庭の片隅にまだ残っていた美女撫子。
母は物忘れ外来に月に一度通っている。
初めの頃は不安そうに周りを見渡しもの忘れ外来と書かれているプレートを見ては私に
「もの忘れ外来と書いてある」と同じことを何回も言ってきていた。
それだけでもこっちは疲れるのに待ち時間の長いこと。
診察と言っても何と言う事はないのだけど。
母にとってはいい刺激。
何しろ先生は母をおしゃれだとかいつもきれいなものを着ているねとかほめてくれるから。
いくら年をとっても認知症になってもおしゃれだと言われるのはうれしいらしい。
病院から帰る時にはテンションも上がりいい気分になっている。
それだけのためにでも通院する価値があるんじゃないかと私は思っているのですが。
そのあとケアマネさんの定期訪問があったのですが
「今日はどこかに行ってきました?」
と聞かれると
「・・・どこか・・・どこにも行かないけど・・・家にいましたよ」
と答えていました。
ケアマネさんが帰った後、母は私に
「今日どこかに行って来たの」
って聞いてきました。
「病院に行って来たでしょう」
と言ったら
「ああそうだったね忘れてた」
毎度のことです。
今のところ認知症はすこしずつ進んではいるけど精神的には安定しているのでこのままでいいと思ってる。
このままなんてないんだけどね。