中国農業省は、国内で2016年に報告された狂犬病のヒト感染は600件以下で、2012年の1,425件から大幅に減少していることを明らかにした。WHOの報告によると、70%以上の犬が狂犬病ワクチンを接種すれば、ウイルスの拡散を防げることが可能とされる。広東省東莞市や深セン市では2005年以来、狂犬病ワクチンの接種が広く実施され、現在の接種率は85%となり、以前の38%から大幅に増加している。中国政府は、2030年までに、狂犬病による死亡者数ゼロを目指し、今後も予防対策を強化していくとしている。
(コメント:2015年段階での中国における感染症による死亡者ランキングでは、エイズ、肺結核、狂犬病の順となっている。2008年の統計では、中国での死亡者は2,500人弱であったことからすると、ここ数年で大幅な改善となっているようだ。北京でも、2013年に7人が死亡しており、飼い犬の放し飼いや野犬が原因とされている。狂犬病は中国のみならず、インド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、フィリピン等でも感染例が多いことから、予防策は犬等に咬まれないことが第一だ。更には、咬まれたら、傷口を消毒し、信頼できる病院に行くことをお勧めする。)