「そもそも芸術ってなに?」
みんなが疑問に思っていることじゃないでしょうか。
芸術とは――
見たままを、ただ精密に表現するものではなく、
形も色も、空間も、現実のあらゆる理論から解放して
表現者の美的感性に基づいて印象を刻むものです。
たとえ技法そのものがリアルであったとしても、
芸術は虚構の美学なのです。
それから芸術は、
発信する側と、鑑賞する側の、相互の心の響き合いによって成り立つものです。
小学生の皆さんなら芸術作品を前に、それを頭の中の現実に照らしてみて
「こんな形おかしい」「こんな色はない」「こんな場面ありえない」
という事がたくさんあるでしょう。
作家が織りなす作品という世界、作家の印象の先に
観る側は共鳴したり、心を揺さぶられたり、時には不安や違和を感じたりする事でしょう。
作品を通して感じる心は、自分自身です。
芸術は自分の心と向き合う鏡でもあります。
他者との違いを認識したり、共感したりする先に、己を知るのです。
そのため、自分でも気づかなかった自分に出会う事もあるでしょう。
もちろん感じ方に正しい答えなんて、ありません。
芸術は、正解のない世界であることを認識することが大切です。
同じ個が存在しないように、十人いれば、十色が心に刻まれることでしょう。
いえ、それどころか同じ個であっても、ひとつの作品を2回見た場合、
最初の印象と違って感じたり、季節や天候が違うだけで観た印象は変わったりするものです。
長い人生において、その時々の心のありようによって、多くの表情を感じさせてくれる。
自分の心の変化に向き合わせてくれる。
それが芸術ではないでしょうか。
墨と、水と、和紙の織りなすにじみの先に、
自分の宇宙を感じてみませんか。
![抽象](https://blog-imgs-129.fc2.com/c/e/n/centifolia100/20190819180053debs.png)
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