坐花酔月 徒然日記

 「花咲く処に腰を下ろし 月を眺めて酒を楽しむ」 この一年、どんな年になるのか。

類聚近世風俗志 : 原名守貞漫稿 上下巻  喜田川季荘 著

2022-07-20 17:03:40 | 本・映画・音楽etc.
類聚近世風俗志 : 原名守貞漫稿


以前読んだ「下級武士の食日記」や「大江戸の飯と酒と女」で参考資料として上げられていた「守貞漫稿」の上・下巻が届いた。つらつらと眺め興味あるところから読んでいこうと思っている。


時節柄、うなぎ蒲焼きの項目を見れば、
『鰻蒲焼賣 京坂は諸具とも擔(担)ひ巡りて阡陌に鰻をさき焼て賣之 江戸にては家にて焼たるを岡持と云手桶に納れ携へ巡る [ケダシ]京坂大道賣のかばやきは大骨を去ず一串十六文に賣る 又江戸上製鰻蒲焼一種のみを賣店無之 唯大坂淡路町丼池に鳥久と云者此一種を賣る 蓋得意に非れば現金と雖[イエド]も賣ことを聽かず 京坂唯此一戸のみ其他は諸肴と並賣る而も普通の料理屋とは別にて鯉のみそしる鮒の刺身等河魚を専[モッパラ]とし 又海魚も交へ然[シカレ]ども掛行燈には必ず萬川魚と記せり 俗に是を[ゴウシ]て生洲と云 いけすと訓ず又大坂には諸川岸に屋根舟二三艘を客席とする者あり 是を船生洲とす 京都にも無之 又因曰[マタチナミニイワク]京坂蒲焼は朱漆の大平椀に盛る 大價銀三匁 小二匁 江戸は陶皿に盛る 大一串 中二三串 小四五串を一皿とす 各價二百銭 天保府命後百七十二文に賣る家もあり 又因曰京坂は鰻をさきて大骨を去り首尾全體にて焼之而後斬て椀に盛り焼之時鐵串を用ひ串を去て椀に盛る 江戸は大骨を去り鰻の大小に應じ二三寸に斬り各竹串二本を貫き焼て串を去す皿に盛る 江戸は焼之に醤油に美醂酒を和す 京坂は諸白酒を和す 諸食とも京坂にては諸白を交へ江戸にてはみりんを交ゆ也 又京坂は鰻を腹を裂き江戸は脊をさく也』と記されている。


面白い書籍が手に入った。フム。
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