若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

経営者の妻とは?

2006年12月11日 | ものおもう十四代目
今日は旧浮羽郡の商工会女性部の方たちと「経営計画の必要性」についてお話をしてきました。共に同友会で学ぶ立山自動車立山専務からのご依頼でもあったのですが、色々と考えさせられる機会となりました。

いつも感じる事ですが、総じて女性経営者の方は勉強熱心のように思います。そして若輩の話を真剣に聴いてくださる。事業家に嫁いで来たのであって、自分で起業したわけでもないのに、何故?と思うのです。

私の母もそうです。
母は大分の商家に生まれ育ちましたが、大学を卒業した年に父と結婚しました。世間知らずの箱入り娘だった母も、私が幼い頃から仕事の手伝いをしていました。商売人の家に嫁いできたから、当たり前といえばそうでしょう。しかし私は不思議に思っていました。「私は伝兵衛さんのお嫁さんになったのであって、若竹屋の嫁に来たんじゃない…」と母がこぼしていたのを聴いたことがあったから。

年末の深夜まで弟を身籠った身体で若竹屋の手伝いをしていた母。巨峰ワインの創業期には経理事務をし、昭和57年からは若竹屋の営業部長として第一線に立っていました。母は、受験期の僕よりも遅い時間まで起きて働いていました。私がお会いする「経営者の妻」の方も、(もしかすると「経営者である夫」よりも)仕事熱心な方がとても多いのです。そのモチベーションは何なのでしょうか。どうも男性の持つそれとは違うように思います。

私が若竹屋に帰ってきてから一度その事を尋ねたことがあります。母は言いました。「それは、あなたに若竹屋を継いで欲しいと思ったから。あなたが遣り甲斐を感じる若竹屋とはどんな会社なのだろう、と考えながら働いてきました」と。

母性とは子の喜びを自分の喜びと感じることだとするなら、職員を、商品を、事業を、我が子のように思う女性ほど経営者に向いている人はいないのでしょうね。

商工会の帰り際に「私たちば田主丸のお母さんち思わんね!息子のあんたば何時でん応援するけんね」と言われたのは嬉しかったなぁ。