皇后は闘うことにした 林真理子
「李王家の縁談」「正妻 慶喜と美賀子」のスピンオフのような短編集?と思いながら読みましたが、読み終わってあとがきに林さんご本人が本当にそのように書かれていました(笑)
どの話もとても面白くて、気がついたらあっという間に読了。
皇族、華族などやんごとなき方々の主に婚姻に絡むさまざまな思い・苦悩が描かれています。
たとえ高貴な方々であっても感情を持った生身の人間なわけで、揉め事を起こしたり鬱になったりするのですが、登場するどの方々も人間味があって。とりわけ私は貞明皇后に好感を持ちました。
すでにこの世にはいない方々なのでその点ではある程度自由に書くことができたのでしょう。とはいえ史実・史料に忠実に、そして敬意も払って書かれている事が伝わって来て、そのあたりが林真理子さんが好きな所以でもあります。