からはバーレン国境近くにあるHofufという町の2つの病院で院内感染により30人以上の患者が発生しました。このHofufでの流行は今月6月も続いており、WHOは6月中旬に4人の患者を報告しています。

サウジアラビアでのMERS流行は、韓国と同様に院内感染が中心です。しかし、この病気のウイルスはラクダが保有しており、ラクダからヒトに感染するケースもみられています。このため、サウジアラビアやその近隣諸国に滞在する際には、ラクダに接触しないように注意することが必要です。韓国の流行で発端となった患者も、発病前に中東を旅行しており、その間に感染したものとみられています。

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海外の救急車は有料です!

2015-06-26 17:57:26 | 日記

海外滞在中、軽症の場合はホテル専属の医師や日本語の通じるクリニックへ行けばよいのですが、このようなところは風邪、下痢、腹痛など命に関わらない病気を対象とした小規模のクリニックがほとんどです。そのため、脳卒中や心筋梗塞で突然倒れたり、交通事故で命に関わる重症を負った場合は、速やかに救急車を呼んで設備の整った高度専門病院で治療を受ける必要があります。

主な国の救急車の番号は、旅行ガイドブックに必ず掲載されていますので、出発前に必ずチェックしておきましょう。
・アメリカ、カナダ、ハワイ…911
・オーストラリア…000
・ニュージーランド…000
・イギリス、香港…999
・フランス…15
・中国…120
・韓国、台湾…119
先進国の救急車のシステムは大筋では日本と同じですが、大きく異なるのは、海外では救急車の利用は原則として有料のところが多いという点です。ニューヨークでは 25,000円+α,シドニーでは 11,000円+α,パリでは 23,000円ほど費用がかかります。
不測の事態の備え、渡航先の医療情報と合わせて、救急車事情の確認もお忘れなく。

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