ACT-9:C案原型完成の過程...
さて再び、開発室からの報告です
前回から今までC案の原型製作を続けていました
まずバルサのブランクを2セット、正確に切り抜きます
2セット作るのは失敗した時の予備
これである程度安心して作業を進められるワケです
そしてワイヤーユニットを仕込み接着してカッターで大まかな形を削ります
ACT-8-1:ボディ成形
後は金ヤスリで形を削りこんでいきます
慣れると金ヤスリで曲線まで完全に仕上げる事が出来るので、後は♯600程度の耐水ペーパーで仕上げればOK
でも通常は間で♯300前後を絡めるのが良いと思います
因みにバルサの目は♯600よりも遥かに粗いのでそれ以上あげる必要は無いと思います
それよりも塗料を含むと膨れて更に粗くなるので各工程間での磨きのほうが重要です
そして取りあえずテイク1を作成
テイク1(上)はややファットになり予定よりボディ容積に余裕がでたので、更に削りこんだテイク2(下)を作成
ここでテイク2採用が確定的に
若干のモディファイを加えながら、♯600で最終仕上げをしてコーティングに進みます
ACT-8-2:下地強化
なんと言ってもコーティングで一番重要なのが下地作り
シンナーで倍に薄めたクリアラッカーに漬け込みます
回復溶液に浸かったサイヤ人やクロコダインではないです...(笑)
コレを磨きを挟みながら数回繰り返します
■ここでちょっと、ソードのルアー製作こぼれ話
この下地強化はバルサと言う繊維と塗料と言う樹脂を合体させる過程
言ってみれば天然のFRPと言ったところでしょうか...
FRPも繊維と樹脂を組み合わせた複合素材ですね
ここで気泡が出なくなるまでしっかりと染み込ませます
コレはボディ表面だけでなく、ワイヤーユニットや合わせ目の中まで入り込むのでボディ全体の強化にもなります
よく染み込ませすぎになると心配する人もいますが、バルサはタテに繊維が走ってるので中までは染み込みません
流木やイカダが浮いていられるのもその理由
セルロースは最強の硬度を持っていますが粘り強さはウレタンには及ばない
ここでしっかり下塗りを染み込ませれば、爪で強く押しても割れないボディが形成されるワケです
試しにコレ無しでセルロースをそのままディッピングすると、どんなに厚くしてもカンタンに割れます
この下地工程は構造学的に言うと基礎造り
いかに固いコンクリートでもこの基礎が無いと案外カンタンに割れてしまいます
なのでルアー製作でもこの基礎造りが非常に重要なワケです
この工程でしっかり染み込ませておけば、気泡の発生を抑えるだけでなく、爪で押しても決して割れない強いボディを構築する事が出来ます...
ACT-8-3:コーティング
さて、下地強化が終わったら何回にも渡り原液のディッピングを繰り返し強度を得ます
しかし今回のボクのモデルはモールド用の原型なので2回程で完了します
バルサボディで仕上げる場合は、この後ディッピングやカラーリングを繰り返せば十分な強度が得られます...
ACT-8-4:C案原型完成
こうしてようやくC案原型完成
C案原型
もはやバルサ・モノブロックの限界リアリティ...
と言ったら言い過ぎでしょうか...(汗)(笑)
さて、ようやく原型も完成したのでいよいよC案モールド作成にまた暫く工房に籠もります!...
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