2021年4月29日(木・祝)~5月3日(月・祝)
Kさんと前々からゴールデンウィークは屋久島に行く計画を立てていた。ところがGWが近づいてくると、宮崎もいよいよコロナ第4波の真っただ中という感じに。
行っていいものかという思いもあったけど、最大限の注意を払って行くことに決定。
29日(木)
午後2時、ポツポツと雨の落ちる宮崎市内を出発。天気予報では雨はまもなく止む見込み。
曽於ICを経由して鹿児島市谷山港へ。午後4時過ぎに到着した。
まずは掘っ立て小屋のような切符売場で乗船券を購入してから近くのスーパーに夕食と朝食の買い出しに行く。これから乗るフェリーには食事の提供がない。
あと帰りの便を予約しようとしたら、なんと先週から毎週月曜日の屋久島発は運休になったそうな。出だしから計画狂った。
分かっちゃいたけど、フェリーはなかなかボロい味のあるフェリーだな(笑)
午後5時半、乗船開始。メインは貨物で乗客は空きスペースを利用してついでに乗せるという感じ。
バイクツーリング、登山者、観光客などそこそこ多くの乗客を乗せたフェリーは午後6時に出航した。
船室は全室とも雑魚寝部屋。我々は運よく1区画のスペースを3人だけ(寝るときはKさんと2人だけ)で独占することができた。
ソーシャルディスタンス OK♪
軽く景気づけして晩飯食べてゴロ寝していたらいつ間にか寝落ちした。
午後9時40分、種子島港に着岸。今夜はここに停泊して翌朝5時に屋久島に向けて出港する。このお陰で夜中は揺れなくてエンジン音もしないからぐっすりと眠れた。
30日(金)
朝5時に出航したフェリーは2時間で屋久島に到着する。
快晴! 稜線くっきりだ! このときまでは・・・。
定刻どおり7時に屋久島上陸!
今日は淀川登山口から石塚小屋まで行く予定。まずはバスを乗り継いで淀川登山口へ。
バスの運転手さんが久しぶりにこんなに多くの乗客を乗せたと言っていた。屋久島は観光産業がメインだろうから今の状況は相当な痛手だろう。
調子づいた運転手さんは各所でバスを停めて観光バスのように案内をしてくれた。
10時50分、淀川登山口に到着。下山して来た人の話では山頂は相当な強風らしい。宮之浦岳に登頂できなかったという人もいる。気温は登山口でもかなり寒い。
準備を整えて山旅スタート♪
30分ほどで淀川小屋に到着。時間はまだ11時30分。ここに泊まるにはまだ早すぎ。昼食をとってから石塚小屋を目指す。
石塚小屋は花之江河から縦走ルートを離れてしばらく進んだ先にある。余計な距離を歩かないといけないのが勿体ないけど、淀川小屋に泊まるより翌日の距離は短くなる。それに石塚小屋は泊まる登山客が少ないだろうという目論見。
石塚小屋に続く道は歩く人が少ないみたいで登山道はそこそこ荒れていた。各所で水がしみ出してぬかるんでいる。ここで靴の中が濡れたらこの後ずっと不快な気分で過ごさないといけない。鹿児島に到着するまで。慎重に気を使って歩く。
午後1時45分、石塚小屋に到着。ガスプロパン庫みたい(笑)
この時点で宿泊客は我々だけ。貸切かもねと話していたらその後3人が到着した。外国人女性2人、関西から来た男性1人。この小屋に5人なので1フロアに1組といった感じでかなり広々と使えた。ソーシャルディスタンス OK♪
水場は小屋から5分。屋久島という思い込みのせいか岩清水が美味い!
テントも持って来たけど、やっぱり小屋が快適だねー
ウイスキーをちびちびやりながら明日からの作戦会議。天気予報は雨。とりあえず宮之浦岳と永田岳のピークに立って高塚小屋まで行こう。できれば早く着いて小屋に寝床を確保したい。
1日(土)
朝5時30分、出発。
花之江河を通り過ぎて稜線に出ると強風、いやもう爆風といっていいくらい。
始めのうちこそときどきガスが切れて薄日が差したりしていたけど天気は次第に下り坂。屋久島らしい山容を見られたのはこれが最後だった。
やがて周囲はガスに覆われ、風の音が吹きすさんで、2人の口数は減っていく。あーこの雰囲、一昨年、石鎚山系縦走したときと似ている・・・
周囲の風景が見えないまま黙々と高度を上げていくと宮之浦岳に着いた。風が強いから休憩もできない。証拠写真だけ撮って次に進む。
永田岳も一緒。とりあえず頂上に立ちましたという証拠写真だけ。草原の中に巨岩が点在するあの屋久島らしい風景を見ながら登りたかった~
永田岳を下った頃からいよいよ本格的に雨が降りだした。幸いこの先は樹林帯になっていくのでだいぶん風雨を凌げた。
11時、新高塚小屋に到着。
たくさんの登山者が雨宿りしたり昼食食べたりしていて森のオアシスになっている。その中に昨日登山道で前後して歩いた夫婦や石塚小屋に一緒に泊まった人もいて、お互いの状況を報告し合った。いつのまにか一緒に歩く同志のような関係性ができていた。
昼食をとってから高塚小屋に向けて出発。
12時10分、高塚小屋に到着。小屋が空いていることを願って中を覗くと2人分のスペースを確保できた。床には60センチ間隔くらいで白線が引かれていて、それが1人分のスペースということのようだ。最終的に小屋は満員になった。
今日もまた午後のまったりとしたひと時を過ごす。
午後3時を過ぎた頃から雨は止み、空が明るくなってきた。水汲みを兼ねて縄文杉を見に行く。
この時間になるとツアー客の姿はなくてとても静かだ。展望デッキと縄文杉の間は30メートルくらい離れているけど、それでもその幹回りが格段に大きいことは十分わかる。
縄文杉の下で汲んだ水は、昨日の水よりさらに美味しい気がした(笑)
夕食はパスタ。ちなみに昨日の夜もパスタ。もし明日があるなら明日もパスタだ(笑)
小屋は夜中にネズミが出るというので、食べ物やゴミは全部スタッフバックに入れて天井の釘に吊り下げておいた。
ネズミ対策をしていなかった隣の登山者は、夜中、ザックにネズミが入り込んで悲鳴を上げていたらしい。(←僕は爆睡してて気づかなかったけど)
2日(日)
最終日。この日は白谷雲水峡まで戻るだけ。天気は回復した(>_<)
朝5時40分、小屋を出発。
白谷雲水峡を10時40分に出るバスに間に合えばいい。時間は十分あるので名前の付いている杉の所々で足を止めて見学しながら進んだ。
トロッコ道ではたくさんの縄文杉ツアーの客とスライドする。
楠川分かれでトロッコ道を離れて辻峠へ。この辺りからがもののけ姫のモチーフになった所なんだとか。観てないから知らんけど。
太鼓岩。見事な晴れ~ 太忠岳~宮之浦岳~永田岳を一望できる。なんで昨日じゃなくて今日がこの天気なんや!!!
白谷雲水狭に無事着いて予定どおりのバスに乗ることができた。
宮之浦に戻って民宿に荷物を預けたらまずは昼食に。
街中らしき所をぶらぶら探し回るとラーメン屋が営業していた。普通のラーメンとチャーハンだけど、お湯だけで作る山のものとは格段に違う。ウメ~~
その後はレンタカーを借りて温泉へ。3日ぶりの風呂でさっぱり。これでようやく下界の俗人に戻った気がした(笑)
ちょっとした時間だったど、平内海中温泉、千尋の滝、買い物など観光らしいこともできた。
夜は島一番の人気店という居酒屋、宿近くの潮騒さんへ。開店前に並んで入った。
山で食べるカップラーメンは美味いというけれど、山で質素な食事を続けた後に数日ぶりに食べる街の料理の方が数倍美味い!(笑)
特に生もの最高!!
宿の部屋ではザックの中身を全部引っ張り出して、部屋中に干して乾燥中♪
3日(月)
今日は帰る日。滞在中最もいい天気になった(涙)
帰りのフェリーは屋久島2。来るときのフェリーとは雲泥の差。その分料金もちょっぴりお高め。
屋久島の市街地からはどこに行っても絶対宮之浦岳を見ることはできないとバスの運転手さんが言っていた。
フェリーが出航して少し経ったとき、今回の旅一番となる宮之浦岳の稜線を見ることができた。最後の最後になって(涙)
また来るね、屋久島~
コロナ自粛で行くことをためらうところもあったけど、行ってみて思ったのは、屋久島は観光産業の島。
街には多くの民宿やホテルがあって、カヤックやトレッキングツアーで生計を立てている人がたくさんいて、すれ違う車の2台に1台はレンタカー。
本当にみんなが自粛して誰一人屋久島に来なかったら、コロナの前に経済で行き詰ってしまう人がたくさん出るんじゃないか。
実際、民宿の人を始め、土産品店の店員さん、ガソリンスタンドの店員さんなど島の方々は快く受け入れてくれました。ありがとうございました。
とりあえず予定通り終了ということで!
屋久島あるある堪能しました。
早く大手振って山に行けるようになってほしいものですね。
屋久島の縦走は下界から完全に隔絶された場所なんで達成感ありますね〜
あぁ!こんなの見せられたら久々行きたくなってしまう!
自粛で観光業が大変だから、行って良かったですね。
屋久島の宮之浦岳の稜線は普通見れないから貴重な遠望だったでしょう。
今回、小屋泊まりも知らない人と語らうことができて良いものだなと思いました。
宮之浦岳の稜線は見れないのですね⁉︎それはラッキーでした。逆の景色で頂上から海も見れたらもっとラッキーだったんですけどそれは贅沢ですね