今、発売中の「ポピュラーサイエンス」誌に今年のオスカーの科学技術賞のノミネート作品(というかヒトやモノ)が紹介されていた。
受賞したのは「ストーム」というパーティクルシステムを作ったアラン・カプラーという人。
パーティクルというのはよくCGアニメで見かける粉砕&飛散するみたいな表現などで使われるツブツブのことだけど、それを限りなく細かくしていくと煙や水などの自然現象を表現できる。
だけど、リアリティを追求していくとツブも細かく数も多くせざるを得ず、その計算量は最先端の機器をもってしたも大きな負担になる。
このオッサンは限られたハードウェア環境の中で扱えるツブの数を飛躍的に増やすことができるプログラムを書いて「デイ・アフター・トモロー」の映像を実現させた。
そして受賞はならなかったもののノミネートされていた中に興味深い名前があった。
それは「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」の製作にも使用された、アドビ社の「After Effect」という映像製作ソフト。
おいらがこのソフトをはじめて目にしたのはもう10年も前のこと、神宮外苑でアドビが主催した「Photoshop」というフォトレタッチソフトの最新バージョン(3.0)発表のセミナーに参加したときの“ついで”だった。
もちろん目当てだったのは「Photoshop3.0」だったんだが、「After Effect」のプレゼンテーションが始まった時には思わずうなってしまった。
簡単に言うと、「After Effect」とは2D画像(平面)や3Dムービー、撮影された映像など色々な素材をぶちこんでそれぞれに(または全体に)動きや効果を設定することにより1つの映像作品に仕上げることができるというものだ。
プロバージョンでもたかだか20万円くらい。それでテレビ放送レベルの映像が作れてしまうのだ。
その時の説明ではある会社が開発したものを買収したというハナシなのだけれど、眼前でプレゼンテーションされているインターフェイスが既にアドビっぽいのに驚いた。
つまり他のアドビのソフトを使っていたユーザーであればすぐに使えるようなインターフェイスに仕上がっていたのだ。
新製品として発表されたもののその時点での日本語版のバージョンはすでに3.0だったから、アイディアを買い上げた後にアドビ社でインターフェイスをブラッシュアップしたのだろう。
このことは何を意味するかというと、既存の映像クリエイターたちにコスト削減と製作時間短縮の短縮をもたらすだけでなく、それまで映像とは関係なかったグラフィックデザイナーや、はたまたシロウトにまで映像作品製作のチャンスが広がったってことに他ならない。
本来、買収というのはこういうあるべきじゃないか?
つまり「After Effect」の買収では、元の開発者も買ったアドビも、ユーザー(ハリウッドやその映画ファンを含む)もみんな得をしたのだ。
多分、「After Effect」の元の開発者は元のアイディアを世に出した時点でその役目はある程度、終わっていたと考えていたのではないだろうか。
画期的な元ネタというのは往々にして天才的な個人から出されることが多いが、ごっつい原石を磨くのは中小企業ではもてあますし、せっかくの画期的なアイディアが不完全なままで終わってしまうのはユーザーにとっても不幸なことだ。
また研究面での資本力もさることながら、現場で使われることによって育っていくようなツールは、有る程度、流通力のある会社が扱うことが大きなアドバンテージとなる。
つまり買収とは広い意味での“社会分業”のカタチなんじゃないかな?
ホリエモンがwin win(どっちも勝ちでいい思いをする)とよく言っていたが、今回のニッポン放送の買収劇はどっちも負けに見えてしまう。
リーマンbrosだけが勝ちかよ…みたいな。
今回の買収以外でも日本の企業の合併とかって、ユーザーにとってのメリットがあまり感じられないだけでなく「最近、銀行の名前がサッパリわがんねっス」といったデメリットな印象しかない。
フジとライブドアが和解&業務提携するってんだけど、いったいユーザーにとってどんなメリットを生み出してくれるのか期待しないで待ちたい(笑)。
受賞したのは「ストーム」というパーティクルシステムを作ったアラン・カプラーという人。
パーティクルというのはよくCGアニメで見かける粉砕&飛散するみたいな表現などで使われるツブツブのことだけど、それを限りなく細かくしていくと煙や水などの自然現象を表現できる。
だけど、リアリティを追求していくとツブも細かく数も多くせざるを得ず、その計算量は最先端の機器をもってしたも大きな負担になる。
このオッサンは限られたハードウェア環境の中で扱えるツブの数を飛躍的に増やすことができるプログラムを書いて「デイ・アフター・トモロー」の映像を実現させた。
そして受賞はならなかったもののノミネートされていた中に興味深い名前があった。
それは「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」の製作にも使用された、アドビ社の「After Effect」という映像製作ソフト。
おいらがこのソフトをはじめて目にしたのはもう10年も前のこと、神宮外苑でアドビが主催した「Photoshop」というフォトレタッチソフトの最新バージョン(3.0)発表のセミナーに参加したときの“ついで”だった。
もちろん目当てだったのは「Photoshop3.0」だったんだが、「After Effect」のプレゼンテーションが始まった時には思わずうなってしまった。
簡単に言うと、「After Effect」とは2D画像(平面)や3Dムービー、撮影された映像など色々な素材をぶちこんでそれぞれに(または全体に)動きや効果を設定することにより1つの映像作品に仕上げることができるというものだ。
プロバージョンでもたかだか20万円くらい。それでテレビ放送レベルの映像が作れてしまうのだ。
その時の説明ではある会社が開発したものを買収したというハナシなのだけれど、眼前でプレゼンテーションされているインターフェイスが既にアドビっぽいのに驚いた。
つまり他のアドビのソフトを使っていたユーザーであればすぐに使えるようなインターフェイスに仕上がっていたのだ。
新製品として発表されたもののその時点での日本語版のバージョンはすでに3.0だったから、アイディアを買い上げた後にアドビ社でインターフェイスをブラッシュアップしたのだろう。
このことは何を意味するかというと、既存の映像クリエイターたちにコスト削減と製作時間短縮の短縮をもたらすだけでなく、それまで映像とは関係なかったグラフィックデザイナーや、はたまたシロウトにまで映像作品製作のチャンスが広がったってことに他ならない。
本来、買収というのはこういうあるべきじゃないか?
つまり「After Effect」の買収では、元の開発者も買ったアドビも、ユーザー(ハリウッドやその映画ファンを含む)もみんな得をしたのだ。
多分、「After Effect」の元の開発者は元のアイディアを世に出した時点でその役目はある程度、終わっていたと考えていたのではないだろうか。
画期的な元ネタというのは往々にして天才的な個人から出されることが多いが、ごっつい原石を磨くのは中小企業ではもてあますし、せっかくの画期的なアイディアが不完全なままで終わってしまうのはユーザーにとっても不幸なことだ。
また研究面での資本力もさることながら、現場で使われることによって育っていくようなツールは、有る程度、流通力のある会社が扱うことが大きなアドバンテージとなる。
つまり買収とは広い意味での“社会分業”のカタチなんじゃないかな?
ホリエモンがwin win(どっちも勝ちでいい思いをする)とよく言っていたが、今回のニッポン放送の買収劇はどっちも負けに見えてしまう。
リーマンbrosだけが勝ちかよ…みたいな。
今回の買収以外でも日本の企業の合併とかって、ユーザーにとってのメリットがあまり感じられないだけでなく「最近、銀行の名前がサッパリわがんねっス」といったデメリットな印象しかない。
フジとライブドアが和解&業務提携するってんだけど、いったいユーザーにとってどんなメリットを生み出してくれるのか期待しないで待ちたい(笑)。
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