対人恐怖の人が恐れているのは他人ではなく、
対人関係において上手く発揮できない自分の攻撃性という。
摂食障害の人が恐れているのは太ることではなく、
ずっと食べ続けてしまうのではないかという自分の欲動で、
高所恐怖症の人が恐れているのは高い所ではなく、
高い所に立った時もしかして自分は飛び降りてしまう
のではないかと露わになる心の不安定さを恐れるのだという。
自分は対人恐怖と高所恐怖症だ。
この二つについては当たっていると思う。
対人恐怖症の人は、いわゆる「口が悪くない」人が多い。
相手のことを悪く言わない。からかうとかしない。
実際に悪く言わないまでも、内心思うことができたら対人恐怖症の
症状はある程度和らぐのではないだろうか。
自分は子供の頃から高所恐怖症だ。
高い所から落ちて怪我をしたとかいう経験はない。
だからトラウマではないと思っていた。
しかし何故自分は高いところが怖いのだろうと不思議だった。
これを聞いた時はっとさせられた。
誰だって高い所から落ちたら危険なのはわかっている。
それを人より怖がるのは違う理由だったわけだ。
フロイトは「人は死の欲動を持っている」と言った。
生きたいと思う反面死への願望もあると言う。
社会が安定すればするほど神経症の人は増えるらしい。
現代では過剰なほどの安全、安心が当たり前になっている。
欲動を吐き出す捌け口がないと息が詰まってしまいそうだ。
もちろん戦争や犯罪ではなく違う健全な方法で。