いつも、口煩いその女のあだ名は、「キャンキャン」。
仲間内で自分はそう言っている。
先日は目を疑うことが相次いだ。
建築現場の地鎮祭に遅刻したキャンキャンは、生脚にぺったんこな靴を履き、ダッフルコートを羽織って、ボクと施主さんの前に現れた。
パッと見、全裸にコートだけを羽織ったような、不細工な姿。
髪はボサボサ、片手には地鎮祭のお供えの一升瓶、まるで酔っ払いか、変術者。
「ごめんなさーい、道が混んでて」
こんな言い訳せんで、素直に謝ればいいのだけどその直後
「お酒忘れちゃって、遅くなっちゃった、てへ。」
と本当はお供えの酒を買い忘れて遅れたけど、言い訳して、すぐにばれちゃった適当な女ですー、てな感じで顔をシワくちゃにした直後の事だ!
シワくちゃな顔が戻らないではないか!
どうして?
何があった?
えっ!目あいてんのか?
恐る恐る見たら、目ヤニだらけで瞼がくっいて、目が開かないようだ!
「お願いだ、その目早く開け、擦るか何かして、開けろ!キャンキャン開けろ!」
と心で念じた。
視界が悪いせいか、ヨタつくキャンキャン。
そんな状況を人に知られたくないキャンキャンは、無理ありありの振る舞い。
しばらくして、黒目が直径5ミリ見えるかぐらいになった瞬間、ボクと目が合った。
物凄い、オカルト!
かける言葉もなく、顔が強張ったまま、二度とおまえなんぞ、見んぞと祭壇に目をむけたその瞬間、「この女???」
と確信ずけられた驚きにドクロマーク3つ。
そこには、「祝い上棟」と書かれた酒が供えられていた...
工事着手のまえにいきなり家、建っちゃうのー?
地鎮祭の最中に、酒にかけられた熨斗におくればせながら気付いたキャンキャンは「ハーッ!!」と自分勝手な甲高い声を出し、ボクの顏を見つめた瞬間、
「てへっ!」とまた顏をシワくちゃにした。
その後もせんと千尋のぼーと同じ顏になっていた。
お施主さんが帰られた後、地鎮祭の片ずけをしているボクと神主に向かって、キャンキャンが言った一言。
「酒なんて飲めればいいんだよ」
お施主さんにとったら、この日は家ずくりスタートの大切な日。
申し訳ない気持ちで一杯になった。
キャンキャン、仕事を辞めるっていつも言ってるけど、嘘は良くないよ。
早く辞めちゃいなよー。
仲間内で自分はそう言っている。
先日は目を疑うことが相次いだ。
建築現場の地鎮祭に遅刻したキャンキャンは、生脚にぺったんこな靴を履き、ダッフルコートを羽織って、ボクと施主さんの前に現れた。
パッと見、全裸にコートだけを羽織ったような、不細工な姿。
髪はボサボサ、片手には地鎮祭のお供えの一升瓶、まるで酔っ払いか、変術者。
「ごめんなさーい、道が混んでて」
こんな言い訳せんで、素直に謝ればいいのだけどその直後
「お酒忘れちゃって、遅くなっちゃった、てへ。」
と本当はお供えの酒を買い忘れて遅れたけど、言い訳して、すぐにばれちゃった適当な女ですー、てな感じで顔をシワくちゃにした直後の事だ!
シワくちゃな顔が戻らないではないか!
どうして?
何があった?
えっ!目あいてんのか?
恐る恐る見たら、目ヤニだらけで瞼がくっいて、目が開かないようだ!
「お願いだ、その目早く開け、擦るか何かして、開けろ!キャンキャン開けろ!」
と心で念じた。
視界が悪いせいか、ヨタつくキャンキャン。
そんな状況を人に知られたくないキャンキャンは、無理ありありの振る舞い。
しばらくして、黒目が直径5ミリ見えるかぐらいになった瞬間、ボクと目が合った。
物凄い、オカルト!
かける言葉もなく、顔が強張ったまま、二度とおまえなんぞ、見んぞと祭壇に目をむけたその瞬間、「この女???」
と確信ずけられた驚きにドクロマーク3つ。
そこには、「祝い上棟」と書かれた酒が供えられていた...
工事着手のまえにいきなり家、建っちゃうのー?
地鎮祭の最中に、酒にかけられた熨斗におくればせながら気付いたキャンキャンは「ハーッ!!」と自分勝手な甲高い声を出し、ボクの顏を見つめた瞬間、
「てへっ!」とまた顏をシワくちゃにした。
その後もせんと千尋のぼーと同じ顏になっていた。
お施主さんが帰られた後、地鎮祭の片ずけをしているボクと神主に向かって、キャンキャンが言った一言。
「酒なんて飲めればいいんだよ」
お施主さんにとったら、この日は家ずくりスタートの大切な日。
申し訳ない気持ちで一杯になった。
キャンキャン、仕事を辞めるっていつも言ってるけど、嘘は良くないよ。
早く辞めちゃいなよー。