私は紫ドロボウである。
気がつけば、昨日の日本酒の香りがほんのりして頭に違和感がある。
「あぁこれが世間で話題の二日酔いなのか」
と納得する(まるで初めてのようであるが)。またイチゴ狩りの疲労も相まってお腹を煽っていた。そこで焼津おさかなセンターへ向かうことになった。
静岡と焼津をつなぐ『大崩れ』を抜けると言う。高所恐怖症の私には危険極まりない提案を二つ返事で受け入れた。それくらいお腹が減っていたのだ。名前の如く山肌が崩れて険しい崖になっている。峠付近のガードレールには超危険と書かれた看板があり、極楽浄土に入場しかけている所であったが、皆は渋谷の女子高生の話になっているではないか…。私のチキンぶりが発揮されただけのようだ。
焼津おさかなセンターはGWということもあり、多くの観光客で賑わっていた。そして青空おじさんを隠し撮りするのである。
歩いていると場外に停めてあるバイクの一台に目がとまった。トライアンフの直列3気筒、しかも横向きにチャンバーを取り付けたアメリカンタイプだ。あまりのかっこよさに全神経を集中して見ていたと思う。トライアンフROCKET IIIという2300ccの化物エンジンを積んだバイクであることが後に判明する。バイク乗りに戻る日が近いことを悟った。
話を戻すが、焼津はマグロの水揚量が日本一の漁港である。そのためおさかなセンターにはマグロを陳列する店が殆どで圧倒された。その一店舗に飾ってあるお頭のシュールさにも驚愕である。花が咲き乱れているのだ。
早速食堂に入り、黒潮定食を頂いた。
この時期だけの生桜海老、ミナミマグロの造りを始め、ビンナガ、ボタン海老、コウイカ、マダイ、イクラとバラエテー豊かで、見て、食べて焼津を堪能できた。
私の大胆さとは違い、青空おじさんは生シラス・桜海老丼と一見地味だが、駿河湾の旬の魚を頂くところがイナセな三保っ子だ。良い店を紹介して頂き感謝である。
だが前日に日本平で頂いた桜海老の悲惨さを思い出し、作り手の気持ち次第で、こうも違うものかと怒りすら覚えたのだ(買った人が悪い)。
市場をグルリと回る間に、練り物屋で面白いものを見つけた。おさかなのサラミ味だ。
まったくもって理解不能な名前であるが、味は抜群である。まさにおさかなのサラミ味だ…。
出口に向かい一服していると、青空おじさんと魔女狩りが騒いでいる。何かと思えばレクサスが停まっているのだ。しかも最新型の完全エコタイプ、最高速度は200km/h、何段乗せても安定感抜群であろう姿に市場の未来を垣間見た(うそ)。
食事を終えた時点で、私の静岡旅情プランは皆無に等しかったが、
「朝霧高原でチーズ作りできるよ」
と魔女狩りがつぶやいたことで、富士山へ向かうことが決定した。珍道中はまだ続くことになりそうだ。
つづく
気がつけば、昨日の日本酒の香りがほんのりして頭に違和感がある。
「あぁこれが世間で話題の二日酔いなのか」
と納得する(まるで初めてのようであるが)。またイチゴ狩りの疲労も相まってお腹を煽っていた。そこで焼津おさかなセンターへ向かうことになった。
静岡と焼津をつなぐ『大崩れ』を抜けると言う。高所恐怖症の私には危険極まりない提案を二つ返事で受け入れた。それくらいお腹が減っていたのだ。名前の如く山肌が崩れて険しい崖になっている。峠付近のガードレールには超危険と書かれた看板があり、極楽浄土に入場しかけている所であったが、皆は渋谷の女子高生の話になっているではないか…。私のチキンぶりが発揮されただけのようだ。
焼津おさかなセンターはGWということもあり、多くの観光客で賑わっていた。そして青空おじさんを隠し撮りするのである。
歩いていると場外に停めてあるバイクの一台に目がとまった。トライアンフの直列3気筒、しかも横向きにチャンバーを取り付けたアメリカンタイプだ。あまりのかっこよさに全神経を集中して見ていたと思う。トライアンフROCKET IIIという2300ccの化物エンジンを積んだバイクであることが後に判明する。バイク乗りに戻る日が近いことを悟った。
話を戻すが、焼津はマグロの水揚量が日本一の漁港である。そのためおさかなセンターにはマグロを陳列する店が殆どで圧倒された。その一店舗に飾ってあるお頭のシュールさにも驚愕である。花が咲き乱れているのだ。
早速食堂に入り、黒潮定食を頂いた。
この時期だけの生桜海老、ミナミマグロの造りを始め、ビンナガ、ボタン海老、コウイカ、マダイ、イクラとバラエテー豊かで、見て、食べて焼津を堪能できた。
私の大胆さとは違い、青空おじさんは生シラス・桜海老丼と一見地味だが、駿河湾の旬の魚を頂くところがイナセな三保っ子だ。良い店を紹介して頂き感謝である。
だが前日に日本平で頂いた桜海老の悲惨さを思い出し、作り手の気持ち次第で、こうも違うものかと怒りすら覚えたのだ(買った人が悪い)。
市場をグルリと回る間に、練り物屋で面白いものを見つけた。おさかなのサラミ味だ。
まったくもって理解不能な名前であるが、味は抜群である。まさにおさかなのサラミ味だ…。
出口に向かい一服していると、青空おじさんと魔女狩りが騒いでいる。何かと思えばレクサスが停まっているのだ。しかも最新型の完全エコタイプ、最高速度は200km/h、何段乗せても安定感抜群であろう姿に市場の未来を垣間見た(うそ)。
食事を終えた時点で、私の静岡旅情プランは皆無に等しかったが、
「朝霧高原でチーズ作りできるよ」
と魔女狩りがつぶやいたことで、富士山へ向かうことが決定した。珍道中はまだ続くことになりそうだ。
つづく