youtubeに『すみeチャンネル』開設しました。
墨美麗組による『すみeパフォーマンス』や、
コロナ禍が収まった暁には、
展覧会の様子などもアップできたらと思っています。
動画編集を覚えたばかりですが、
あんがい楽しくてハマっています。
皆様が、おうちでアートを愉しんでいただけるように
少しずつ充実していけたらと思いますので、
ぜひチャンネル登録もお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCH80S4CwSxTn9k99e47aoXw/
![すみeチャンネルロゴ](https://blog-imgs-133.fc2.com/c/e/n/centifolia100/20200428124415535.png)
墨美麗組による『すみeパフォーマンス』や、
コロナ禍が収まった暁には、
展覧会の様子などもアップできたらと思っています。
動画編集を覚えたばかりですが、
あんがい楽しくてハマっています。
皆様が、おうちでアートを愉しんでいただけるように
少しずつ充実していけたらと思いますので、
ぜひチャンネル登録もお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCH80S4CwSxTn9k99e47aoXw/
![すみeチャンネルロゴ](https://blog-imgs-133.fc2.com/c/e/n/centifolia100/20200428124415535.png)
昨年2019年10月に、東京都美術館で開催された
『第58回 現水展』の受賞作品をいくつかご紹介いたします。
その前に水墨画について、少しお話ししますね。
前回は墨色についてお話したので、今回は『余白』についてです。
水墨画は、和紙の白と墨色で表現する芸術です。
『光と影のアート』と呼んでも佳いでしょう。
原研哉も『空白の意味』の中で等伯の『松林図』を取り上げていますが
多くの日本人が知る等伯の『松林屏風図』は、
和紙の白と、墨色によって茫漠とした松林が表現されています。
画面のほとんどは白場、何も描いていない和紙の部分、
植物からなる和紙が、呼吸をするままに残された部分です。
何もないその空白は、大気のように濃密で、
鑑賞者が入り込む扉となって開き、
見る側の心を朧な墨色の世界に、深い奥行きの松林へと引き込みます。
「白紙も模様のうつなれば心にてふさぐべし」
とは江戸時代の絵画技法書『本朝画法大全』に、
土佐光起によって記された言葉です。
『第58回 現水展』の文部科学大臣賞受賞作品は、
まさに水墨画の醍醐味であるこの『余白』が生かされた作品です。
(写真撮影したものをデータ化しているため、かなりハイキーで
実際の作品の深みが伝わりにくいですがご容赦ください)
水墨画は、余白を何もない「無」と見なすのでなく、
「大気」や「時間」や「何かに向かうエネルギー」や「兆し」
などを表現するものとして、和紙の白を生かして描く芸術なのです。
![等伯松林図](https://blog-imgs-133.fc2.com/c/e/n/centifolia100/202004161134385f5s.png)
国宝 松林図屛風 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀
![波のシンフォニー](https://blog-imgs-133.fc2.com/c/e/n/centifolia100/20200415125645df5s.png)
『第58回 現水展』文部科学大臣賞 受賞作品「波のシンフォニー」元浜 久子
![厂道](https://blog-imgs-133.fc2.com/c/e/n/centifolia100/20200415125647435s.png)
『第58回 現水展』東京都知事賞 受賞作品「厂道」其田 利舟
〈全国公募展告知〉
※秋に東京都美術館で開催される『現水展』10/7(水)~10/14(水)は全国公募です。
応募作品は、水墨画の技法に絞ったものではありません。
受賞作品をご覧いただいて分かる通り、モチーフも表現方法も自由です。
規定サイズで、主に墨を使っている平面作品であれば、どなたでも参加いただけます。
出品受付は7/1〜7/14です。
応募要項がまだ公式ホームページに上がっていませんが、
お問い合わせフォームか、お電話で連絡を入れれば、事務局から送付されます。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
お問合わせフォーム :http://www.sumiart.jp/cgi/form.html
以前も軽く触れましたが、
水墨画は主に、松から取れる煤を原料にした松煙墨(ショウエンボク)を使います。
少し青みががって見えるため、青墨(セイボク)とも呼ばれています。
松の煤の粒子は、大小ランダムに混じっています。
それら大小の粒子が光を受けると乱反射を起こし、奥行きや色味を感じさせるます。
墨にはもう1種類、植物油や鉱物油を原料にした油煙墨(ユエンボク)があります。
これは茶墨(チャボク)と呼ばれることもあります。
青墨に比較すると茶色く発色して見えるため、そう呼ばれています。
油煙の煤の粒子は大きさが均一で、光を受けても複雑な反射をしません。
そのためくっきりとした墨色が表現できます。
書道に向いていると言われるのはその所以でしょう。
この2種類の墨色について、良い見本がありました。
円山応挙の襖絵『松に孔雀図』の一部です。
図録からスキャンしたもので、
さらにスマホなどディスプレイ越しに見ると分かりにくいかもしれませんが
松の幹の部分と、松の針葉の部分に注目してください。
幹の部分は茶色く、針葉の部分は青く見えると思います。
応挙は2種類の墨の特性を生かして、この作品を描いたのでしょう。
金箔地に描くことで、この襖絵は一層光の影響を受けます。
部屋に挿し込む光は、終日変化し続けます。
応挙は時間を以て変化する表情をも、鑑賞の要素として取り入れたのでしょうね。
これだけを見ても、つくづく水墨画は、モノクロ画ではない!と強くお伝えしたいです。
『光と影の芸術』と呼ぶのが相応しいのではないでしょうか。
![応挙松に孔雀](https://blog-imgs-133.fc2.com/c/e/n/centifolia100/202004041647572c5s.jpeg)
円山応挙「松に孔雀図」(部分)1795年・兵庫大乗寺
〈現水展〜全国公募の案内〉
※現代水墨画協会が主催する『現水展』
秋10/7(水)~10/14(水)に東京都美術館で開催される本展は、全国公募です。
応募作品は、水墨画の技法に絞ったものではありません。
規定サイズで、主に墨を使っている平面作品であれば、どなたでも参加いただけます。
応募要項をご希望の方は、ぜひ事務局までお気軽にご連絡くださいませ。
応募締切は例年の場合7月です。
現水ホームページ http://www.sumiart.jp/cgi/form.html