2022年6月、説話社よりプトレマイオスの占星術書「テトラビブロス」日本語版を出していただいた。元ミシガン大学のロビンズが1940年に発行したギリシャ語+英訳本を翻訳してみた。西洋占星術の古典中の古典だから既に邦訳があるのだろうと思ったが見当たらないので、それならと思って挑戦してみたが、なかなかの難物だった。ネットの記事の中には簡単に読めたと書いているものがあったが、どう読んだのか、・・・。
「テトラビブロス」は天文書「アルマゲスト」の後に書かれたもので、理論書の「アルマゲスト」、応用書「テトラビブロス」で、天文学が完結するという構成になっている。つまり両者が揃ってプトレマイオスの天文学が完結するので、「アルマゲスト」も欲しい。だが、「アルマゲスト」は「テトラビブロス」以上に難物だから、解説書がないと難しい。それで「アルマゲスト」の解説書も準備しているが、こちらの出版は難航している。
そんなことは別として、「テトラビブロス」を歴史書として読んでも実に面白い。1900年前のギリシャ・ローマ文化圏の仕事、家族、友人関係、人生観、風俗、民族等を広範に窺うことができて、実に興味深い。それに、アリストテレスの影響力の大きさにも驚かされて、なるほど西欧なのだ、と納得することだろうと思う。
(星学館、2022.7.16.)
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