痛い治療が終えたボクに待っていた更なる試練
長い時間、うつ伏せ状態で処置を受けていたボクに、この後なんともビックリするような看護士さんからの指令
「お腹の方にも血と膿と消毒液が回り込んでしまったので、拭きましょう。四つん這いになって下さい。その前にズボンとパンツ全部下げちゃいますね」
と、まった無しでズボンとパンツをずり降ろす。
その後、痛みと恥ずかしさをこらえて、子羊が立ち上がるかのようにして四つん這いに!
この体制になったことにより、傷口が引っ張られ激痛、そして今までしたことがない格好で肛門には何か入れられてるし
「今どんな見え方してるんだろう?」
と想像も出来ない格好に恥ずかしさが倍増。
看護士さんはしゃがんで、太ももの間から手を入れ、ボクの大事なところを拭く。
自分で下半身を見た時、自分の股間の向こうの看護士さんと目が合ってしまう。
なんとも言い表せない恥ずかしさ。
しかし、こんなオッサンでも感情はアップデートされるものだ。
自分の中で芽生えた感情。
それは、これから体にまつわるどんなに恥ずかしいことがあっても、大丈夫!
もう恥ずかしいことなど何もない!
と、強くなった気分になったのだ。
やっと治療が終わり、先生との話の時間になった。
なんだかみんなの様子がおかしい。
先生も看護士さんも目を合わせてくれない。
何?何?
みんな下を向いて話すのだ!
本人は恥ずかしさを乗り越えて、強くなったのに、先生も看護士さんも何?何?
あんな格好にさせられた人ってもしかしていないの?
そんなにみっともない格好だったの?
「なんて恥ずかしいオッサンなの」とか、思っちゃてるの?
何?何?
考え出したら、どんどん羞恥心が倍増するばかり。
先程のアップデートが取り消しになるような雰囲気に・・・
その後通院はしばらく続く。
しかし先生は嘘つきだった!
痛みが和らぐって言ったのに、通院中の尻つねりと綿棒ぐりぐりの激痛治療は容赦なく続いたのだ。
「先生、本当に痛い!凄い痛い!無理、無理!」
との、うっさいオッサンの嘆きに、通院の後半にもなると先生は
「痛いですよねー」
「痛いですよねー」
としか言わなくなった。
そして看護士さんはパンツを降ろす時、カーテンも閉めてくれなくなった。
お互いに慣れてきたからなのか?
だけど、診察後の話の時は誰もボクの顔を見てくれなかった・・・
もしかして笑いでも堪えていたのだろうか?
まあ、いいか!
傷口も綺麗に塞がり、生活にも支障がなくなったことだし、身体の膿が出たわけだから、気持ちもスッキリ。
もう少し自分の身体を大切にしようと、思える出来事として受け止める事にした。
この出来事を親父さんに話したら
「俺だったら恥ずかしいから絶対嫌だね!自力で治すな。と言うか、そんなところに出来物作らねーな!おまえって本当に鈍臭い野郎だ」
だそうだ。
話さなければ良かったと後悔した。