リベンジの機会は思わず早く訪れました。EUエストニアの国立美術館で開催される"日本の墨絵展"への応募機会に恵まれたのです。
テーマは"日本ならではのもの"でしたが会社で四国旅行に行ったばかりだったので日本の特別天然記念物"尾長鶏"を題材に描いてみました。
ヨーロッパの人もニワトリは知っていても日本ならではの美しい尾長鶏は喜ばれるのではと全紙サイズに描いてみました。
入選通知を頂いた後に僕の作品も掲載された作品写真集がルーブル美術館に寄贈される事を知らされました。
水墨画を描き始めて半年で作品の写真とは言え、ルーブル美術館に寄贈されるとは本当に名誉な事でラッキーでした。
"尾長鶏" 全紙軸装
弟に1・2枚プレゼントするつもりで軽い気持ちで始めた水墨画でしたが、
弟がネット上に載せると狸マニアの仲間から"描いて欲しい"との声をいくつも頂く様になりました(汗)
大変光栄な嬉しい話ですが、人様に差し上げられるレベルではない事は誰よりも自覚しています。
時間の許す限り狸を描いて描きまくって練習したのを覚えています。
2012年夏、水墨画を描き始めて三ヶ月ほど経った頃、友人から「公募展に応募して入選すると裏打ちや額装もして貰えるらしいよ」との情報が入り、
調べてみるとこの年の全国公募"総合水墨画展"の応募は既に締め切られた後でした。
他の公募展を探すと秋に上野の東京都美術館で開催される全国公募"現代水墨画協会展"という展覧会が応募受付中である事を知り、早速20号の紙を購入し作成応募してみました。
もちろんその時は"現代水墨画協会展"が50年以上の歴史ある大変格式の高い展覧会である事など全く知る由もありませんでした。
"里山" 20号
2012年秋、第51回"現水展"に初入選し上野東京都美術館に展示される事になりました。
僕にとって自分の描いた絵が上野の東京都美術館に展示されるのは中学生以来の事です。
嬉しさのあまり同窓生や取引先にまで広く知らせてしまいました。
開催初日にワクワクしながら上野に赴き、そして会場に一歩足を踏み入れるなりあまりのレベルの違いに全身凍りつく思いをし
後は、知らせてしまった友人が観に来てくれる度に嫌な汗を掻きまくった事は言うまでもありません
"なんとか夜中に忍び込んで自分の展示作品を運び出せないか・・・"と真剣に考えるほどでした。
それでも弟は「狸の絵じゃ兄貴が一番上手かったよ」(他に狸の絵はない)と言ってくれました
「そうだろ狸じゃ一番だろ!」(重ね重ね他に狸の絵はない)と答えリベンジを誓うのでした。