「冬の水 一枝の影も 欺かず」(中村草田男)が好き。冬の朝、冷たい空気の中、そこには作者一人だけ。そして、何の水かわからないけれど、透明度の高い水に、木の細い枝の一本一本までがきれいに映り込んでいる。一見、冬の景色の一場面だけど、“ごまかしはきかないんだよ” “見ているよ~”と言われているような、厳しさを感じる。句全体が引き締まっていて、凛としているのがたまらなくイイ。
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