毎年 冬になると、
蓮池に
1羽のオオバンが姿を現わす。
オオバンは
ほかの場所では
群れでたくさん一緒にいるのに、
この場所に戻ってくる
この子は
いつも
ひとりぼっち。
艶やかな漆黒のボディに
真っ白いお面
ルビーのような赤い瞳。
もののけチックな
妖しい雰囲気をまとっていて
カワイイというより
ちょっと怖い。
でも
ひとりぼっちのオオバンは
淋しげで
でもどこか滑稽で
なんだか気になる存在で
毎年、
姿を現わすまで
「カオナシくんまだ帰ってこないなぁ」と
思ったりする。
その姿からして
『千と千尋の神隠し』の「カオナシ」に
そっくりなのに
ひとりぼっちで泳ぐ姿は
ますますカオナシを思わせる。
とはいえ
写真を撮ろうと思ったことはなかった。
なんといっても
この風貌ですから。
ところが
これまで水に浮いている姿しか
見たことがなかったのに
池の中洲(っていう?)を歩いてて、
「すごーい!
カオナシくんが陸に上がってる!」
と驚いて
カメラを向けてしまった。
そしたら
こっちにダッシュしてきて
(正しくは、
わたしとの間にあった水に向かって)
はじめて見る足
(水に入ってると見えないから)が
なんかすごい迫力だし
すごい顔だし
すごい勢いだし
やっぱりちょっと
…怖かった。
桜とメジロとか
ミモザとか
いろいろ写真は撮っても
春のキラキラした気配に気持ちがついていけなくて
ブログを書けずにきているのですが、
ひとりぼっちのオオバンは
書けそう、と思って
改めて
水に入ったところも
写真に撮ってみました。
1枚目は
ご飯中でくちばしが汚れてるけど
泥が落ちると
驚くほど真っ白。
3枚目の
うつむいている顔が好き。
はぐれオオバン
カオナシくん
意外にハンサム。
★
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