あしたへの糧

週末のできごとを中心に書き綴ります

急遽、国見岳へ

2022年08月20日 | 沢登りのこと

8月14日

この日もミドリマンさん、Kさんと沢登りを計画していた。

県北の沢に向けて車を走らせているとき、国見岳(熊本県と宮崎県の県境)でおきている遭難の話になった。

知合いが「今日も捜索に行く」とSNSに上げている。また別の人は捜索の呼びかけをしている。

 

そんなことを話していたら、急遽、我々もそっちに向かおうかってことになった。

お盆だし、どうせなら人の役に立つことしよう! そう言えば昔、親から「盆は川遊びに行くな!」って言われていたよな。人助けのためだったら天国の母やご先祖様も水に浸かること許してくれるだろう。

 

ということで、高千穂でKさんと合流して五ヶ瀬から椎葉へ。

捜索は、遭難者が利用した登山口がある熊本県側を重点的に行われているようだが、我々は宮崎の人間なんで敢えて宮崎県側を捜索することにした。

 

椎矢峠に向かう椎葉林道を走り、途中から門割林道へ。くねくねのガタガタ道。ウッ、車酔いで吐きそう

 

車はKさんのレヴォーグ。走破性は申し分ないが車高に難が。何度も底をスリつつ、大きい石は車から降りて手で押し退けながら進んだ。

最後は林道が崩れていて行き止まり。国見岳まではまだしばらくあるが仕方ない。

 

 

 

しばらく林道を進んでから、地図で目星を付けた谷から稜線を目指した。

 

 

 

 

 

 

「おーい」と呼びかけながら谷を登る。稜線の登山道に出た。国見岳へと延びる稜線はだだっ広くて踏み跡は薄い。登山道としてはもう機能していない感じ。

3人でなるべく広い範囲を探るけど、一人が探れる範囲って見えている景色の中のほんのわずかでしかないと思った。

 

国見岳まで進んで来たのは山頂の様子を確認したかったから。捜索などと言いながら実は国見岳に来たのはこれで2回目。山頂がどんな様子だったかぜんぜん記憶になかった。

 

 

 

山頂の地形を見て、間違って北に進むことはまずないだろうと思った。

当初のプランでは、国見岳南側の小国見岳辺りから宮崎県側の斜面を降りて林道を戻ろうかって話してたけど、時間を逆算するとそんな余裕はなくなってた。

3人で相談の結果、仕方ないがここまでとするか。

 

 

 

来るときと同じ方向へ引き返して、来るときとは違う谷を降りた。

 

 

 

捜索終了。林道でレヴォーグがパンクするのを心配していたが無事に舗装路までたどり着いた。ウッ、また吐きそう

しかし、車体は大きく負傷。ボディーのアンダーガードは外れて垂れ下がり、サイドスポイラーには岩で擦った傷が・・・。ホイールキャップも1個なくなった。(Kさん、車出してもらってすみません。)

 

 

突然の国見岳行きで下調べを十分にできなかったため、思うような範囲の捜索ができなかったのは少々残念だったけど、捜索ボランティアの人がまとめた捜索ログ(軌跡)に自分達の軌跡が載っているのを見て少しは役に立てた気がした。

 

後日、遭難者が無事に発見されたとの知らせを聞いて、心からうれしく思った。

 

 

 


夏はやっぱり沢がいい♪ 楓谷

2022年08月11日 | 沢登りのこと

夏山遠征が終わってようやく今シーズン初めての沢登り。

8月6日(土)、ミドリマンさんの車で高千穂町のKさんの囲炉裏小屋に向かった。すっかりトライアスリートになってしまったミドリマンさんと会うのは久しぶりだ。

 

この囲炉裏小屋もすっかりベース基地になりつつある。ありがたいことだ。Kさん夫妻にもてなしていただいて沢談義に話が弾んだ。

高千穂の夜はやっぱり涼しいな~(なのに若干1名がパンツ1枚になってたような) 宴は翌日に備えて11時に強制終了。

 

 

翌朝、冷やしうどんを食べて出発。向かった沢は土呂久地区にある楓谷。シーズン開幕戦の肩慣らしにはちょうど良さそうな沢。ベース基地から30分ほどで到着。

7時35分、入渓するといきなり10mほどの滝。落ち口の右からも左からも行けそうに見えたけど左から。

 

 

 

 

 

 

 

落ち口までもう一手で行けるというところで、(怖くて)あと一歩が踏み出せなかったのはシーズン一発目だったからか。

水心からさらに外側へ逃げて登った。後になってアブミを使えばよかったと後悔した。想像力も足りてない。

 

 

 

続いてまた20メートルほどの大滝が出現。ここは迷わず右から高巻き。

もしかして意外とハードコアな沢なのか?と思っていたら、その先は5メートルくらいまでの登れる滝が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、単調なゴーロ歩きになる所もあったが、終盤まで手頃な滝が続いて、思惑どおりの肩慣らしにいい沢だった。

 

 

 

 

 

 

 

源頭近くになると谷の名前のとおり楓の落ち葉がたくさん。

 

 

 

10時30分、標高1500メートル付近で脱渓。少し歩くと稜線のアセビが茂る草地に飛び出した。

そうなると一気に暑さが増す。日陰を探して昼飯食べて下山。

 

 

 

障子岳の少し手前から土呂久に下る登山道をたどって12時40分車の所に戻り着いた。

 

 

ヤマップやユーチューブで、沢登りの渡渉の事故が報告されていた。不確定要素が多い沢登りのミスは怖い。

遊びの中にも真剣に。無理なく、怪我なく、今シーズンの沢登りを楽しみたい。

 

 

 

 


ベニガラ谷右股(大分県佐伯市宇目町) 2日目

2021年09月24日 | 沢登りのこと

さて2日目。6時前に目が覚めた。小鳥たちのさえずりが清々しい。

夜中は背中が痛くて寝返りを繰り返したが、それでもヒルに襲われることもなくよく眠れた。酔った勢いでシュラフに入らずモスキートネットもしないで寝たミドリマンさんは虫(ダニ?)にあちこち刺されたらしい。

 

朝食のカレーめしをかき込んで、撤収・準備ができたら出発。濡れた沢服に着替えるの気持ち悪りぃ~

 

7時35分、右俣に向かって歩き出した。歩き始めて5分、斜滝を登ると20メートルほどの大滝が行く手を塞いでいた。

 

 

 

右から高巻くことを決めて、滝右のルンゼを登り、右の斜面に向かって登り始めた(←結果これがルーファイミス)

 

 

 

危うい泥の斜面をモンキークライムで登って行くと左右に長く延びる高さ7~8メートルのバットレスにぶち当たった。滝の落ち口はずっと下に見えている。万事休す! これは無理だ。撤退して滝の左から巻くしかないな。

ただ急斜面は登るのはなんとか登ることがでてもそこを下るとなると簡単ではない。

 

 

 

 

よくこんなとこ登って来たもんだと思うような斜面を懸垂下降3回繰り返して、元いた滝壺に戻り着いた。時計は9時20分になっていた。

左の壁を高巻くのも容易ではなさそうだなと見上げていると、ミドリマンさんが滝の落ち口のすぐ右に登れそうな弱点を見つけた。

再度、滝右のルンゼから今度は左へ(滝の落ち口側へ)。あっさりと突破できた。あー時間と体力を大きくロスしてしまったよ~

 

 

 

今日は昨日の緩やかな谷というイメージと違って滝が連続した。昨日はここに来るまでのアプローチだったかのような。

なんてことない傾斜に見える滝もいざ登ってみると滑って怖え~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次第に倒木と落石が多くなり谷が荒れ気味になってきた。そろそろ終焉か。

 

 

 

11時30分、標高1200メートルついに水が枯れて沢登り終了。飲み水を汲んで脱渓。

 

 

 

しかし、この沢はここからが長かった! まずはここから稜線に出るまで標高差300メートルを登らないといけない。

枯れ沢をそのまま詰めても良かったけど、地図を見ると稜線から延びる右の支尾根に出るのが楽そうに見えたのでそちらへ。

ところが藪漕ぎがきつくてもうヘロヘロ。稜線に出たのは13時。

 

 

 

昼食をとって下山。山はガスに包まれ天気予報どおり時折小雨がぱらつく空模様になってきた。

 

 

 

結局、登山道を2時間、林道・車道を1時間、計3時間かかって16時、入渓地点に戻り着いた。

もう足は棒のよう。2日目は沢登りより下山の方が核心だった。

 

 


ベニガラ谷右股(大分県佐伯市宇目町) 1日目

2021年09月23日 | 沢登りのこと

沢登りシーズンが始まる前、今シーズンは2本沢中泊に行こうと話していた。沢中泊に行けるのは沢部部長のミドリマンさんが連休のとき。

ところがシーズン中の連休はことごとく天気が悪かったりして、シーズン終了を前にして今回ようやく1本行けた。

 

2021年9月19日~20日

行先は沢中泊の沢として九州では定番のベニガラ谷。傾山から大分県の宇目側に注ぐ谷だ。メンバーはミドリマンさん、Kさん、僕の3人。

沢中泊となるといつもの装備に加えて、シュラフカバー、タープ、着替え、食料など荷物が増える。泊まりの快適性とザックの重量はトレードオフなので何を入れて何を省くか悩むところ。

結局40Lザックが満杯になった。ずっしり重たい。

 

8時10分入渓(標高300メートル)

ログハウス横の藪に覆われた道を分け入り小さな砂防提の上に下り立った。前方にはもう一つ大きな砂防提。その砂防提の先は多くの石が堆積していて沢という雰囲気はない。いつもと違う重いザックでバランスを崩しながら歩く。

 

 

 

30分くらい歩くと、沢らしい渓相に変わって本格的な沢登りが始まった。

 

 

 

気温も水温も適温。ためらわず入水できる♪

 

 

 

1本目の滝は残置トラロープを使って右から。しかしここの沢は良く滑る。ラバーソールではぜんぜん信用できない。フェルトソールでも一緒か?

ゴボウで登った。

 

 

 

 

 

 

その後は2~5メートルくらいの登れる小滝が続く。いつもと違うのはやはりザックの重量。いつもなら「ひょいっ」と乗り越えられるところが「どっこらしょ」という感じ。

 

 

 

入渓から4時間近く歩いて標高480メートル。ほとんど標高は稼げていない。この沢は歩き中心の沢なのか?

この辺りで谷の名前の由来ともなっている赤い岩のナメが現れた。綺麗だけどこの赤い岩が滑る原因だ。

 

 

 

杉ヶ越からの登山道と交差するところで、昼食中の釣り師のグループと出くわした。僕らは沢登りだと挨拶して先行した。一応、ザックの中に釣り竿は忍ばせているけどね。

 

釣り師のグループを追い越したすぐ先で僕らも昼食休憩。このとき左手薬指にちょっとした痛みを感じた。見ると、ギョエ~~ヒルが付いてる!! Kさんがすぐにエアーサロンパスで駆除してくれた。ほんの今軍手を外したばかりだから今食いついたのだろう。まだ出血はしてなかった。

ヒルのいる沢はやだやだ

 

 

さて今日の後半戦。一旦乾いた体を水に浸けるときは勇気がいる。早くテン場に着きたいな♪

 

 

 

 

 

 

登れない大滝を高巻き。ヒルがいると思うとできることなら土の上は歩きたくないところだが。

 

 

しばらく歩いたところで、右手首に痒みを感じた。ちょうど軍手の袖口と上着の袖口の間。軍手をめくってみると絶賛出血中!!!

やられた。腹いっぱい吸血したであろうヒルの奴目はもういなかった。もう本当にイヤだ!

 

 

 

 

 

テン場が近づいてきたところで、釣り竿を出してみたけど生体反応なし。今夜の食材が一品減った。

 

15時すぎ、今日のテン場に着いた。標高870メートルの沢が分岐する地点。この沢を遡行する多くのパーティーがここに泊まるから寝床になるところは転圧したみたいに整地されてた。

乾いた服に着替えて、あー気持ちいい♪

 

 

 

僕がヒルの傷を処置をしている間に、ミドリマンさんとKさんが手際よく薪集めて火を熾したりビールを冷やしたりしてくれて助かります。

 

 

 

一通り準備が終わったところでまったりタイム。限られた食料と酒、装備、環境の中でいかに楽しむかこれこそ沢中泊の醍醐味。大げさに言えば生き残ることの原点に立ち返ったような感じだ。

 

 

 

僕らのルールはガス禁止。火が熾せないと調理もできないしお湯も沸かせないというもの。だから着火剤と団扇は必須の共同装備(笑)

 

 

 

各人が持って来た食料をつまみながら夜は更けていき、結局、持ち寄った肉系の食材だけで腹一杯。腹持ちを考えて持ってきたパスタは残った。

 

 

 

 

 

 

 

19時を過ぎるともう眠たくなったけど、21時まで粘って就寝。

寝床は地面にブルーシートを敷いただけだから背中が痛い。夜中はシュラフカバー1枚では寒くなってツェルトを被った。

どうかヒルに襲われませんように・・・Zzz

 


沢登り(中道谷/川辺川水系)

2021年07月25日 | 沢登りのこと

心待ちにしていた東京オリンピック開幕、じゃなくて4連休w

この連休は沢中泊で行く沢登りを計画していた。

 

10日前から天気予報を日々チェック。すると当初、晴れだった予報が次第に悪い予報へと変わってきた。

3日前、4連休の雨がほぼ確定的(涙) 

念のため隣県の天気予報を確認してみると、熊本と大分は晴れでなんと宮崎だけが雨!!

 

ということで、計画を変更して九州脊梁を越えて熊本県の川辺川水系の中道谷(五木村)に行くことにした。

今回のメンバーもミドリマンさん、Kさん、僕の3人。

 

 

 

7月22日(木・祝)

14時半に宮崎市内を出発して、17時前に「道の駅子守唄の里五木」に到着。高千穂から来たKさんとここで合流。

 

 

 

温泉に浸かってから車中泊できそうな場所に移動。

トイレあり、水あり、水銀灯あり、近隣に人家はなし。場所的に炭火と焚き火は自粛。

 

 

 

最初のうちは水銀灯の灯りもあっていい場所だとか言っていたけど、そのうち尋常じゃない羽蟻が集まってきた。食い物や皿が全部ゴマをふりかけたみたいになってる。

ミドリマンさんは「たんぱく源」とか言って気にせず食っている。

Kさんは「アヒージョ(黒いスキレット)には虫は入ってないよ」とか言って食ってたけど、そ、それも見えないだけじゃ・・・

 

たまらず、ハイエースに避難して二次会。12時に就寝。

 

 

 

22日(金・祝)

朝方、蚊に2、3か所刺されて羽音で目が覚めた。隣のミドリマンさんはいつものことながらぜんぜん刺されてないらしい。どうして?

朝食はいつものうどん

 

 

 

それに加えて、夜食べるはずだったビッグハンバーグ。もう胃袋パンパン。

なんかもうイベント終わった感が漂うけどこれからが本番。着替えて入渓地点へ。

 

 

 

Kさんの車を下山してくる所に回してから入渓場所近くへ。山間を抜ける橋が連なる道路脇に1台の駐車スペースを見つけた。

入渓地点はこの橋の下50メートルくらい。

 

 

 

橋から空中懸垂して川辺川本流に下り立った。ウソです。

 

 

 

少し下流の対岸に中道谷が注ぐ4メートル滝があった。本流の強い流れを横断してから滝に取り付いて入渓する。中道谷は入渓するまでもちょっとしたハイライトだ。

 

 

 

 

 

 

谷に入るとゴルジュが続いた。

 

 

 

ゴルジュ特有の薄暗い陰気な雰囲気が漂う渓相だが、登れる滝や極細ゴルジュが連続して楽しませてくれる。

 

 

 

ゴルジュだから高巻きからの復帰も場所によっては容易じゃない。

 

 

 

ゴルジュの中の滝は水の流れが一点に集中するのでパワーが強い! 高低差はわずかでも水圧と戦わないといけないから体力を消耗する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1メートルゴルジュを進んだ先には・・・登れない滝があった。左の壁を脱出。

 

 

 

こんな谷底じゃ休憩できそうなところもないからただただ進む。

 

 

 

ようやく空の光が谷に届くようになってきた。

 

 

 

ゴルジュを抜けた。標高500メートル付近。地図を見るとまだ脱渓予定地点の3分の1くらいまでしか進んでいない。

一息入れて、さて第2幕行きますか! ところがこの先はずっと単調なゴーロ歩きが続いた。

どうやらこの沢の遡行価値があるのゴルジュの中だけみたい。この後は10メートル滝が1つあっただけ。

 

標高720メートルの谷と杣道が交差するところで脱渓。杣道は獣のお陰でまあまあ歩けるくらいに原形を残していた。

 

 

 

杣道から廃道と化した林道に合流して、それを下って行くと数年前の遡行記録に載っていた廃車が今もあった。住居跡と思われる所に1972年頃のダットサン620(ミドリマンさん、Kさん調べ) おー僕とほぼ同い年!

しかし、この道、昔は車が走れたのね。今ではとても考えられん。

 

 

 

ここから50分ほど下ってKさんの車をデポしておいた地点に無事帰還した。

 

 

 

お疲れ様でした!!

 

 

ところが、ハプニング。
なんとKさんがミドリマンさんの車の中にカギを置いて来るというミス。この光景、先週と同じじゃん!! まあ先週やらかしたのは僕なので何にも言えませんが・・・
 
 
 
 

ということで、ミドリマンさんの車の所までもう少しだけ歩いて、ホントの終了


駐車場8:20 中道谷入口8:45 脱渓11:30 ダットサン12:15 下山完了13:05