ダイアトーン DS-66EXのレストア(4) ウーハー編
<ウーハーの布エッジの再生>
2)「エッジ軟化剤」の効果
この事態を打開すべく、ネットで販売されている「エッジ軟化剤」を試してみました。’ビスコロイドを軟化させる’とのことで、小さな容器に入った薄赤色の液体です。シンナーとは異なり匂いは殆んど無く蒸気圧が低いものでした。
この軟化剤を、エッジの凸表面全体にはみ出さないように筆で塗りました。30分もするとエッジは柔らかくなり始め、このときの共振周波数は50Hzでした。2時間後で37Hz、6時間後では35Hzになりました。24時間後でも35Hzと硬くなりませんが、一週間経つと39Hzとなり、やや硬くなる傾向にありました。
次の工程で「エッジ裏側への液体ゴム塗布」を予定しているので、この時点での共振周波数は少しでも低く抑えたいところです。
そこで、エッジに2回目の軟化剤塗布を行い、一週間後の変化を調べました。共振周波数は35Hzと一週間前と全く同じで、エッジの硬化はほぼありません。
この時の総合共振先鋭度Qtsは0.37でした。振動板の動きは、当初の振動的な1.24から、制動的な動きに大きく変化しています。なお、機械的共振先鋭度Qmsは7.5でした。
エッジが柔らかくなったため、ユニット構成パーツのダンパーがようやく本来の役割を担うようになった感じです。ウーハーの元々の Qts値は、0.40程度ではないかと思います。
以上の検討で、ウーハーエッジは程よく軟化できたので、これでビスコロイド軟化対策は完了としました。
>>続く