この歳になり暇だけはあるとなると、小人閑居して不善を為すのたとえのとおり、碌なことは考えず世の中を羨み、かつ恨み、「シーオーツー、排出ゼロ? はあ?」とぼやくのである。
農耕の発明が第1次エネルギー革命、石炭・石油の発見が第2次エネルギー革命で、そのたびに人間の生活は楽に、豊かになってきたと言われている。だから、今、後進国と呼ばれる国々はこぞって石炭・石油利用に邁進している。その一方、先進国と言われる少数の国々では「そのため地球が温暖化し、人類は危機を迎えている。一刻も早く石炭・石油をやめて第2次エネルギー革命の前に戻るんだ、われわれこそが地球防衛隊だ」と主張している。
「2050年カーボンニュートラル」だそうだから、ドイツや日本では30年後に船や飛行機は動かなくなるだろうし、家々からは冷蔵庫もテレビも携帯電話も消えてしまうに違いない。いやいや、太陽光発電もあるしと言うが、それでも太陽電池を作らなければならない。でもそうするとシーオーツーが出るから後進国でしか作れない。水素自動車はシーオーツーなしと言うが、水素を作るには大量のエネルギーが要るからこれも後進国で作る。後進国はこれまで石炭・石油に縁がなかったから、今こそ、これを使う権利があるのだとして、シーオーツー排出ゼロは先進国の専売でどうぞと意に介さない。だから、お隣の中国や周辺の国々は後進国を理由にいくらでもシーオーツーを出しまくる。前から出していた日本の十数倍を出し続ける上に先進国の肩代わりだから、どれだけになるかわからない。
こうして後進国は生活を謳歌し、日本は中国から流れてくるシーオーツーを吸いながら、地球温暖化を防止し、一層の高みに達したことに満足感を得て耐乏生活を満喫するようになる。
30年後のハッピーライフ、まあ、こんなもんでしょう。でも、これで地球を、人類を守ることができたのだから、めでたし、めでたし。
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