若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

となり町戦争 三崎亜紀

2005年01月30日 | 読んでる十四代目
となり町戦争

集英社

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京都会議の往復した新幹線の中で読みました。

西日本新聞社の久留米総局へ新年のご挨拶に伺ったとき、隣のツタヤに車を止めた。ついでに立ち寄って新刊コーナーを眺めて手にした本。しばらく積みっ放しで忘れてたのを、京都行きで手ごろに読めそうな雰囲気だったから連れて行った。

まず設定が奇抜で引き込まれる。なにせ町の事業として、となり町と戦争が始まるのだから。事前に戦争事業計画を提出し、となり町と協議の上、共同で事業は進められる。戦闘区域と時間帯は決められているので、普段の生活にはまるで戦争のにおいがしない…。一風変わったSFなのかな、とも思ったが、読み進めるうちに主人公たちの持ついらだちや、哀しみといった感情に共感を持った。なるほど、これは文学作品だ。

著者は久留米市役所の現役職員なんだそう。第17回小説すばる新人賞を受賞した作品です。