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京都会議の往復した新幹線の中で読みました。
西日本新聞社の久留米総局へ新年のご挨拶に伺ったとき、隣のツタヤに車を止めた。ついでに立ち寄って新刊コーナーを眺めて手にした本。しばらく積みっ放しで忘れてたのを、京都行きで手ごろに読めそうな雰囲気だったから連れて行った。
まず設定が奇抜で引き込まれる。なにせ町の事業として、となり町と戦争が始まるのだから。事前に戦争事業計画を提出し、となり町と協議の上、共同で事業は進められる。戦闘区域と時間帯は決められているので、普段の生活にはまるで戦争のにおいがしない…。一風変わったSFなのかな、とも思ったが、読み進めるうちに主人公たちの持ついらだちや、哀しみといった感情に共感を持った。なるほど、これは文学作品だ。
著者は久留米市役所の現役職員なんだそう。第17回小説すばる新人賞を受賞した作品です。