Sumibishin®︎ 樋口鳳香〜水墨画家のすみeブログ

大臣賞受賞 水墨画家 樋口鳳香のアート系ブログ
墨で描くかぐわしき美神たち〜『墨美神®︎』展覧会情報を発信します

悠久の時を生きる掛軸、の特性【墨美神®︎きもの掛軸】

2021-05-31 09:30:30 | すみe-ART Exhibition

掛軸は床の間に飾るもの、と考えるのは昔の話になりつつあります。

現代の一般的な住居では洋室のリビングに飾ったり、寝室に飾ったり、

自由に楽しむ方も増えてきたのではないでしょうか。

海外の方なら尚更もっと自由にhanging scrollをいろんな場所に飾って愉しまれています。



ただ掛軸は、年中ずっと飾っておくのは、よろしくありません。

長く掛けっぱなしにすると、作品の劣化につながります。

例えば

・作品に埃がつく

・作品が焼ける(紫外線による劣化)

・裂地、特に正絹には重みがあるため、たわんでしまったり、痛んでしまう

 お着物をハンガーにかけたままだと、裾の部分が袋になる(たわむ)のと同じことです




今も昔も変わらずに

掛軸を長い年月楽しむには『季節ごとに掛け替える』ことでしょうか。



これは着物をお召しになる方なら深く納得することと思いますが、

日本の文化は季節に合わせて生活様式も変化させる愉しみがあります。

大きな括りで言えば6月になれば裏地のある袷の着物は仕舞って、

裏地のない単衣の着物をお召しになるように。

掛軸も衣替えのように、まめに掛け替えて愉しむのが、

長い年月を良い状態で保存させるコツです。



掛軸にはその両端に耳折(みみおり)という部分があり、

これがあるが故に巻いた時に、作品が擦れ合わずに、

さらに内部を密閉空間にして作品の劣化を防いでくれます。

きちんと保管されれば、何100年も長く美しい状態であるのはその特性ゆえです。

掛軸は機能的にも、装飾的にも大変すぐれたものなのです。




きもの掛軸




ちなみに下の画像は月岡雪鼎(1726〜87)の『藤娘図』(ミネアポリス美術館所蔵)

18世紀のものです。



月岡雪鼎





さて。

着物をまとうように表装する『墨美神®︎きもの掛軸』は

樋口鳳香が自ら手掛けた表装を含めた作品です。

6/7(月)から開催の【私の中の太宰治展】にてお披露目となります。

今回は特別に5点、ご用意いたしました。

どうぞよろしくお願い致します。



太宰DM





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【水墨画家・樋口鳳香の受賞歴】

2021-05-30 08:30:30 | すみe-ART

次の画廊での展示は6月。

会期が重なりながらの3箇所の展示になります。

ここで改めて水墨画家で、文筆家でもある樋口鳳香のプロフィールを公開いたします。

まずは受賞歴から。

つど、必死に創作と向き合うばかりですが、

ありがたいことに

コツコツ積み上がってきた結果は私の足跡となってくれています。



fb用サブ


伝統に学び、悠久の未来を見据えて描いています。墨美神®︎樋口絢香




【受賞歴Receiving a prize career/水墨画Indian ink art】

2007年 第29回 全日本水墨画秀作展/奨励賞

2010年 第35回 全日本水墨画秀作展/準大賞
    第36回 全日本水墨画秀作展/豊島賞

2011年 第37回 全日本水墨画秀作展/美術新聞社賞
    第38回 全日本水墨画秀作展/美術新聞社賞

2012年 第39回 全日本水墨画秀作展/特選
    第51回 現水展/新人賞
    第40回 全日本水墨画秀作展/北海道新聞社賞

2013年 第41回 全日本水墨画秀作展/無鑑査推薦
    第52回 現水展/入選
    第42回 全日本水墨画秀作展/現代水墨画賞

2014年 第6回 京都全日本水墨画・俳画・文人画秀作展/巴人賞
    第53回 現水展 秀作賞受賞
    第44回 全日本水墨画秀作展/厚生労働大臣賞

2015年 第54回 現水展/奨励賞

2016年 現水春季展/協会賞
    関西扇面芸術展/京都市教育長賞
    第55回記念 現水展/秀作賞

2017年 第49回 全日本水墨画秀作展/芸術文化賞
    第56回 現水展 佳作賞受賞

2018年 第51回 全日本水墨画秀作展/巴人賞
    第33回 関西扇面芸術展/奈良県教育長賞
    第57回 現水展/奨励賞受賞

2019年 現水春季展/審査委員賞
    第58回 現水展/小津和紙賞

2020年 現水春季展/優秀賞
    第59現水展 墨運堂賞

2021年 現水春季展/アーティススペースF賞


【受賞歴Receiving a prize career/文学Literature】

2015年 第10回 ちよだ文学賞/千代田賞
2017年 第5回 森三郎童話賞/佳作入賞



#樋口鳳香 #墨美神 #すみびしん #墨美神きもの掛軸 #水墨美人画 #美人画 #sumie #hangingscroll #sumibishin #すみe



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イメージした太宰作品たち【私の中の太宰治展】6/7~12

2021-05-27 17:43:59 | すみe-ART Exhibition

『私の中の太宰治展』は

銀座画廊・美の起原にて6/7(月)~6/12(土) に開催。

太宰小説からインスパイアされた作品を、8人の作家がそれぞれの感性で表現します。



私が題材に選んだのは5作品。

一部抜粋と合わせてご紹介します。



「革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄ぶどうだと嘘うそついて教えていたのに違いないと思うようになったのだ。私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。」

『斜陽』



「本能、という言葉につき当ると、泣いてみたくなる。本能の大きさ、私たちの意志では動かせない力、そんなことが、自分の時々のいろんなことから判って来ると、気が狂いそうな気持になる。」

「先生は、私の下着に、薔薇の花の刺繍のあることさえ、知らない。」

『女生徒』



「夫の顎の下に、むらさき色の蛾が一匹へばりついていて、いいえ、蛾ではありません、結婚したばかりの頃、私にも、その、覚えがあったので、蛾の形のあざをちらと見て、はっとして、と同時に夫も、私に気づかれたのを知ったらしく、どぎまぎして、…」

『おさん』



「縁側の明るみに出されて、恥ずかしいはだかの姿を、西に向け東に向け、さんざ、いじくり廻されても、かえって神様に祈るような静かな落ちついた気持になり、どんなに安心のことか。」

『皮膚と心』



そして

母は少しまじめな顔になり、
「この、お乳とお乳のあいだに、……涙の谷、……」
 涙の谷。
 父は黙して、食事をつづけた。

『桜桃』です。





いずれの作品も、

日本の伝統である美しく贅沢な着物織物を裂地として、自ら表装まで手掛けた

『墨美神®︎きもの掛軸』として出展します。



多くの皆さまと新しい墨美神の世界を分かち合えますように。

会場にて、墨美神®︎とともにお待ちしております。





太宰告知本



【私の中の太宰治展】
銀座画廊・美の起原
6/7(月)~6/12(土)
12:00~18:30(最終日16:00まで)

※DMは画廊にございます。お手にとって頂けると幸いです。



太宰DM



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【墨美神®︎きもの掛軸について】

2021-05-26 11:43:05 | すみe-ART

6月の展示に向けてラストスパート。

『墨美神きもの掛軸』を、8点仕上げたくて連日16時間ほど根を詰めて作業しています。



樋口鳳香オリジナルの『墨美神きもの掛軸』は1点を仕上げるのに、

・絵にあった反物選びと設計デザインに数日。
(設計デザインは作業に入ってからも、裂地の柄出しに合わせて何度も見直しをします)

・柄合わせをしたりするため裂地作成にまる1日。

・裂地貼り合わせ、仕上げに2〜3日。

…と、たいへん手間のかかる作業です。

これは、もちろん絵が仕上がっている前提での作業です。

絵を描くまでも額装と違って、神経を使う部分がたくさんあります。




こんなに手間のかかる仕事を自分でやり出したのは理由がありました。

以前は、軸装は外注していました。

しかし外注にはたくさんのデメリットがありました。

・発注してから仕上がりまでひと月〜ひと月半かかるため予定よりずっと早く作品を仕上げなくてはいけない。

・仕上がりを待つ間はとても不安である。

・仕上がりを見てがっかりすることが何度かあった。

・とにかくコストが高い。
(作品の販売希望価格を軽々と超えるほどかかるので、赤字を覚悟しなくては外注はできません)

・デザインや裂地に細かな指定ができない。細かに指定すればそれだけコストが嵩む。



…そんなことから自分で創り始めた『墨美神きもの掛軸』です。

大変手間がかかるけれど、絵にあった納得のいくものを作ることができます。

裂地も外注なら、紙で仕上げてもそれなりの価格になってしまうけれど、

丹後ちりめん、友禅、西陣織、大島紬、結城紬など、贅沢で美しいものを使える上、

墨美神®にあった自分で納得したデザインに仕上げることができます。



『墨美神きもの掛軸』はお着物を纏うように、襦袢地、着物地、帯地、羽織地、と重ねています。

贅を尽した素材で、時間をかけて1点、1点、丁寧に創っていますが、

それでも今はまだ、額装と同じような価格で販売しています。



ぜひ、ご高覧いただけたら幸いです。

6月。3箇所での展示、皆さまとお会いできるのを楽しみにしております。



きもの掛軸hoca



太宰DM



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6/7(月)から【私の中の太宰治展】

2021-05-20 12:21:48 | すみe-ART

紫陽花もちらほら見かける季節になりました。

今年は梅雨入りも早いのでしょうか。

墨美神と向き合う日々を過ごしているだけで、あっけなく5月も後半となりました。

6月の展示では、よいものをご覧いただけるように励んでいます。



紫陽花hoca




【私の中の太宰治展】は、

銀座画廊・美の起源にて6/7(月)~6/12(土) に開催されます。

企画者はコレクターでもある御子柴大三 氏です。

とても素敵なDMができあがっています。

手触りも上質なので、画廊にお立ち寄りの際は手にとっていただけたら幸いです。



【私の中の太宰治展】
銀座画廊・美の起源
6/7(月)~6/12(土)
12:00~18:30(最終日16:00まで)

※DMは画廊にございます。お手にとって頂けると幸いです。


太宰DM



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